シクロデキストリン  (689)

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『糖尿病の合併症 目薬で治療…島根大が開発』・・・という読売の記事を見て、耳慣れない『シクロデキストリン』が目に止まりました。少し調べると、何と『シクロデキストリン学会』まで存在するようです。シクロデキストリン学会の会長のメッセージから・・

【シクロデキストリンは、グルコースでできた環状オリゴ糖です。底の抜けたバケツのような奇妙な形をしておりますが、実に素晴らしい働きをします。1903年にSchardingerにより分離精製法が見出されて以来、ゲスト包接による水可溶化、酵素モデル、不斉認識など、基礎から応用にわたる研究に幅広く活用されてきました。
 また、食品工業や製薬産業でも利用され、その多くが実用化されております。また、シクロデキストリンの化学的修飾も精力的に検討され、多くの優れた誘導体が誕生し、さまざまな高機能を発揮しております。
・・・
 1988年に工業的な大量生産法を初めて確立して以来、わが国は世界に冠たるシクロデキストリン王国です。オリジナル論文など研究文献の数は世界一です。 シクロデキストリン学会も、この分野に集まる研究者の良き人間性を共通基盤として"シクロデキストリンファミリー"を発展させてきました。】


 つまり、この分野は、クールジャパンにつながるかもしれない?
 『シクロデキストリンは水に溶けない油分に対しても、その内部空洞に油分を取り込み、そして外側は親水性を示すことで、きわめてスムーズに水になじむ』事が可能だとすれば、点眼へ応用が期待されます。
 糖尿病網膜症の黄斑浮腫に対する点眼治療・・という今回の発表は、デキサメサゾンというありふれたステロイドをゲストとして、シクロデキストリン内に包接して、薬効濃度で黄斑部網膜に届くようにしたものなのでしょう。まだオリジナル文献に当たっていないので、想像ですが・・。既に十分に検討されているのでしょうが、シクロデキストリンのゲストを変えれば、網膜に様々な薬物を届けることができて、網膜も点眼治療が主流の時代がやって来る?

http://www.iovs.org/content/52/11/7944.long
by takeuchi-ganka | 2013-06-26 14:31 | めぐすり | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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