第5回 関西眼科フォーラム その1 (887)

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※どんな関係なのだろう?

11月1日 10:0012:45

講演4 病的近視診療の最前線  東京医科歯科 大野京子 教授

マイブームというか、SS-OCT導入のせいで、病的近視に興味が出てきて、先日もこの先生の論文を読んだばかりだったので、前日のコメディカルの宴会で若干二日酔い気味でしたが、頑張って聴講に。また、受付に懐かしい顔を発見して、少し元気が出ました。

平成元年頃(?)、宇山教授に連れられて、厚生省特定疾患網脈絡膜萎縮症調査研究班の班会議というのに参加したことがありました。確か、班長は松井教授で、宇山先生は分科会長でした。その頃というか、多分遥か前から、所先生(東京医科歯科大学)は、強度近視を専門的に研究されていたような・・・。ただ、一部の合併症を除いて、治ることのない変性疾患に個人的には殆ど興味がなかったのですが、あれから27年、ちょっと興味が出てきました。

視力が良い方が0.05以下の眼疾患に占める割合は、病的近視黄斑変性が22.4%でトップ。何とかしないと・・・

Ⅰ 近視性黄斑症 

  1. Category 0 "nomyopic retinal degenerative lesion"
  2. Category 1 "tessellatedfundus"
  3. Category 2 "diffusechorioretinal atrophy"
  4. Category 3 "patchychorioretinal atrophy"
  5. Category 4 "macularatrophy"

※ "plus"lesions, lacquer cracks / myopic choroidalneovascularization / Fuchs spot

International photographic classification andgrading system for myopic maculopathy. AmJ Ophthalmol. 2015 May;159(5):877-83.

近視性CNV 

頻度は10%程度。1/3は両眼性で、片眼に発生して他眼に発生するまで約8年。2型新生血管。新生血管は出血に覆われず、検眼鏡で見える。診断容易?ただ小さなものは当然わかりにくい。疑いがあればOCTFAを・・。lackercrack による単純出血(網膜下出血)との鑑別が重要。この場合、通常中心窩からずれる。ただ、その後、CNVが発生することもあり、ブルフ膜断裂直後は要注意。※dog ear (飛び出し)がある?

視力予後悪い。徐々に悪化する。周囲に萎縮病変を伴う。治療は抗VEGF(ルセンティス・アイリーア・・)。中心窩外なら、ほぼ完全に消えることもあり、萎縮も生じないので、積極的に治療すべき。新生血管はギューっと縮む。線状に縮む。萎縮病変なく、視力改善。ただ、長期的に萎縮病変が拡大することが大きな課題。中心窩の大きなCNVは大きな萎縮を引き起こす。加齢黄斑変性と異なり、30-50歳代に発症するので大きな問題になる。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24326106

RADIANCE: a randomizedcontrolled study of ranibizumab in patients with choroidal neovascularizationsecondary to pathologic myopia. Ophthalmology. 2014 Mar;121(3):682-92

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=The%20MYRROR%20Study&cmd=correctspelling 

Intravitreal AfliberceptInjection in Patients with Myopic Choroidal Neovascularization: The MYRRORStudy. Ophthalmology. 2015 Jun;122(6):1220-7.

アバスチン投与で、6年後視力改善35%、維持37.5と良好。ただ中心窩下CNVだと悪化が増える・・。問題なのは、CNV-related macularatrophy。中心窩にCRAがあれば、必ずCAN-related

近視と緑内障について勉強した際⇒PPAparapapillariyatrophy:乳頭周囲網脈絡膜萎縮)は、強度近視では、眼軸延長に伴い、乳頭傾斜に伴い大きくなります。PPAは、乳頭に近いzoneβ(網膜色素上皮(-))とその外側のzoneα(網膜色素上皮(+))がある。このゾーンの有無・大きさが、緑内障に関連しているらしい・・・・。網膜色素上皮がないzoneβはブルフ膜があるが、その内側のブルフ膜のない部分をzoneγと呼ぶ。zoneγは、眼軸延長・強膜伸展に伴って出現し、この広さは視野には保護的に作用しているが、zoneβはブルフ膜があり、緑内障と関連(OCT defined β-PPA)。』

 ブルフ膜のないzone-γは、眼軸延長に伴って伸びる。実は強度近視のCNV-related macular atrophyはブルフ膜がない⇒Bruch MholeOCTで見ると、ブルフ膜が断裂していると、波打ってたり、ズダズタになっていたり・・・しているのが見られる。本来ブルフ膜は、丈夫で硬い。強膜の形態保持にも大きく関与?孔があくと、風船に孔が開いたように拡大する(この言い方、心に残ります)⇒眼球変形。初期に抗VEGFで治療すると、ブルフ膜孔が出来にくい。小さくても積極的に。将来起きるかもしれない黄斑萎縮の予防にもなり、長期成績も改善する。

近視性牽引黄斑症

これも約10%ほど(9-34)。実は80%以上が悪化しない。手術もリスクがあり、全層円孔になることも多かったが、Fovea-sparing ILM peelingFSIP)法にて、成績向上。術後MHなし。

Fovea-sparing internallimiting membrane peeling for myopic traction maculopathy. Am J Ophthalmol. 2012 Oct;154(4):693-701.

緑内障性・近視性視神経症 ⇒割愛?

Ⅱ Scleral imaging

高度近視だと強膜までよく見える。Domeshaped maculaDSM)は高度近視の20%に見つかった。垂直・水平の両方向DSMは、その20%ほど。77%は垂直方向のみで、高さも高く、SRDCNVschisisなどが起こりやすい。

Comparison of ClinicalFeatures in Highly Myopic Eyes with and without a Dome-Shaped Macula. Ophthalmology. 2015 Aug;122(8):1591-600.

 超広角撮影 Optos

正常眼でさえ、最周辺部の血管異常は多く、近視だと更に多い。avascular areaが周辺部全周に見られ、徐々に後極へ拡大。ただなかなかNVは出来ないらしい。生直後17mmほどの眼が24mmになる過程で、赤道部が引き伸ばされ無血管野が拡大?

Areas of nonperfusion inperipheral retina of eyes with pathologic myopia detected by ultra-widefieldfluorescein angiography. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014 Mar 10;55(3):1432-9.

http://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2189904 

※高度近視では、黄斑部にVortexveinが見られる。大きくなると、赤道部のVortex vein小さくなる?

高度近視の黄斑部病変の原因は、眼軸延長と変形。その変形を来す前に予防すべき。正常眼学童近視⇒強度近視病的近視と進むと考えられているが、現在近視予防トライアルは、学童近視抑制で、それでは、強度近視病的近視の過程は止められない。実は病的近視は、小児期に病的近視としてスタートしている?


Commented at 2017-02-22 12:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by takeuchi-ganka at 2017-03-09 17:16
残念ですが、治療が意味がないかどうかコメントするだけの情報を持ち合わせておりません。
by takeuchi-ganka | 2015-11-06 14:03 | 学会報告 | Comments(2)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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