第3回守口オフサルミックフォーラム (770) 霰粒腫と内反症 |

いつもお世話になっている西村教授率いる関西医大滝井病院眼科の病診連携の会を覗いてきました。
第3回守口オフサルミックフォーラム
一般演題
1,当院における多焦点レンズの使用経験
滝井病院でも多焦点IOLやってますよ・・・という報告。多焦点IOLが本当にいいのなら、もっと積極的に使えばいいのだし、もし問題が多いのなら、適応を狭める必要があるでしょう。積極的に勧めはしないけど、優れたIOLという結論は理解に苦しむなあ・・
2,初回及び追加手術ともに下半周で行った線維柱帯切開術の成績
初回追加ともに下半周でやったといっても、1回目が8時で2回目が4時と異なる部位。要するに、下方とか上方とかは関係なく、2回ロトミーやった症例の検討って事のようです。ただ、初回手術が有効だったけど、徐々に眼圧が上がってきて2回目をやった(独立)・・・というのは、理解できる。また、初回手術の効果が中途半端だったので、追加して2回目をやった(相加)・・・というのも辛うじて理解できますが、初回無効で2回目をやったというのは、どう理解すればいいのでしょう(追加)?ロトミー無効例なら、次の手術は別の術式を選ぶべきでは・・。手術成績の検討も重要だが、何故手術を行ったのか、また何故初回手術が無効だったのか・・・という検討は、更に重要では・・・・。
3,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するルセンティスの短期治療成績
ビト後の症例以外は、有効だったと・・。ただ、網膜厚は改善しても、有意差がでるほどの視力改善なし・・。
4,角膜感染症~半殺しはやめましょう~
言葉の使い方に問題は感じますが、角膜感染症に、抗菌剤の中途半端な点眼は大問題だと・・・。ちょっと怪しいから、クラビット4回/日指示しました・・・というのは××。起炎菌を推定して、効果的な抗菌剤を頻回点眼。角膜感染症は、涙液が非常に多くて、点眼はwash out されるので、毎時点眼が基本・・?もっと頻回でもいい?開業して15年以上経過していますが、角膜感染症は、それほど遭遇するものでないのです。したがって、今でも初診のドクターが中途半端な抗菌剤処方をしたり、ステロイドを入れてしまったり・・、治療が不十分であることはよくあることのような気がする。
※ベストロン
※トブラシンなど
※クラビットなど
※ベガモックスなど
特別講演
身近な眼形成手術~霰粒腫・内反症~ 三戸秀哲 井出眼科
霰粒腫
眼形成領域の疾患としての霰粒腫。この疾患は、マイボーム腺の貯留嚢胞から慢性炎症性肉芽腫を引き起こしたもの。本体は脂肪肉芽腫。経過観察・ステロイド・抗菌剤・温罨法・・・などで対処することが多いが、大きくなれば、手術。演者は、皮膚切開で・・。皮膚切開し、眼輪筋をかき分け、貯留嚢胞の外壁を切開して、脂肪肉芽腫本体を摘出し、残存肉芽腫を掻爬し、嚢胞外壁をトリミングして、縫合して終了。ごく稀に悪性の事もあり、全例病理に出しているようです。ただ、典型的な脂肪肉芽腫は30%ほど・・。
手術せず、あまり長期間放置すると、内容物が染みだして、瘢痕収縮してしまうこともあり要注意。
Am J Ophthalmol. 2011Apr;151(4):714-718.
Intralesional triamcinoloneacetonide injection versus incision and curettage for primary chalazia: aprospective, randomized study.
Ben Simon GJ1, Rosen N,Rosner M, Spierer A.
※トリアムシノロンの局所投与は、切開・掻爬と同等の成績・・TAが世界標準?i
内反症
睫毛内反:Hotz変法、Lid Margin Split併用
退行性下眼瞼内反症 Jones法、Kakizaki法(⇒良好な成績)
LERs(Lower Eyelid Retractors)の弛緩が原因。LERsを剥離して前転)
LERs弛緩以外が原因の内反症には、LTS(lateral tarsal strip)
※ピンチテストで、水平方向の支持が弱いことを確認して、陽性ならLTSへ
ここでの講演内容が参考に・・
http://takeganka.exblog.jp/18782890/