第9回眼科治療を語る会 を聴いて・・・・ その2 (751)

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白檀とは異なるセンダンの花が盛りです。香りは不明・・・

第9回眼科治療を語る会 を聴いて・・・・ その2
1, PPG( preperimetric glaucoma )について
PPGと判断する根拠は?どの時点で判断する?

PPGとは、視野異常はないが、視神経乳頭と周囲網膜所見、GCC/cpRNFL解析などから、緑内障特有のダメージがあると判断できる眼と思います。ただ、PPGというからには、極早期なので、視神経乳頭陥凹やNFLDが明瞭でない僅かな変化であることも多い筈。OCTのGCC解析やcpRNFLの解析の微妙な陽性所見のみでPPGと判断するのは、その微妙な所見の進行が確認されてから判断すべき・・?

緑内障のガイドラインを見ると、『眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態を preperimetric glaucomaと称することがある.』とありますが、この通常の自動静的視野検査を30-2や24-2のみの場合と、10-2やAP7000も含めるのでは大きく異なります。
山岸眼科では、コーワAP7000を用いて、通常のハンフリー30-2で異常が検出できない症例に、眼底の異常部位に合わせた測定点を配置した検査を行い、そり早期の視野異常を検出しているが、個人的には、10-2も非常に有用と考えていて、最近は、緑内障患者さんの視野メニューの中心に据えたいと考えています。PPGというからには、せめて、30-2と10-2の両方異常がない事を前提にしてほしいものです。30-2の粗い測定点配置では、初期緑内障の場合、たまたま暗点が測定点に一致するか、結構大きな暗点にならないと検出できないのですから。
ただ、10-2でも異常がないとなると、OCTで検出される網膜神経節細胞障害由来の変化も非常に軽微なので、PPGと判断しにくいかも・・。その上で、PPGと判断されたのなら、ガイドラインの姿勢とは異なって、治療すべきと考えますが、やはり、ここは意見の別れるところでした。私は、診断に間違いなければ、視野異常が出現するまで待つほど気が長くありません。緑内障性変化が継続的に進行するとして、視野変化が出現する前には、神経節細胞が大量に失われる時期が長期間存在すると考えているからです。この期間を経過観察とするのは、あまりに勿体無い・・と考えます。特に、若いヒトであればあるほど、より積極的・精力的にやるべきだと・・・。ただ、手術までやるかどうかは、その手術のリスクと天秤にかける必要ありますが。

 集団的自衛権についての話題がメディアを賑わしていますが、緑内障治療において、『兵力は逐次投入すべき?』、それとも『兵力は集中投入すべき?』なのか・・・。ふとそんな事を思います。PPGと初期緑内障の間を勝手に4段階に分けてみました。

1) レベル1 病理組織学検査でのみ検出可能な時期
2) レベル2 一部のOCTでのみ検出可能な時期、或いは、経験豊富な緑内障専門家がその初期変化の存在を疑うレベル。まだ視野異常なし。
3) レベル3 OCTで普通に検出可能な時期、或いは、通常の眼底精密検査で初期変化検出可能な時期。視野異常は、10-2やAP7000でのみ検出可能
4) レベル4 通常の視野検査で検出可能

例えば、眼圧が25で、親がPOAGで失明。兄弟にもNTGあり。視神経乳頭陥凹の状況が、親と非常に似ているが、まだレベル1。将来緑内障性変化が生じる可能性が非常に高いと推定されるケースをどうするか?
この時期に治療すれば、予防的治療に近く、慎重にならざるを得ないが、レベル2ならどうなのだろうか。その変化が検出可能であるということは、サイレントな神経節細胞減少ステージに入っている事を意味している筈です。この時期からの治療は、『逐次投入すべき?』それとも『集中投入すべき?』なのか・・・。様々なスタンスがあるようだが、逐次投入は好みじゃない。
Commented by hithit100 at 2016-05-16 21:21
緑内障性変化が継続的に進行するとして、視野変化が出現する前には、神経節細胞が大量に失われる時期が長期間存在すると考えているからです。この期間を経過観察とするのは、あまりに勿体無い

視野変化が現れる前の神経節細胞が大量に失われる時期の進行速度を測ることはできますか?md値のようにあらわすことはできますか?そして、この段階で6年無治療で6年間変化がなければ緑内障といえますか?
Commented by takeuchi-ganka at 2016-05-18 08:51
OCTの精度の問題があるでしょうが、OCT検査が神経節細胞層の厚みを正確に反映してくれるなら、またそれが緑内障以外の疾患が原因ではないと推定される場合、その厚みを反映するプログラム(GCL・GCC・・・)の経時的変化を見ることで、神経節細胞の減少速度のようなものを判断可能だと思います。もう5年ぐらい前の話ですが、「板谷先生が、RTVue100で、RNFL4.5μm/年、GCC3.9μm/年以上の速度で薄くなったら異常と判定する」と言われていたのを覚えています。
Commented by hithit100 at 2016-05-19 06:46
コンタクトを作りに行って、その日のうちに、あなたは緑内障です。。と診断されたのですが、初日から7年間点眼も出ず、何も悪くなっていないといわれている状態です。。。緑内障でありながら、7年間進行せず、点眼も出されず1年後にまた来てくださいといわれたので、緑内障と診断されるには視野欠損があって初めて診断されるという記述を読んで、混乱してしまい、今回質問させていただいた次第です。視野欠損があるなら点眼が出るはずですし、緑内障<PPG>ということなのかな?などわからなってしまい質問させていただきました。進行速度の遅い緑内障ということなのかな?とも考えてしまったりしています。
Commented by hithit100 at 2016-05-19 23:05
緑内障の場合=視野欠損がある=7年分進行なし、md値が出ている

PPGの場合
1視野欠損が10-2のみで検出=7年分でmd値が出ている
2octのみの場合ggc3.9um/年以上の速度で薄くなったら異常=7年間悪くなっていないと言われたので言葉通りに受けとめるとここでも悪くないということか?など

上記のイメージで悩んでしまっています。

上記の点がわからないイメージとなっております。

Commented by hithit100 at 2016-05-19 23:21
初日から正常眼圧緑内障ですといわれ、目のくぼみの部分が大きいので誰が見ても緑内障である
人間ドックで必ずひっかかる
ということを言われたのですが、一年に一度の検査で点眼が出されたこともなく、他の説明なし、緑内障のりょのじも知らないまま、かなり混乱してしまい、こちらのブログにたどり着いてコメントさせていただいた次第です。もちろんこれからはずっと検診は受けないといけないことは理解できましたがどうにも悩んでしまい思いきって長文質問となってしまい申し訳ございませんm--m
Commented by takeuchi-ganka at 2016-05-21 06:57
ちょっとみたらわかるほど、視神経乳頭は、緑内障類似の所見を呈しているものの、7年間も無治療で全く進行していないのなら、確かに緑内障でない可能性もありますね。でも、時々診ておいた方が安心なので、経過観察だけでもしてもらったらどうでしょうか。
by takeuchi-ganka | 2014-05-17 11:34 | 緑内障 | Comments(6)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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