第2回守口オフサルミックフォーラム (683)

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※ちょっとボサボサ・・

平成25年5月25日リーガロイヤルホテル大阪
この日は、某S天製薬主催の大きな勉強会が帝国でありましたが、両方行くのは体力的に厳しいので、関西医大滝井病院の病診連携の会へ参加してきました。ちょっと同窓会的で居心地のいい勉強会でした。

一般講演
1,Express™ Glaucoma Filtration Device.の使用経験

アルコンのHPを見ると、
・より簡便に房水流出経路を作成でき、規格化されたデバイスにより、一定量の房水の流出が予測可能である
・線維柱帯切除術と同等の眼圧下降効果を示す
・低侵襲で炎症を発症する可能性が低く、また、術後の合併症が線維柱帯切除術と比較して少ない
・術中の眼圧変動が小さく、手術時間を短縮できる
・術後の眼圧をコントロールする薬剤数を減少できる
・創傷部位の回復、および術後視力の回復が線維柱帯切除術と比較して早い

と、いい話ばかり並んでいますが、実際このデバイスはどの程度使えるのでしょうか・・・。

今のところ、滝井病院では慎重に使い始めているようです。
症例1:79歳女性。PE。眼圧40以上。ロトシノトリプルしていて、眼圧再上昇し、中心視野が飛んだ症例に・・
症例2:72歳女性。右眼ロトシノトリプル、左眼PEA+IOL。高度視野障害。Td/Ts=23/23。両眼に・・・・・

このデバイスの特徴は、濾過量の上限が決まっている事でしょう。デバイスの中を流れる量は決まっているので、いくら強膜弁がゆるゆるでも、その最大流量が決まっている筈です。手術中のメリットとしては、一気に房水が流出して、眼球が虚脱しない・・。術後のメリットとしては、過剰濾過・低眼圧が防げる。ただ、当然ながら、そのメリットはデメリットともなる筈で、術直後から濾過量は少ないので、長期的にわたって濾過胞を維持する事が困難である可能性では・・・。レクトミーは、過剰濾過が怖いので、フラップはしっかり縫って、濾過量を見ながら、糸を切っていく。デバイスは、過剰濾過が怖くないのなら、フラップの縫い方から違ってくるのかも・・。

2,ルセンティスの無反応例・反応不良例にアイリーアは効くのか
別々のスタデイでは、
ノンレスポンダーは、22/218眼(10%ぐらい・・)
タキフィラキシーは6/142眼(4%ぐらい・・)
同一母集団のスタデイでは、82.3%が有効で、ノンレスポンダーが12.3、タキフィラキシーが4.5%だった。
ノンレスポンダーというのは、その病態形成にVEGFが大きく関わっていない可能性があり、アイリーアも無効かもしれないが、タキフィラキシーの場合は?通常は、治療戦略を変えて、休薬、PDT、ケナコルト、他のVEGF薬を使うなど・・。この時にアイリーアの有効性は?
ラニビズマブ(Ranibizumab、ルセンティス®):VEGF-Aの全てのアイソフォームを阻害できる抗VEGF中和抗体のFab断片であり、マウス由来のヒト化モノクロナール抗体
アフリベルセプト(Aflibercept, VEGF-Trap Eye、アイリーア®):VEGF受容体の一部をIgGのFc部分と融合させた分子量115,000の受容体融合蛋白で、VEGF-AのほかVEGF-B, PlGF(胎盤増殖因子)のブロックを行うため、ラニビズマブの100倍の結合力を持つ・・・
今回のスタデイでは、ノンレスポンダー19眼中3眼に行い1眼に有効。タキフィラキシー7眼中3眼に行い1眼有効。現在はこの程度・・
症例1:80歳男性。オカルト。タキフィラキシー。ルセンティス7回、マクジェン3回、再びルセンティス、その後アイリーア
症例2:64歳男性。オカルト。ルセンティス15回、マクジェン2回、再びルセンティス少し有効。アイリーア3回して有効。
症例3:79歳男性。オカルト。ルセンティス3回有効・再燃。アイリーア2回浮腫改善。ただ視力低下。
※アイリーアは、作用が強力なだけに、副作用にも注意が必要。
※様々な抗VEGF薬が出てくると、どれに反応してどれに無反応かで、病態解明に役立つ?



特別講演 斜視治療の目標と限界 浜松医大 佐藤美保先生
86年名大卒
斜視弱視は、門外漢なので、話は全て新鮮・・

大人の斜視患者: 大きな斜視角、戻らない両眼視機能?治らない??
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斜視の治癒基準(日本斜視弱視学会)
治癒度 偏位度・自覚症状 両眼視の程度
Ⅳ 治癒Excellent
10°以内9方向眼位(遠見・近見)にて自覚症状のない斜位(立体視60″未満NRC)
Ⅲ ほぼ治癒 Good
少なくとも第一眼位にて斜位、自覚症状の強い斜位(立体視60″以上NRC)
Ⅱ 部分治癒 Fair
第一眼位で斜視-斜視、微小斜視(立体視60″以上または実用的立体視NRC-ARCまたはARC)
Ⅰ 整容治癒 Cosmetically satisfactory
第一眼位で±15⊿以内、上下10⊿以内の斜視、異常頭位の軽減または消失
0 無効 not improved
―――――――――――――――――――――――――――――――

何をもって治ったとするか。治癒基準には様々なレベルがあり、完治は困難でも改善は得られる。諦めてはいけない・・。眼位が正位となり、複視も消失し、再発もしないのは難しいが、複視が改善し、見た目がよくなる事は期待できる。

※プリズム眼鏡
複視のコントロール。最も多い対象疾患は上斜筋麻痺ついで甲状腺眼症。積極的に利用することで患者さんの自覚症状の改善を測るべき・・。処方平均10⊿(水平)、3-4⊿(上下)プリズム。

1,調節性内斜視
まず眼鏡による矯正。それでも斜視が残れば(部分調節性内斜視)手術
※乳児内斜視との鑑別が問題になる早期発症屈折性内斜視の存在。屈折検査をしっかりやって、その矯正効果を見た上で超早期手術がいい・・
部分調節性(発症時期24ヶ月、33⊿)は、立体視悪い。多くはfly(-)。
純調節性(38ヶ月で20⊿)は立体視良いはずだが、意外とfly(-)も多い。
※発症時期が早いほど立体視悪い。
※斜視発症してから、治療して10⊿以内に持ち込むまでの期間が短いと立体視いい・・。眼位改善までの時間が重要。
2,上斜筋麻痺
子供は斜頸。大人は複視。
手術のリスクは?医原性Brown's syndromeの危険性は?
MRIで上斜筋を調べると、先天性上斜筋麻痺の場合、上斜筋が細い場合が多い。萎縮群と非萎縮群がある。非萎縮群は通常1回の手術で治り、触る筋肉もひとつだが、萎縮群は、複数回手術が必要で、2筋以上触ることが多い。
※上斜筋牽引試験を行い、分類して(クラスⅠ~Ⅳ?)、治療法選択。下斜筋切除(減弱)、上斜筋タック。
※外傷性の両眼性上斜筋麻痺に注意。例えば、交通外傷で頭部を打撲して、診断困難な病態があり、歩けない・強い複視があり、愁訴強い。

3,強度近視による固定内斜視
外直筋の位置に異常があり、眼球が外上方へ脱臼。
⇒横山法(内直筋後転、外直筋・上直筋縫合)

4,外傷後の斜視
①ブローアウト  :早めの手術がいい。
②下直筋断裂 :前眼部虚血に注意。
③・・

5,内斜視手術後の外斜視
内直筋の付着部異常が多いらしい・・
MRIで調べると、26眼中に付着部異常は15眼あり。Stretched scar, slippied scar, lost muscle ⇒治す必要あり。
※1970年頃までは、内直筋を切るだけの手術が主だったから?

6,白内障と斜視
白内障術前に斜視があって、術後複視ありなら、手術。複視なくても希望あれば手術している。異常対応は気にしなくていいらしい・・。

※大人でも、両眼視機能回復することもあり、整容的にも意味があり、高齢でも手術適応あり。最高92歳の症例の経験があると・・

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症例提示1(岡見先生)
固定内斜視症例に横山法。3症例あり、1,大きく改善したが、内斜視残存。2,不十分な効果。3,十分改善したが、自覚的には不満。
⇒横山法は慎重に。再手術できないし、軽症例にはやらないほうが・・。片眼例にもやらないほうが。過去の手術歴も慎重に検討。とにかく、慎重に・・。

症例提示2(津田先生)
30歳男性。複視。
レフでは、-1.25程度の近視。ミドリン散瞳後-0.75D程度。ただ、自覚的には-2.00Dも近視になる。
14⊿base out
⇒調節痙攣を伴った開散不全?、ミドリンM+ミオピン点眼、5⊿base outプリズム眼鏡
※30歳ぐらいでも、調節痙攣あり。
by takeuchi-ganka | 2013-05-26 14:39 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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