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第44回関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会 その1 (823)

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サギと釣り師。サギ師ではありません・・



今年の眼科同窓会の勉強会は、大阪都構想の住民投票の日にありました。当初若干有利と見られた維新サイドでしたが、ネガティブキャンペーンが功を奏し、天才橋下をもってしても、大阪市利権死守派に敗北してしまいました。5.17は、大阪に輝かしい未来がないことを決定した日に・・・・。気を取り直して、眼科の勉強です。

44回関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会

平成27517日 関西医科大学枚方学舎 加多乃講堂

セッション1 ぶどう膜・腫瘍

1,結膜下に発生したKaposi肉腫の1例 松山育夫

49歳男性 右眼充血・頬部腫脹・全身に赤い腫瘤形成・・・

当初EKCとして治療されたようだが、高度の充血・腫脹(隆起?)。上下眼瞼や上顎洞にも病変。結膜生検前の術前検査でHIV。生検結果→Kaposi肉腫。全身の皮膚の赤腫瘤も同じ。

http://www0.nih.go.jp/niid/pathology/KSHV/ishi-KS.html

  • 今日、本邦で見られるカポジ肉腫のほとんどはAIDS-K(エイズ関連カポジ肉腫:AIDS-associated Kaposi'ssarcoma,
  • AIDS-KSの発症はMSM(男性の同性間性的接触)がほとんどで、女性は稀である。
  • 本邦ではエイズ患者の5%―10%に合併が見られる。
  • 発症部位としては皮膚がもっとも多く、その他にも消化管、肺、リンパ節など。
  • 発症時期はCD4200 cells/mm3を切ったあたりから発症率が高くなるが、近年ではCD4値が200 cells/mm3以上での発症例もみられる。

2,小線源治療後に重篤な眼内出血から眼球摘出に至った脈絡膜悪性黒色腫の症例 佐々木麻衣子

59才男性。CSCの既往。NTGあり。左眼乳頭の上方に3.6mm厚の褐色の充実性腫瘤(音響空胞あり?)。加えて黄斑部やや下方に橙赤色の脈絡膜血管腫with SRD。ルテニウム小線源強膜縫着。17ヶ月ぐらいまで腫瘍減少していたが、その後腫瘍増大+綿花様白斑(放射線網膜症)。虚血が強かったので網膜光凝固。その後大出血・全剥離⇒眼球摘出。calendar分類混合型。

  • 眼球摘出と小線源治療の5年生存率同じ・・・なので、先ず小線源治療をチョイス?
  • 腫瘍には外照射効果低いので考えていなかった・・。
  • 一般には肝転移が多い。またかなり長期後に転移が見つかることもある。

http://ganjoho.jp/public/cancer/data/uvea.html#07 』

3,鈍的外傷により脈絡膜破裂を生じた一例 河合まり子

13歳男性。硬球のキャッチボールで左眼打撲。眼窩内壁骨折に加え、乳頭周囲出血、後極部浮腫混濁、出血。やがて中心窩の上下に線状病巣やがて瘢痕。OCTは最初SRDで最後網膜下瘢痕。(OCT上では、既に脈絡膜新生血管あり?)

4,慢性網膜壊死の病像を示したサイトメガロウイルス網膜炎の2症例 傳田悠布子

←半網膜血管閉塞を伴った周辺部顆粒型サイトメガロウイルス網膜症の2例 

77歳男性で、虹彩炎と高眼圧(34)、硝子体混濁と血管炎。周辺部に顆粒状滲出斑があり、広範囲に周辺血管閉塞していた。全房水のマルチプレックスPCRCMV検出。バリキサ入れて、滲出斑減少。その後PPR・・

70歳男性。両眼IONで視野欠損(右>左)。CMV陽性患者に顆粒状滲出斑と広範囲の無血管野を思わせる白線化した動脈。⇒これも慢性網膜壊死。

Chronicretinal necrosis:cytomegalovirus necrotizing retinitis associated withpanretinal vasculopathy innon-HIV patients. Schneider EW, Elner SG, van Kuijk FJ, Goldberg N,Lieberman RM,Eliott D, Johnson MW. Retina. 2013 Oct;33(9):1791-9.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23584702 

※高度の免疫不全なら、典型的なCMV網膜炎を呈するが、中等度の免疫不全だと・・・


by takeuchi-ganka | 2015-05-18 13:47 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka