累進屈折眼鏡(遠近両用メガネ) (708)

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どうも患者さんを見ていると、眼鏡店の勧めに応じて簡単に高価な累進屈折眼鏡を作ってしまったものの、気持ち悪くて装用できないか、ライフスタイルに合わないかで、仕舞ったまま使われない事が多いようです。また、逆にネガティブ情報に洗脳されてしまい、累進屈折眼鏡を毛嫌いしている方も沢山おられます。どちらも問題で、累進屈折眼鏡をうまく使いこなせるにはどうすればいいのか少し考えてみました。


1,開始年齢
これは早い方が絶対にいいと思います。話を単純化して説明します。
加齢と共に水晶体は硬くなり調節力は低下します。おおよそですが、45歳3Dまで低下します。この3Dというのは、頑張れば33cmの距離に焦点をあわせる事ができる調節力です。つまり、3Dあれば、何とか読書が可能なのですが、2Dまで低下すれば、自力では50cmまでしか見えないので、読書は困難となります。快適に読書するには1D不足しますので、1Dの老眼鏡を掛けるか、通常の眼鏡の度数に1D加入が必要となります。
累進屈折眼鏡の場合、眼鏡レンズの上下の度数の差が1D(加入度数)となります。累進屈折眼鏡装用開始年齢が早い程いいのは、加入度数が少ないほど眼鏡は掛けやすく、加入度数が多くなるほど装用しにくくなるからです。できれば、1D以下の段階、つまり50歳までに装用開始すべきでしょう。

2,ライフスタイル
これは重要な要因です。遠く・中間・近くをどういった配分で見ているのかによって、眼鏡度数の選択は大きく変わります。スポーツ観戦、映画鑑賞などは遠方視主体。テレビ見ながら食事、遠方スクリーン上の文字を見ながら筆記作業(学校の授業)は遠近交互、自動車の運転は遠方主体なものの遠・中・近全て必要。キッチンでの仕事は中・近交互、パソコン操作や読書は近方主体となります。
従って、ひとつの眼鏡で全ての場面を完全にカバーすることは困難です。少々お金は掛かりますが、状況に応じた眼鏡が必要と思われます。読書用の眼鏡は、スポーツ観戦には向かないのです。従って、どんな状況で使う眼鏡が欲しいのかを明確にする必要があります。『最近見えにくくなったから眼鏡が欲しい・・・』と考えて、取り敢えず遠近両用を作るでは、失敗することが多いのです。

3,眼鏡店
本来眼鏡は、眼科に受診して、視力矯正の為に眼鏡が必要かどうか判断し、その後眼鏡処方を受け、処方箋を持って眼鏡店へ行くべきと考えますが、残念ながら現実はそうではなく、眼科より眼鏡店の方が、随分敷居は低いようです。
選択肢としては、①町場の小さな眼鏡店、②大規模チェーン店、③百貨店、④ネット・・・これぐらいでしょうか。最近では、多くの方が大規模チェーン店で、安い眼鏡を、手早く入手する方法をチョイスされるようですが、そこに問題はないのでしょうか。
町場の小さな眼鏡店の中にも百貨店に入っている眼鏡店の中にも、眼鏡について、よく勉強されていて、知識も経験も豊富な方は沢山おられます。彼らは、お客さんが購入する眼鏡枠や、眼鏡のスペック(レンズグレード、S面度数、乱視度数、乱視角度、加入度数、累進帯長・・・など)が適切で、快適に装用できるかどうかの判断ができるでしょうが、大規模チェーン店の店員にどこまで可能でしょうか・・・

4,眼鏡レンズ
ここではHOYAを例にとって累進屈折眼鏡レンズを眺めてみます。中近をターゲットにしたJAZ、ガラスレンズのSUMMIT PRO MLを除いても、5のグレードあります。
① Trinity
② iD
③ LSV
④ SUMMIT TF
⑤ ALIOTH

レンズ設計の細かな事は理解できませんが、HOYAの場合、見え方の質に大きく影響すると思われるのは、[BOOM]両面複合累進設計やエルゴノミック・インセット設計の有無でしょう。上位3クラスには採用されていて、④は一部採用、⑤は不採用です。私自身、③は未経験ですが、②と④の間には、大きな見え方の差を感じました。このグレードの差(設計の違い)が、累進屈折眼鏡の装用に馴染めるかどうかの分かれ目になるような気がしています。個人的には、LSV以上のグレードがオススメ?
by takeuchi-ganka | 2013-09-13 18:44 | 眼鏡 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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