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滝井レチナ倶楽部 その2 (890)

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症例経過報告 患者さんの今  

今回は、経過の良くないケースの報告

  1. 75歳女性:軟性ドルーゼンが集簇しているというか、drusenoid PEDのような症例。OCT所見からRAPと判断して、右眼に初回STTA+PDT併用でルセンティス開始・・・・・・・PED消失後、網膜外層の強い障害が残った。その後左眼にも初回STTA+PDT併用でアイリーア開始して、同様の結果に・・・・。RAPではなく、drusenoid PEDであれば、治療の必要性は・・・?
  2. 1型CNVの加齢黄斑変性にアイリーア開始。2が月毎投与で何度も再発、その後Treat and Extentだが現在25回注射していて、4週程で再発をしている。ただ視力1.5もあるので注射継続は永遠に・・・・?
  3. 56歳女性 mCNV 抗VEGFのない時代だったので、最初はPDT。その後ルセンティス開始したが、何度も再発。現在9回。次はアイリーア?一応有効で、一旦剥離ひくのだが、またすぐ再発する。いつまで続く? ※VEGF注射しても、一定時間経過すると、局所でVEGFが増えて再発するのだとすれば、注射は続けなければ、視力が維持できない。こんな場合、途中から医療費を割り引いてあげなければ、『金の切れ目が縁の切れ目』的治療にならないだろうか。欧米では、途中から無料になると聞いたことがあるのだが・・・・・
  4. 69歳男性:BRVOで網膜光凝固後、CME(+)STTA3回したが、CME再発。ルセンティス開始したが、10回しても、CME少し残って、網膜外層障害あり。MA凝固も効果なく、アイリーア2回、少し改善?

症例相談コーナー

1,33歳男性 アトピー性皮膚炎があって、手足口病に罹患。その後右眼視力低下し、OCTで中心窩下RPEの肥厚・不整・・・・UAIM?。その後左眼も中心窩下のRPE隆起とSRDCNVの発生。両眼性のUAIMで、左眼は続発性のCNV(通常2型、今回は12)。アイリーア開始・・  ※Unilateral acute idiopathicmaculopathy (UAIM):コクサッキーウイルス感染後に、発症する疾患のようだが、新生血管は稀?

2,拡張型心筋症があって心不全がある糖尿病患者。最近、急に糖尿病網膜症が悪化。後極部中心のびまん性漏出が強いタイプで、左眼はCMEがあるが周辺部はきれい・・。これ、ただのDRCRVOの要素あり?内頚動脈閉塞は?眼虚血は?やはりただのDR?治療:ルセンティスかSTTA

3,86歳女性。眼軸27mmで、後部ブドウ腫あり。FAでブドウ腫の辺縁に過蛍光。NVじゃなくて、CSC類似の漏出があり、黄斑部上方に剥離あり。後部ブドウ腫の辺縁だと、中心窩から遠いのでまだまし。tilted disc syndromeだと、黄斑に網脈絡膜の屈曲部分が通ることがあり、漏出や新生血管が黄斑部に発生して、より重篤だと・・

4,赤道部あたりに出血・隆起性病変・・・?OCTPEDPCVらしい。時々黄斑外にもPCV。治療は直接凝固。

OCTの読み方

  • IS/OSline ellipsoid zone(内節のミトコンドリアが豊富な部位):視力と深い関わりあり。
  • COSTline  ⇒ interdigitation zone (錐体の内節がRPEの突起に陥入している部位全体の帯状の部分)※訂正済み

※ネーミングは統一されたようですが、エリプソイドはまだいいとしても、interdigitationは、言いにくい・・・・・。EZIZと呼ぶのかな?

Ophthalmology. 2014Aug;121(8):1572-8. doi: 10.1016/j.ophtha.2014.02.023. Epub 2014 Apr 19.

Proposed lexicon foranatomic landmarks in normal posterior segment spectral-domain opticalcoherence tomography: the IN•OCT consensus.

様々な症例を提示してくれました・・

  • ERM:最もしばしば遭遇する疾患。
  • 偽黄斑円孔:ERMの亜型で、中心窩だけ前膜がない場合。
  • 黄斑円孔:1A中心窩嚢胞/中心窩剥離 1B外層孔 2全層円孔 3opercuum外れて硝子体側へ 4 完全PVD
  • 分層円孔:黄斑円孔のステージ1Bの中心窩嚢胞の前壁が外れた場合?
  • VMTvitreomaculartraction syndrome
  • CMEDR/RVO
  • BRAO:急性期は高反射で少し厚い。
  • Schisis (RDあれば、手術予後悪い?MHになりやすい・・?そうでないことも・・・)
  • CSC(慢性型が意外と多いのに驚いています)
  • PED4本目のlineが分離)
  • Dome shaped macula:高度近視で黄斑部の強膜が菲薄化しないと、相対的に厚くなりドーム状に隆起する?
  • AMD
  • PCVpachychoroid
  • RAPreticularpseudodrusenと深い関連、難治性、網膜内出血、CMEPED
  • VKH(原田病)


by takeuchi-ganka | 2015-11-17 13:59 | 加齢黄斑変性 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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