2013年 12月 16日
第397回大阪眼科集談会 その1 (724)
今年最後の集談会が、年末恒例になったブリーゼタワーで行われました。
第397回大阪眼科集談会
平成25年12月14日
1,眼部帯状ヘルペスとカポジ水痘様発疹症の眼合併症 近大
カポジ水痘様発疹症は、アトピー性皮膚炎にHSVが感染したもの・・・
眼部帯状ヘルペスは、第1枝が圧倒的に多い。眼合併症は、どちらも70%前後だが、重症合併症は帯状ヘルペスだけ。眼瞼結膜炎はどちらもありうるが、多発性結節性浸潤とか虹彩炎外転神経麻痺などは、ヘルペスのみ。ただ、20歳前後に発症するカポジ水痘様発疹症は、皮膚科受診が基本で、中高年に多い眼部帯状ヘルペスの初診は、眼科と皮膚科と半々?どちらも治療は、抗ヘルペス薬剤だし、皮膚科を受診するカポジ水痘様発疹症には、大した眼合併症はない・・・。カポジ水痘様発疹症の病変の分布が三叉神経支配領域に限定されてたら迷うのかもしれないが、そうでもないようで・・・
2,水庖性角膜症に生じた急性水腫の1例 大阪医大
円錐角膜でデスメ膜に破綻を来して角膜実質や上皮が急激に浮腫を来すのが急性水腫。それが、PDRにビトしてシリコンオイル入れて、水庖性角膜症になって全層角膜移植して長期間経過した後、発症した。
問題にすべき出来事なのだろうか・・・。上皮下じゃなく、浅層実質内ってのがポイント?
3,白内障手術施行後に治療的レーザー角膜切除術を行った顆粒状角膜ジストロフィ2型の治療成績 阪大
※昔、顆粒状角膜ジストロフィーは、GroenouwⅠ型・Ⅱ型と習った記憶があり、イタリアのアベリノ地方に多いので、アベリノ角膜ジストロフィーと呼ぶとも聞いたこともあるが、遺伝子解析が行われ、TGFBI遺伝子異常の4タイプに分類。日本では、圧倒的に顆粒状角膜ジストロフィーⅡ型が多いらしい。治療はPTK。最近、LASIKを受けた患者さんがフラップの層間混濁が報告されている・・・・らしい。
この顆粒状角膜ジストロフィー(GCD)2型の白内障手術をする場合、PTKした後白内障手術するのが一般的だったが、IOLパワー決定が難しい。そこで、-4D狙いで白内障手術を行い、その後PTKを行う。結果、予想より1Dほど遠視化するので、白内障手術を-5D狙いに・・・
4,硝子体混濁を伴ったぶどう膜炎に対する硝子体手術の検討 済生会野江
ステロイド治療に抵抗するぶどう膜炎、診断に苦慮する硝子体混濁・・・に対して、診断・治療目的の硝子体手術。ドライビットして、硝子体を採取して細胞診、multiplex PCR
IL10/6が高値なら1例を除いて悪性リンパ腫。1例のみ低値だった。こういう事もあることを明記すべき。
ひょっとしてこの1例って、以前同窓会で聴いた・・・
『78歳男性、片眼の突然の視力低下(0.01)。深い中心暗点。眼底には網膜血管周囲炎の所見?
この時点では、球後視神経炎が疑われている。前医で、Gaシンチが行われていて、鎖骨下や鼠径部に集積あり。やがて両眼の硝子体が混濁し、悪性リンパ腫を強く疑うものの、IL10/6 = 12/7340 <1。マルチプレックスPCRで原因検索するも陰性。ようやく同意がとれて鎖骨下リンパ節生検で、混合型ホジキンリンパ腫と診断確定。化学療法行い沈静化したが、視力は両眼とも(0,01)。もともと虚血性変化が強くて、網膜が菲薄化していたから?※通常、非ホジキンリンパ腫B細胞性で、IL-10/6 >1だが、T細胞性では使えない。』
この症例かな?