第406回 大阪眼科集談会 その5 (847)
2015年 06月 15日

色誤認の実際は?
シミュレーションサイト⇒ http://www.color-blindness.com/coblis-color-blindness-simulator/
様々な写真をアップロードしていただければ分ると思いますが、紅葉(正常・1型色覚異常)や焼き肉(正常と2型色覚異常)などは、愕然とするほど異なった印象を持ちます。
電光掲示板(正常・1型色覚異常)


事例:信号・タクシー・鼻血・地図・電車の電光掲示板・・・・色誤認しやすい場面はいくらでもあり、学校での色誤認も、地図・理科・顕微鏡(病理組織)・黒板チョーク・図画など・・
※平成15年に学校検診がなくなって12年経ち、平成28年から復活するらしいが、平成15年に小学校に入学した子供は、高校を卒業している。進路はもう決っている子供も多い筈で、悲劇を生まなければいいのだが・・・。
診断
- 仮性同色表: ①石原式(国際38表)②SPP1③東京医大 ※現在入手可能なものは①②
- 色相配列検査:パネルD15
- ランタン
- アノマロスコープ
- 石原式:変化・消失・隠蔽。検出率99%。分類(型判定)のアノマロ一致率85.2%(少し悪い)
- SPP1:検出率98.9%。型判定も優れている 95.7%
- パネルD15(型判定 99.4%と優れている)
- pass :正常~中等度異常(異常3色覚) ※one error , minor error :pass
- fail :強度異常(2色覚)
- 従ってスクリーニングには、石原・SPP1を用い、パネルD15で程度の判断。型判定も可能だが、確実なのは、アノマロスコープ
- 検査場所の照明も重要で、色比較検査D65蛍光灯がベストだが、昼光色・昼白色 の蛍光灯でも可。電球色はダメ。プライバシーに配慮。表には触れない、筆で・・
- 色比較検査D65蛍光灯 6500Kがベストらしいが(蛍光灯単体で3000円位?)。卓上蛍光灯の併用ががいい?昼光色蛍光灯(6500K)、白色LED(5000~6700K)でもいい。
- 昼光色(6500K) – D/昼白色(5000K) – N/白色(4200K) – W/温白色(3500K) – WW/電球色(2800K) - L
- 相談:明確な答えはない。入学・就職制限少なくなってるが・・・色誤認は起こる。色を扱う、生鮮食品、交通関係・・・・・・。医療、幼稚園・小学校教員など色誤認に注意が必要。
- 正常と異なる色感覚。赤と緑が似ている。条件悪いと色誤認。色だけでは判断しないくせを・・。最終確認は他人にしてもらうことも必要。
- 親は問いつめない。学習させる。色以外の情報がない場合注意する。劣等感を抱かせない。苦手は誰にでもある。工夫が必要。