2014年 07月 09日
フォーサム2014東京 その2 (765) 真菌感染
フォーサム2014 その2
GK-6-1 近畿大学眼科で加療を行った角膜真菌症の検討 近大
48例50眼。酵母型真菌は、角膜移植後や他の眼疾患でステロイド点眼治療が原因で、糸状型は外傷・異物が原因であることが多い。酵母型はポリコナゾールで治ることが多い。
※角膜移植後は、抗菌剤使用も一因。
GK-6-2 真菌性角膜炎に関する多施設共同前向き観察研究 井上幸次
131例142検体。分離陽性は50.4%。判明した74検体の内、32株が酵母型、40株が糸状型。糸状型は、薬が効きにくい。3ヶ月経過しても、42%が治療中。つまり難治例が多い!
真菌に間違いない症例でも難治、真菌かも知れない・・としか判断できないケースはさらに難治。感受性検査もあまりあてにならない。
GK-6-3 Aspergillus udagawaeによる難治性真菌性角膜炎の1例 鳥取大
30歳男性。カラコンしていて、木の枝で突いた。
鼻下側角膜上皮欠損、一部隆起する辺縁不整な膿瘍⇒真菌性角膜炎
⇒ピマリシン点眼・軟膏、ポリコナゾール点眼・点滴
⇒培養でアスペルギルス属、後日A udagawaeと判明
⇒ミカファンギン点滴・点眼、アムホテリシンB結膜下注射、掻爬
⇒ミカファンギン結膜下注射
⇒病巣拡大止まらず
⇒保存角膜、抗真菌剤継続、硝子体手術、チューブシャント・・・・沈静化
※治療的角膜移植のタイミングが問題。治療で病巣を中央に追い込めば、もっと早期に決断出来たかもしれない・・・らしい。
※何をしても効かないので、治療方針定まりにくいが、2種類位の抗真菌剤を決め打ちして大量投与すべき(石橋先生)。
GK-6-4 MMC併用翼状片手術後に強膜融解および強角膜真菌感染をきたした1例 京都府立医大
71歳RAの女性。MMC併用翼状片手術して5ヶ月後に強膜菲薄(穿孔?)、角膜潰瘍・前房内白色塊。
⇒リンデロン点開始(何故?)
⇒腸閉塞で他院入院して、治療中断。
⇒1か月後前房蓄膿。⇒ガチフロ、セフメノキシム頻回点眼
⇒強膜融解部の白色塊を塗沫鏡検すると酵母型真菌
⇒ミコナゾ‐ル点眼、ピマリシン軟膏、ブイフェンド内服