上斜筋ミオキミア  (678)

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臼杵磨崖仏

神経血管圧迫症候群(Neurovascular compression syndrome)(総説)
竹島 秀雄(宮崎大学 脳神経外科)
宮崎県医師会医学会誌(0389-8288)32巻1号 Page6-11(2009.02)


この論文の抄録から・・・
『脳神経と正常な血管が長期間の接触により神経の脱髄をきたす結果、脳神経の刺激症状をきたすと考えられる症候群(神経血管圧迫症候群)がある。様々な脳神経で起こりうることが報告されてきたが、その代表として、三叉神経痛、片側顔面痙攣などの頻度が高い。これらの症候群は、いずれも生命に危険を伴うことはないが、我慢できない痛みや、筋肉の不随意運動などを引き起こす結果、患者にとっては日常生活において耐え難いQOLの低下が生じる。近年、病態の解明が進み、根治的外科的治療により神経の圧迫を除圧することによって、大多数の患者に於いて症状の著しい改善をもたらすことがわかってきた。・・・・・・・』


脳神経は、1から12まであり、
1.第I脳神経嗅神経嗅覚
2.第II脳神経視神経視覚
3.第III脳神経動眼神経眼球運動
4.第IV脳神経滑車神経眼球運動(上斜筋)
5.第V脳神経三叉神経顔面・鼻・口・歯の知覚、咀嚼運動
6.第VI脳神経外転神経眼球運動(外直筋)
7.第VII脳神経顔面神経表情筋の運動、舌前2/3の味覚、涙腺や唾液腺の分泌
8.第VIII脳神経内耳神経聴覚、平衡覚
9.第IX脳神経舌咽神経舌後1/3の知覚・味覚、唾液腺の分泌
10.第X脳神経迷走神経のどの知覚・運動、頚胸腹部の臓器を支配
11.第XI脳神経副神経肩や首の筋肉の運動(僧帽筋、胸鎖乳突筋)
12.第XII脳神経舌下神経舌の運動
(上記 Wikipediaから)

この中で、三叉(5)・顔面(7)・内耳(8)・舌咽(9)・迷走(10)・副(11)・舌下神経(12)において、神経血管圧迫症候群の存在が明らかなようです。三叉神経では三叉神経痛、顔面神経では片側顔面痙攣、舌咽神経の前庭神経ならめまい、蝸牛神経なら耳鳴り・・・などが明らかに。様々な症状を示す為、様々な診療科に患者さんは分散しているようですが、根治手術は、脳外科へ・・・
片側顔面痙攣は、顔面神経が神経根出口領域(root exit zone)において、前下小脳動脈(AICA)、後下小脳動脈(PICA)、椎骨動脈(VA)に圧迫されることが原因。三叉神経痛とは異なり、テグレトールは無効で、ボトックスが有効だが、効果が2-3ヶ月なので繰り返し投与が必要。若い人は手術が望ましく、圧迫解除で、9割以上症状改善するようです。
いつものように、前置きが長いですが、そして、今回のテーマは、上斜筋ミオキミア。この耳馴染みのない疾患が、第Ⅳ脳神経の滑車神経の圧迫によるものかもしれないそうです。眼瞼ミオキミアなら知ってますが・・・。教科書によれば、発作性の単眼性回旋性異常眼球運動。数十秒持続する、回旋性の運動。動揺視・複視・視朦感・・。知らぬ間に遭遇しているんだろうか・・。
※ネットで見つけた参考になる関連動画
http://youtu.be/EXpBXrva77U

 この疾患の原因として、神経の近くにあり並走したり直交したりする上小脳動脈の圧迫が疑われています。ただ、進歩したMRIでもその判断は難しいらしい。我々眼科医が、この疾患に注目して、脳外科医にコンサルトし、症例を蓄積することが重要なようです。
by takeuchi-ganka | 2013-05-11 09:54 | 眼の疲れ | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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