第26回近畿神経眼科セミナー その7(702)

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特別講演Ⅱ
神経眼科に最適なMRI画像診断法について
~アナタは画像にダマされる!診断がつかない一般眼科医の苦悩~  
橋下雅人 札幌医大 准教授

※疲れきった後の、最後の講演でしたが、非常に楽しく聴かせていただきました。

画像診断の問題点
1,正常か異常か不明
2,正常なのに異常とみなされてしまう。
3,異常なのに見逃される。

※STIR法:視神経炎の評価に有用だが・・・・

1,正常か異常か不明
症例 75歳男性 白内障術後視力不良の訴え。右(0.6)、左(0.4)。MRIのSTIR法したが、視神経太い?⇒motion artifact!撮影中固視点を見てもらう工夫でクリア。
T1だと150~170msec 短いと素早く撮れるが、脂肪抑制が不十分になる。

※読影の問題
視神経萎縮を視神経炎とレポートされるケース
⇒どちらも高信号だから。眼科情報がないと誤読のもと。視神経萎縮は径が小さくて、造影効果なし。

症例 4歳男児 友達の頭が当たってから、片目を閉じている・・と。
CT、MRIなど行なっているが、撮影条件・範囲が不適切で評価困難。
⇒眼窩部単純CTを指示。左の下直筋が映っていない。⇒ブローアウト
※頭部条件と眼窩部条件は異なる。眼窩を見たいなら、眼窩部条件で撮らないと・・

2,正常なのに異常とみなされてしまう
症例 右の視神経が太い?⇒横を向いているだけ・・
※眼位は?固視点は?またCTは数秒の事なので、眼を開けて直視してもらう。眼を閉じるとダメ。

3,異常なのに見逃される
『脳外で異常がないと言われた』
一般眼科に受診し、これは目に異常はないですね。脳では・・・
⇒脳外科を受診し、MRIで脳に異常なしと判断
⇒眼科へリターン
『脳外で異常がないと言われた』患者さんをさあどうする?
1,神経眼科へ
2,患者さんが、前医に対する信頼をなくし、口コミやネット情報で、別の眼科へ(再度繰り返す?悪循環?)

症例1 67歳女性 急に複視自覚。左の外転神経麻痺
⇒脳外科 MRI異常なし?
⇒眼科 虚血性のもの? メチコバールで経過観察
⇒再診時 視力光覚に・・
⇒神経眼科 左外転障害、上転・下転も少し☓。少し眼球突出
 MRI眼窩部撮影⇒特発性筋炎 ステロイドパルスして少し改善。

症例2 52歳男性
4年前NTGの診断。右眼の視野欠損が進行したので、脳外へ。頭部CTとMRアンギオをしたが異常なし?
右眼の乳頭が蒼白
MRIで視神経を下方から圧迫する腫瘍検出(海綿状血管腫)

症例3 95歳
右眼瞼腫脹、痛みあり。右眼視力(0.1)と低下。Td/Ts=36/17。右眼全方向動かない。ヘルテル20/15
MRIで上眼静脈拡張。MRAのdigital subtraction angio(MRDSA)を行うとCCFが容易に診断できた。脳外で塞栓術行なって、眼圧・眼球突出も改善。

※正確に診断して、予測される責任病巣を脳外科や放射線医に的確に伝える事が重要!


眼窩部撮影プロトコール
CT いわゆる腹部条件でいい。スライス2mm、冠状
MRI スライス幅2-3mm。水平・・・・
 視神経なら⇒STIR、T2 脂肪抑制
 ※造影も脂肪抑制併用
⇒ただ、事細かに条件を指示するよりは、条件はまかせて、何を見たいのかを的確に伝えるべき。
取り敢えずCT・MRIやって異常なし・・・が怖い。

様々な撮影方法(名前はMRI機種によって異なる)
1,FLAIR:脱髄病変
2,SPGR(GE)、FLASH(シーメンス)、CE-FFE-T1(フィリップス):脳神経と動脈の関連
3,FIESTA:髄液中の構造物を詳細に描出
by takeuchi-ganka | 2013-07-29 09:34 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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