第19回大阪緑内障研究会 その4 (732)

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@北サンボア

特別講演 緑内障診療アップデート 東北大 中澤徹

視野検査
現在世界標準となっているハンフリー視野の30-2か24-2を測定して、MDを算出し、その経時的変化を見るのが、緑内障の進行の有無・速度を判定する一般的な方法だが、東北大学眼科の緑内障患者さん(?)のMDスロープは・・・

MD slope
0以上 見かけ上改善27.5%
0 ~ -0.5 比較的安定 28.4%
-0.5 ~ -1.0ゆっくり悪化 19.2%
-1.0 ~ 悪化 24.9%

現在経過観察加療中の緑内障患者さんの40%以上が悪化している事になり、治療は不十分?
比較的早い進行(-1db/年)を80%検出するのに、年3回視野測定して2年かかり、年2回だと3年かかるという論文もあり、視野進行判定をMDslopeのみに依存するとかなり時間がかかります。治療を変更するとまたMDslopeを算出するのに数年・・・。これではあまりに時間がかかりすぎる。
Practical recommendations for measuring rates of visual field change in glaucoma.
Chauhan BC, Garway-Heath DF, Goñi FJ, Rossetti L, Bengtsson B, Viswanathan AC, Heijl A.
Br J Ophthalmol. 2008 Apr;92(4):569-73.

そこで、OCTのcpRNFLTでダメージが強いと推定される部位に相当する視野セクターのTDのスロープを見れば、MDslopeみたいな全体を評価するものと比べてかなり鋭敏に進行判定が可能になると・・。視神経の障害は、全体的にも生じているが、同時により局所で強く生じている筈(そのバランスは症例によって異なるだろうが・・・)。視野のデータも、殆ど変化のないセクターと、どんどん悪化するセクターとがあり、全体で評価するよりは、個別に判定した方が鋭敏。まあ、その為のGPAがあるのでは・・・。

OCTの進化によって、lamina cribrosaの厚み(菲薄化・変形)もlamina poreの形状も見えるようになった。また欠損が視野障害と強く関連しているとする文献も多い。ある発表で、LC厚は正常眼348、POAGが238、NTGは175μm。進行すると更に菲薄化することまで明らかに・・・(文献??)
※やはり、LCに脆弱性が強いほど低い眼圧で緑内障になりやすく、変形もしやすいのであれば、岩田先生のメカニカルセオリー通り?

視神経乳頭の障害好発部位は、7時と11時。神経線維がどの程度障害されると視野変化が出る?神経線維の厚みと視野結果を見比べると、70%ぐらいの消失が必要?

乳頭形状分類
1,FI (Focal Ischemic) 女性・スパスム・片頭痛
2,MY (Myopic) 若い女性・進行遅いが進行すると視力も下がる。
3,SS (Senile Sclerosis) 浅い陥凹、高齢・高血圧、球後の循環障害
4,GE (General Enlargement) 進行早い
このように、乳頭形状を分類すれば、予後を占うことにもなるのだが、眼底立体写真から自動判定するシステムを作ったと。耳側R/D、鼻側R/D、Cup深度、リム偏心、乳頭輪郭、傾斜・・・などから分類可能だと。形状別に進行度を予測可能・・?

注意すべき緑内障
1,黄斑部視野障害:11時なら黄斑を外れるが、7時の障害だと黄斑部にかかってくる。
※先ず30-2をすると思うけど、同時に10-2もすべきかもしれない・・・。
PMB障害に注意(特に近視において)。40μm以下だと視力低下の危機。
Correlation between peripapillary macular fiber layer thickness and visual acuity in patients with open-angle glaucoma.
Omodaka K, Nakazawa T, Yokoyama Y, Doi H, Fuse N, Nishida K.
Clin Ophthalmol. 2010 Jul 21;4:629-35.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20668666

2,PE緑内障進行しだすと非常に早い・・。しかも殆どが進行する?
※PEの眼圧挙動は、POAGとは異なる。一般的にPOAGより高い眼圧であることが多いと思うが、変動も大きい筈。視野障害軽度と思って経過観察していても、悪化し始めると、一気に悪化するケースもあり。個人的な印象ですが、ロトミーが有効で、PEA+IOLと同時に行うと更にいい。進行してからレクトミーするより、早めにロトミーで介入すべきかと・・・。
3,SAS(睡眠時無呼吸症候群)
視野が改善することがある。SASでCPAPしたら視野が改善・・。緑内障とSASの関連はもっと注目されるべき。POAGの20%にSASがあり、NTGの44%にSASがある。NTG50%、NTG疑い43%、コントロール3%という報告も。総合して、NTGの20-57%がSAS。これは全くもって無視できない数字。ただ、SASの中でNTGは2-27%程度。またSASで眼圧上昇ない。
また、緑内障重症度は、SASも重症?
緑内障診療において、SASの有無は必ずチェックすべし。
心配な方は、ここでチェックしてみてはいかがでしょう・・
http://www.nms.ac.jp/nms/4med/sas/
by takeuchi-ganka | 2014-02-02 17:33 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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