寝起き2時間角膜上皮透過性は増大 (817)

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※満開のソメイヨシノ


  • Increasedcorneal epithelial permeability after overnight sleep
  • LeungT, Zhou Y, French HM, Lin MC.
  • ClinicalResearch Center, School of Optometry, University of California, Berkeley, CA,USA
  • InvestOphthalmol Vis Sci 2014, 55: 5718-5722.

※一晩睡眠後の角膜上皮透過性の増大

ちょっとだけ気になった論文。寝起きの2時間ほど、角膜上皮透過性は亢進していて、その後急速に回復して安定すると。気になった理由は、この論文の主旨とは異なって、日常臨床でしばしば遭遇する再発性角膜びらん。このびらんが発生するのが、いつも起床時のようなので、関係しているのか・・・と読み始めました。

http://www.iovs.org/content/55/9/5718/F2.large.jpg

角膜上皮の透過性の日内変動:朝、覚醒した直後から2時間は角膜上皮透過性が亢進している(バリアが破壊されている?)。この原因は、閉瞼によって角膜が低酸素になるからではなくて、閉瞼中に起こる涙液成分の変化の影響。閉瞼すると、ごく軽度の炎症が始まり、多形核白血球や組織破壊酵素が走化性サイトカインを経て涙液に補充。閉瞼すると涙液中のIL-8が増加(起床後2-3時間で戻る)して、多形核白血球が呼び寄せられる。詳細はさらに研究が必要だが・・・

 また、アジア人と非アジア人とで差がある。アジア人の方が覚醒後2時間の角膜上皮透過性が高い。この差は何故?眼瞼の解剖学的差異から来ている?アジア人の方が眼瞼・眼窩の脂肪が多いから?押さえつけるような力が角膜上皮に働き、それが上皮の透過性に影響しているかも・・・。角膜上皮バリア機能の理解は、効率のいい点眼治療の理解に繋がって、起床後2時間以内の点眼が、bioavailabilityの向上に繋がるかも。BACがバリアを弱めて薬物透過性を高めるとか、起床後2時間の上皮透過性亢進が点眼治療に寄与するかどうかは疑問ありそうだが・・。

※緑内障点眼を一日1回点眼なら、起床時2時間以内が望ましいかも・・

 ※本文中には全く触れられてなかったが、やはりRCEが起床時に生じるのは、閉瞼中に角膜上皮にIL-8を介して、或いは物理的な力で影響が出ているからなのか・・・と妄想。


by takeuchi-ganka | 2015-04-01 18:54 | めぐすり | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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