第9回松下記念病院眼科臨床懇話会 その1 (737)

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春を感じる小さな青い花たち・・
親しくさせて頂いている先生主催の勉強会なので、内気な私でも質問できるいい機会。第1回から参加すれば良かった・・・。今回もしっかり勉強させていただきました。


S社の製品説明会
アレジオンの説明
この点眼も、ヒスタミンH1受容体拮抗作用とメディエーター遊離抑制作用を併せ持つタイプです。このエピナスチン(アレジオン)は、古い薬ですが、点眼としては新発売です。エピナスチンの点眼がS社から発売されましたが、内服薬エピナスチンを発売しているF社の点眼はオロパタジン点眼。F社はどっちがいいと説明するのだろう・・・?

気になったのは、花粉のハッチアウトに関して。
http://www.icam.co.jp/ja/gallery/01sugi.html
このサイトでハッチアウトの動画を確認しました。in vitroですが、点眼がこのハッチアウトを抑えることができるらしい・・。点眼後の破裂率がパタノールで30%、アレジオンでは15%ぐらい。ただ、現実問題として、眼や鼻にないってくる花粉の何%がハッチアウト前なのか、1日4回点眼したとして、ハッチアウト抑制効果を発揮できるタイミングはどれくらいあるのか・・・など、臨床において、どれほど重要な作用なのか不明ですが、何か面白い。アピールポイントの1つのようです。


症例検討会
1,松下病院における病診連携の現状 

岡見先生が日々努力されている姿が紹介されました・・・・・
真摯な態度で患者さんに相対されているようで、今後共お世話になることにします。
※今後、ルセンティスの硝子体注射も積極的に・・・

2,白内障術後に浅前房が持続し、毛様体ブロックが疑われた症例 
非常に興味深い症例の紹介でした。
75歳女性で、術前+3.0D前後の遠視眼で、眼軸は、21.5mmぐらい。左眼を普通に白内障手術すると、翌日、前房がかなり浅い。-2.5Dと予想より近視化し、UBMで前房深度が2.51mm(通常は3.5mm以上)。さあ何か起こったのか・・・?
非常に低眼圧でなければ、悪性緑内障が頭をよぎります。UBM画像は、毛様体突起が前方に圧排されているようで、隅角も閉塞しているように見えます。眼圧はまだ上昇していないものの、悪性のサイクルに陥っている?毛様体と水晶体嚢に包まれたIOLの間で、房水がブロックされ、房水は、後房を作らず硝子体方向へ流れ、圧縮された硝子体の前部が毛様体やIOLを前方へ圧迫している?
後嚢中央部でヤグ、ついで周辺部で2回、さらに中央で・・・ヤグ後、硝子体ヘルニアが発生して、『房水は、後房を作らず硝子体方向へ流れ、圧縮された硝子体の前部が毛様体やIOLを前方へ圧迫している』と推定させる。で、フルにビトを行い、IOL後面や毛様体付近も丁寧に切除すると深い前房が形成された。他眼はAC2.3mmのプラトー虹彩様形態。悪性緑内障サイクルを危惧して、ビトしてPEA+IOL。ただ、術中毛様体ブロックが発生したと・・・

私も、20年以上前に、有水晶体で悪性緑内障を経験しています。この時も推定していたメカニズムは同じで、硝子体手術の敷居の高かった事もあり(?)、YAGレーザーで、硝子体を前部からかなり奥まで切開(破砕)することで、後房への房水ルートを確保できて、前房が形成されたと記憶している。(この時の指導医は山岸先生ですが・・・)
YAGレーザーによる前部硝子体破砕が奏効した有水晶体の悪性緑内障 臨眼45(7):1297-1300,1991

全く無関係ですが、悪性緑内障のUBM所見(治療前・ビト後)
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3,単純型糖尿病網膜症に合併した特発性傍中心窩毛細血管拡張症Type2の1例 
最近マクテルって呼ばれる疾患の報告。
1993年にGassが分類したIdiopathic Juxtafoveolar Retinal Telangiectasis (IJRT)はチョットややこしいが、2006年にYannuzziが分類したIdiopathic Macular Telangiectasia (IMT)は、少しわかりやすい。一応、Gassの分類に対応して、Type1から3まであるが、存在するのは、1と2のみ。Type1が、Aneurysmal Telangiectasiaと呼ばれ、糖尿病網膜症や古いBRVO何かに似た病型で、毛細血管瘤から傾向漏出があり、CMEのように網膜は肥厚する。一応直接凝固が有効な治療法とされています。
問題は、Type2で、Perifoveal Talangiectasiaと呼ばれるが、最近MacTelなどと呼ばれ世界規模で研究が進んでいるようです。当初淡い蛍光漏出のみ(Stage1)だが、やがて混濁してクリスタリン様物質が見られるようになり(Stage2)、さらに血管拡張するとright angle venulesが見られ(Stage3)、網膜色素上皮が遊走して色素沈着がみられ(Stage4)、最後には網膜下に新生血管が発生する(Stage5)。Yannuzziによれば、Stage1~4がnonproliferative stageで、Stage5がproliferative stageの2つに分類されるのみ。特徴的なのは、OCT所見。肥厚がなくて、外層が欠損している(inner lamellar cyst)。Type1と全く異なる所見。今回の症例は、単純型の糖尿病網膜症に合併したType2のIMTだが、Type1と違って、糖尿病網膜症があっても、その特徴的所見から診断には間違いなさそう・・。
※どうやら、Type1と2は全く別物。近い将来名前がまた変わるのかも・・・


by takeuchi-ganka | 2014-02-27 10:51 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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