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概日リズム (800)

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※冬の八幡掘


ちょっと体調が悪かったので、ブログ更新が滞ってますが、今年最後の駄文を。
今年は、ブルーライトの危険性について、何度か触れてきたが、年末最後にちょっとだけ関連した話題を。緑内障に興味をもつ眼科医としては、文章中に神経節細胞という名を見つけると、ついつい引き込まれてしまう。緑内障というのは、この網膜神経節細胞のアポトーシスと言われていて、このアポトーシスが広がれば視野の欠損につながり、眼科医は、少しでも眼圧を下げてこのアポトーシスを少なくしようと努力しているのです。
ところで、この神経節細胞だが、知らぬ間に(?)非常に多くの種類が見つかっているようです。

1.midget神経節細胞 (X型細胞/β細胞) 70% ⇒P細胞
2.parasol神経節細胞 (Y型細胞/α細胞) 10% ⇒M細胞
3.small bistratified(2層型)神経節細胞 (W型細胞/γ細胞)16% ⇒K細胞
4.メラノプシン神経節細胞(Melanopsin-containing retinal ganglion cell : mRGC ) 0.2%
(内因性光感受性網膜神経節細胞 intrinsically photosensitive retinal ganglion cell : ipRGC
5.その他・・

機能選択的視野検査について記載した時に触れたが、
1,SWAP(ハンフリーに搭載) ⇒K細胞系を評価
2,FDP(専用機種) ⇒M細胞機能評価
3,フリッカー視野(オクトパスに搭載)⇒M細胞系
4,HEP(ハイデルベルグ):これもM細胞系
http://www.heidelbergengineering.com/international/products/hep/
このように、何とか早期に視野異常を検出すべく、神経節細胞の中でもターゲットを絞った視野検査があるのだが、復習はここまでで、今回のテーマは、第4の神経節細胞、メラノプシン神経節細胞です。多分、緑内障とはあまり関係のない話です。

基礎知識
瞳孔
1,副交感神経:括約筋収縮+散大筋弛緩
2,交感神経 :括約筋弛緩+散大筋収縮

対光反射について
網膜神経線維は外側膝状体へ。この線維の約1%が外側膝状体の直前で向きを変えて、中脳の視蓋前核へ。
この核から始まる短いニューロンが副交感性のE-W核へ。
光刺激に応じた瞳孔括約筋収縮信号を自動的に出すので、縮瞳。
※一眼からの光刺激が両眼の縮瞳反射を起こす経路
1.光を受けた眼球の鼻側半網膜からの線維が視神経交叉経由で、反対側の視蓋前核
2.左右の視蓋前核をつなぐ交連ニューロン経由で、一側核に達した刺激は反対核へも伝達
3.右または左視蓋前核から左右のE-W核に至る神経路。
参考資料 http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/cranial/cn2.html

長い前振りですが、この対光反射が、進行して視力が零になった網膜色素変性症でも存在していることが疑問視されてきたが、どうやら、視細胞(image-forming vision)以外にも光を感じる細胞が網膜にある事がわかった。melanopsin containing retinal ganglion cells(mRGC)⇒メラノプシン神経節細胞(non- image-forming vision)。この細胞は、視細胞との連絡はなく、直接光を感じて脱分極するらしい。しかも、470nm付近の青い光にのみ反応して、その投射は視交叉上核へ。ここには、睡眠・覚醒、血中ホルモン濃度などの概日リズムを制御する生物時計が局在する。E-W核を介して対光反射も。網膜色素変性症で視細胞が全滅しても、残存しているmRGCが光を感じて、概日リズム・対光反射に関わっているらしい。

『Blue-light hazard』
1.青色光が網膜特に、網膜色素上皮に直接障害を引き起こす可能性。
2.青色光を多く含む環境に晒されている事実
3.青色光が調節に与える影響

ノーベル賞とは関係ないが、LEDの普及に加え、パソコン・スマホ画面など、巷に溢れかえる青色光に刺激されつづけたmRGC(ipRGC)が視交叉上核に刺激を与え続けると、概日リズムが乱れてしまうかもしれない・・・・・これがもう一つの『Blue-light hazard』?
http://kenko100.jp/articles/140722003057/

Impact of cataract surgery on sleep in patients receiving either ultraviolet-blocking or blue-filtering intraocular lens implants Alexander I, Cuthbertson FM, Ratnarajan G, et al.  Invest Ophthalmol Vis Sci 2014, 55: 4999-5004.
※ただこの論文では、青色光カット(blue-filtering:BF)IOLが睡眠/覚醒サイクルに影響与えないと・・。
by takeuchi-ganka | 2014-12-27 17:27 | その他 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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