TFODからTFOTへ (721)

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今回の勉強は全面的に京都府立医大の横井先生の論文や講演内容から・・・チョット油断すると、新しい略語が当然のように使われていて慌ててしまいます。今回は、TFOD/ TFOTについて

Tear film oriented diagnosis (TFOD)とは眼表面(涙液層および表層上皮)の異常を層別に診断し、Tear film oriented therapy (TFOT)、つまり層別に治療するというのが、新しいドライアイ診療なのだそうです。
診療の基本は、涙液膜の観察

涙液膜の形成過程
1,開瞼時の角膜表面への涙液の水分の塗り付け過程
2,開瞼後の油層の上方伸展によってもたらされる角膜上方への水分移動に基づく涙液層の形成過程
この2つの過程から正常の涙液膜は形成されると・・

この涙液膜が破れるまでの時間を涙液層破壊時間(tear film breakup time)=BUTと呼びます。この時間は通常10秒以上あり、5秒以下だと異常と判定されますが、問題は、この涙液層の破壊パターンにあるようです。横井先生によれば・・・①Spot break ②Area break ③Line break ④Random breakの4パターンに分類されます。それぞれの病態の対策としては、

①Spot break:開瞼直後に見られる特徴的な類円形の涙液破壊で、膜型ムチンの障害により、上皮の水濡れ性が低下している。⇒ジクアスやムコスタの効果が期待される状態。
②Area break:涙液が極端に少ない為に、油層の伸展も水の移動もなく、涙液層が形成されなくて、高度の上皮障害を伴う。⇒水が不足しているので、涙点プラグが必要。
③Line break:油層の伸展に伴って水が移動する途中で、涙液膜が破壊するパターンで、軽症~中等度の涙液(水分)減少を示している。⇒ジクアスの効果が期待される状態。
④Random break:油層の上方へ伸展した後に、水も移動して涙液膜が形成された後に、水分の蒸発亢進で生じる。⇒どんな点眼でもOK
このように考えられるそうです。
つまり、上皮障害があれば、その治療には、ヒアルロン酸製剤を使用し、上皮障害を引き起こすメカニズムによって、ムチンを増やす、水を増やす・・・などと使い分けるということでしょうか。もう少し勉強してまた記事にします。
by takeuchi-ganka | 2013-11-18 19:29 | 涙について | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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