ビタミンDが欠乏すると加齢黄斑変性のリスクが・・(816)
2015年 03月 28日

VitaminD deficiency in neovascular versus nonneovascular age-related maculardegeneration
IttyS, Day S, Lyles KW, et al.
Departmentof Ophthalmology, Duke University Medical Center, Durham, NC, USA
Retina2014, 34: 1779-1786.
滲出型加齢黄斑変性におけるビタミンD欠乏症?
この疾患は、様々なサプリメントの有効性について、大規模なスタデイが行われ、エビデンスが積み上がっていますが、今回目に止まったのはビタミンD。このビタミンの欠乏と加齢黄斑変性に関連があるそうで・・・
「健康食品」の安全性・有効性情報のHPによれば、※https://hfnet.nih.go.jp/
『ビタミンDとは、ビタミンD2 (エルゴカルシフェロール) とD3 (コレカルシフェロール) の総称です。紫外線の照射によって、ビタミンD2は植物に存在するエルゴステロールから生成され、ビタミンD3は動物に存在する7-デヒドロコレステロール (7-DHC) から生成されます。ビタミンDは、カルシウムやリンなどのミネラルの代謝や恒常性の維持、骨の代謝に関係しており、不足すると子供ではくる病、成人では骨軟化症などが起こることが知られています。』とされてます。つまり骨代謝に関連するビタミンと認識されている筈です(※ヒトで重要な働きをしているのは、D3のみ??)。
受け売り情報を続けますが、ヒトにおいては、皮膚において7-デヒドロコレステロールが生成され、紫外線照射によってコレカルシフェロール(D3)が生成され、その後肝臓で25位が水酸化されて25ヒドロキシビタミンD (25-OH-D) が生成される(血中25-OH-D濃度: 15-40 ng/mL)。続いて腎臓で1α位が水酸化されて活性型の1α-25ジヒドロキシビタミンD (1α-25 (OH) 2D) に代謝され、体内で利用されるが、これは半減期が短くて、副甲状腺ホルモンやカルシウム・リン酸によって厳密に管理されているので、血中のビタミンD濃度の指標としては、25-OH-D濃度が使われるようです。
皮膚で生成されるものがメインのようだが、食品由来のビタミンDも必要で、食事摂取基準の目安量は5.5μg(200IU)/日程度らしい・・。加齢にともない皮膚で生成される量が減少するようなので、高齢では食事摂取も重要なようです。
⇒この活性型のビタミンDは、腸管からのCaの吸収促進、骨からの溶出促進して、血中Ca濃度上昇させる作用が有名で、欠乏症としては、子供のくる病、成人では骨軟化症が有名です。
※ビタミンD欠乏は、一般的に紫外線暴露時間が少ない環境で生活しているヒトが、摂取ビタミンDが少ないと発症すると言われています。血中25-OH-D濃度は、体内に存在するビタミンD総量を示してはいないが、皮膚で合成されたものと摂取したビタミンDの総量を反映しているようです。
今回の論文に登場するビタミンDは、どうやら骨代謝異常に関連した話ではなく、ビタミンD欠乏が加齢黄斑変性発症のリスクファクターだと・・・
※25OHD(平均±SD)濃度
- NV-AMD患者146例 :26.1±14.4ng/mL
- 非NV-AMD患者216例 :31.5±18.2ng/mL,p=0.003
- 非AMD対照患者100例 :29.4±10.1ng/mL,p=0.049
※ビタミンD不足(<30ng/mL 25OHD),ビタミンD欠乏症(<20ng/mL),重度ビタミンD欠乏症(<10ng/mL)の有病率は,NV-AMD患者で最も高かった.NV-AMD患者では,25OHDの最高五分位は,オッズ比0.35(95%信頼区間0.18~0.68)と関連があった.
つまり、加齢黄斑変性患者のビタミンD濃度が有意に低くて、欠乏症の有病率も高かったようです。これは、骨代謝異常に関連した話ではなく、ビタミンDが直接的に血管新生を抑えるような働きが推定されているようです。ω3の次は、ビタミンD?!
この他にも、
- ArchOphthalmol. 2011 Apr;129(4):481-9. doi: 10.1001/archophthalmol.2011.48.
- VitaminD status and early age-related macular degeneration in postmenopausal women.
- MillenAE1, Voland R, Sondel SA, Parekh N, Horst RL, Wallace RB, Hageman GS, ChappellR, Blodi BA, Klein ML, Gehrs KM, Sarto GE, Mares JA; CAREDS Study Group.
『75歳未満の女性に限ると、血中のビタミンD濃度が高いと、早期の加齢黄斑変性になるリスクは0.52倍と著しく低い』・・とか、
- InvestOphthalmol Vis Sci. 2014 Jul 15;55(8):5298-303. doi: 10.1167/iovs.14-13918.
- VitaminD and macular thickness in the elderly: an optical coherence tomography study.
- GraffeA, Beauchet O, Fantino B, Milea D, Annweiler C.
ビタミンDが不足していると黄斑部網膜が薄い・・・など・・・
骨代謝にしか関係しないと思ってたビタミンDに意外な作用がありそうです。

