第394回大阪眼科集談会 その1 (685)

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早いもので、もう水無月。家の前では何やら騒がしいイベントが2日間も行われるようです。菖蒲園の開園時期に合わせたのでしょうが、雨露に濡れる菖蒲の風情とは縁遠いイベントのようです。ただ、ビールは美味しかった・・


第394回大阪眼科集談会@毎日新聞オーバルホール 平成25年6月1日

1,培養口腔粘膜上皮細胞シートを用いた角膜再生治療の現状 阪大
『他家角膜移植の問題点である、拒絶反応とドナー不足を一挙に解決する画期的な方法』
として、期待されています。小さなスタデイでは、透明治癒100%らしく、他家移植の42%より遥かに良好な成績。今回阪大・東北・東大・愛媛の4大学で多施設臨床試験(※)が開始されました。また、今年1月に先進医療Bとして承認されたようですが、それでも、患者負担55万。
※角膜上皮幹細胞疲弊症に対する自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植法の多施設共同臨床試験
http://www.tr.mext.go.jp/seeds/c/12.html

2,ぶどう膜炎続発緑内障(UG)に対する360度切開スーチャーロトミー変法(sLOT)の術後短期成績 大阪厚生年金
もう、20年ほど前、一度だけ、ほぼ同様の手術を目撃したことがあります。ただ、当時は、出血が多くて、こんなに広範囲に切開する必要があるのかなあ・・という印象でした。シュレム管が露出できて、糸を挿入できれば、切開は確実・容易な感じ。1ヶ月以内に2回連続21mmHg以上を死亡判定で、成功率84.6%。眼圧は35.8から6ヶ月後13.9へ。副作用も少ない・・。出血も多くなく、一過性眼圧上昇も多くない・・。
※UGの眼圧上昇は、様々なものが含まれていて、例えば線維柱帯を切開することが確実に有効と推定されるステロイド緑内障がどれほど含まれているだろうか?それを除けば、どの程度の成功率なのでしょう?サルコイドーシスのように線維柱帯に炎症の主座があって、眼圧上昇している時に、そこの部位の切開は理にかなっているのだろうか?演者の病院では、UGには、sLOTが第一選択らしい。

3,高年齢児の弱視治療について 大阪医大
弱視治療は、早期発見早期治療。それは、8歳以降になれば、治療効果が著しく低下するから。で、10歳以降の弱治療はどうなのか?5例の不同視弱視が提示され、ほぼ全例視力改善が得られた。アイパッチ時間は3時間から8時間と、様々。じゃあ、一体何歳までが治療対象なのか?海外の報告では18歳で改善例の報告があると。10歳ぐらいでも、諦めず治療を試みるべき。ただ、半年ほどやってダメなら漸減中止。

4,免疫正常者に発症し、網膜剥離に至ったサイトメガロウイルス網膜炎の1例 大阪医大
45歳男性。右眼霧視。網膜血管炎として紹介。視力良好。前房細胞+1、周辺部に出血、白鞘化した動脈、滲出斑。C7-HRP陰性(サイトメガロウイルス抗原陰性)、CD4陽性細胞低下ない(免疫低下ない?)。
ARN疑って、アシクロビルとステロイド開始したが、房水からPCRでサイトメガロウイルス確認できたので、ガンシクロビル投与。減量して、内服に変更したが、硝子体出血・網膜剥離に・・。PVDの進行に伴い、乳頭近傍の新生血管の牽引か、裂孔発生に伴う出血・剥離。

5,リアルタイムPCRが診断と治療効果判定に有益であった急性網膜壊死の2例 多根
1)74歳女性のぶどう膜炎。Mutton fat KPs、前房細胞+2、白色滲出斑・・・房水からVZV2.29☓10(8乗)コピー。重症なので、アシクロビル、ステロイド開始と同時にフルビトしてSO。急速に進行していて、正常な網膜は後極の一部。2週間後には4.13☓10(6乗)、その後1.84☓10(4乗)へ。
2)49歳男性。1)より軽症。ARNと診断後、房水からVZV2.27☓10(7乗)。アシクロビル、ステロイド投与したが悪化して、3.30☓10(8乗)と増加。5日目にフルビト。その後1.86☓10(5乗)
※数ヶ月前に病院にリルタイムPCRが導入され、1.5時間で、結果が出せるようです。疑ったら、すぐに房水とってPCR。ただ、急速進行するARNは、失明防止がやっと・・?


6,0,5度間隔視野測定-構造と機能の対応の評価 近大
通常の視野検査30-2(24-2)で6度間隔。10-2でも2度間隔。今回はオクトパスのカスタムを用いて、0.5度間隔の高密度視野測定を・・。緑内障患者さんの感度低下と、シラスOCTのGCC+IPL厚との比較。通常、かなり遅れて視野変化が出てくる・・というイメージがあるが、ここまで綿密に検討すると、かなり早期に検出可能(特に10以内の中心視野で)。

7,長期経過観察後に再発した地図状網脈絡膜炎の1例 大阪市大
65歳男性。地図状網脈絡膜炎があり、プレドニン30mgから開始。漸減中止。そのご瘢痕病巣が徐々に拡大?その後明らかな再発。OCTで脈絡膜の肥厚。治療によって肥厚改善。
※自発蛍光が強くなれば、再発要注意。
※OCTで萎縮病巣近くの脈絡膜肥厚すれば再発?

8,網膜下出血を伴って新たな線条が出現した網膜色素線条の1例 関西医大滝井
59歳男性。左眼にCNV、出血。PDT2回して、14ヶ月後再発。ベバシズマブ3回、ラニビズマブ2回。6年後両眼に新たな線条と出血。外傷の既往があれば、有りがちだが、ない?原因不明。本当に何もなかったのだろうか・・・

9,視神経乳頭を越えて拡がっていた網膜分離症の1例 関西医大
ピットのない網膜分離。66歳女性。右眼変視症。視力(0.6)。手術適応に若干疑問が残るが、ビト。残存した硝子体皮質を除去して、内境界膜剥離。ただ、外層の分離は残存して、ゆっくり改善。28ヶ月後消失し、66ヶ月後視力(1.5)。
※高度近視に伴う中心窩の分離と今回の症例のようなタイプと2つある。後者は治りにくい。
by takeuchi-ganka | 2013-06-03 10:03 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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