第398回大阪眼科集談会 その2 (734)

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角結膜・アレルギー関連 福島敦樹 高知大学
結膜充血の定量的評価 ~ 結膜充血解析ソフトの開発と応用 ~


アレルギー性結膜疾患(allergic conjunctival diseases : ACD)
1、アレルギー性結膜炎(allergic conjunctivitis : AC)
2、アトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivits : AKC)
3、春季カタル(vernal keratoconjunctivitis : VKC)
4、巨大乳頭結膜炎(giant papillary conjunctivits : GPC)


アレルギー性結膜疾患(allergic conjunctival diseases : ACD)には、増殖性変化がないACとAKC、増殖性変化のあるVKCとGPCがあるが、90%は特徴のないAC。自覚症状は痒み。他覚所見は充血。今回のテーマは、この特異性のない所見『充血』の定量的評価方法。

乳頭と濾胞について
乳頭は真ん中に血管がある小さなつぶつぶ。濾胞は周囲に血管のあるあまり赤くない少し大きめのつぶつぶ。濾胞はリンパ球の集合で、小濾胞ならウイルス性かアレルギー、大きな濾胞ならクラミジア感染が怪しい。
・21女性:通常の治療に抵抗する大きめの濾胞性結膜炎はクラミジアが・・・
・47歳男性:アレルギー性結膜炎として治療していたら、角膜びらんが・・・⇒瞼結膜に偽膜。
乳頭と濾胞の写真⇒
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アレルギーと感染の鑑別
アレルウォッチ陽性ならアレルギーだし、アデノチェック陽性ならEKCだが、現実は感度が悪くて、陰性でも否定できない現実がある。擦過塗沫がオススメ。好酸球が一個であればアレルギー。
・49歳男性:痒みがあり、擦ったら眼瞼腫脹・・・・瞼結膜に偽膜があった。⇒実はアレルギー性結膜炎+EKC(こんな可能性もあると・・)

アレルギー性結膜炎:患者さんが治してほしいのは、1,痒み 2,充血 3,異物感
肥満細胞からヒスタミンが放出され様々な症状を引き起こす。
抗アレルギー作用としては、
1,肥満細胞を安定化させて、メディエーター遊離抑制 
2,抗ヒスタミン作用(H1受容体拮抗剤)の2つ。
後者は、充血も浮腫(血管透過性)も確実に抑制する(実験レベルでは・・)。
治療効果の判定には、掻痒感と充血を評価する必要がある。特異性の高い所見ではなく、特異性の低いものの評価となる。10cmのvisual analogue scale(VAS)が使われる(痒みに関し)。
試験方法:環境試験と抗原誘発試験
後者は、1,花粉暴露室(OHIOチェンバー):https://www.samoncho-clinic.jp/pollen/ 
2,結膜抗原誘発テスト(CAC:conjunctival allergen challenge test)
CACは、先ず至適濃度を決め、再確認して、薬効評価に移る。この時の充血評価に、結膜充血解析ソフトを使用する。結膜のあるエリアの充血占有率は5%程度。アレルギー学会の指導医の判断と解析ソフトの結果はよく相関。ただ、不一致多いし、ひとり一致しない指導医もいたりして・・・・。解析ソフトは客観的評価が可能。
治療により、血管占有率は21.9⇒10%になった。
ただ、満足度の評価は、抗ヒスタミン(H1拮抗)、メディエーター遊離抑制、OTC薬なら、抗ヒスタミンが一番だが、差が明瞭じゃなかった。満足が得られない場合の対策は、ステロイド点眼、抗ヒスタミン薬内服、NSAID点眼だが、一番多いのはステロイド点眼。ただ、ステロイドレスポンダーに注意。フルメトロンに比較して、ベタメサゾン・デキサメタゾン・プレドニゾロンはリスク大。また10歳以下の子供もハイリスク。

※オススメ点眼種類は、抗ヒスタミン作用+遊離抑制をもつパタノール、アレジオン、ザジテン、(リボスチン)・・・。点眼開始時期としては、花粉飛散2週間以上前がいい?

花粉温度  2月6日で394℃
まもなく飛散?!もう飛散開始?
関東以西では以下の温度が目安です。
350℃以上:花粉飛散が開始
400℃以上:本格的な花粉飛散のはじまり(東北地方では210~280℃が目安)
750℃以上:花粉飛散がピークに
◎花粉は1日の平均気温が7~8℃、または日中の気温が10℃を超える頃に飛びはじめます。
Commented at 2014-02-08 11:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by takeuchi-ganka at 2014-02-09 12:35
SSOHは、病気かと問われれば、病気でしょうが、先天異常(部分的低形成)であって、緑内障ではないので、非進行性です。間違いなくSSOHであればあまり心配しなくていいものと考えます。

Commented by takeuchi-ganka at 2014-02-09 12:35
以前の記事から
superior segmental optic hypoplasia などと呼ばれるようになった難しそうな疾患だが、緑内障を多数見てきた人なら、その中に、んん?と疑問に思う症例に出くわしているのでは・・・。視神経は大きめの陥凹があるようで、緑内障に見えるので、視野測定してみると、マリオット盲点に連続して、周辺視野に穿破するような広がりをもつ弓状、楔状の視野欠損がある。だけど、全く進行しない。 勿論眼圧は正常。このような眼をSSOHと呼ぶようになったんだと思います。
厳密には、SSOHは、Kimらが、視神経乳頭・網膜神経線維層の4徴候
1、網膜中心動脈の上方偏位、 2、乳頭上半の蒼白化、 
3、乳頭上方の周囲のハロー、 4、上方の視神経線維欠損
+ 下方の高度の視野欠損で定義していますが、
多治見スタデイ以降に山本教授らが提唱しはじめた日本のSSOHは、Kimらの定義とは若干異なっているようで、
 要するに、若年で、鼻上側の乳頭リムの狭窄と蒼白化、対応するNFLDと楔状視野欠損という、非常にNTG類似の非進行性の疾患がNTG患者の10%程度の数存在するので、注意しましょうということです。
by takeuchi-ganka | 2014-02-07 14:10 | 学会報告 | Comments(3)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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