第6回関西Glaucoma Update その2 (895)
2015年 11月 29日

緑内障診療におけるOCT活用術 おおくぼ眼科 大久保真司
座長のちょっと長過ぎる前説があって講演スタート。ちょっと長すぎ・・・M先生・・・
緑内障診断ツールのcpRNFLと黄斑マップは相補的。どちらか一方だけに依存するのは危険。乳頭は神経線維が集中するので、一部ダメージがあっても、正常線維の中に埋没することもある・・・だから、cpRNLは全ての神経線維をチェックできて見落としがない・・・とは言えないだろうし、黄斑マップ外に初期変化が生じることもあるだろう・・・から相補的。OCTが診断に有用な症例を提示
- 初期例で、陥凹も一見正常で、リムも正常(?)、色いいけど、菲薄化部位あり。
- 小乳頭:OCT有効
- 大きめの乳頭・大きめの陥凹:ハンフリー下方感度低下、OCTのGCC上方↓(豹紋状眼底でも有用)
- 47歳女性、上方cpRNFL↓、SSOH
- 42歳女性、-7D、ハンフリー下方感度低下、OCT異常なし?、よく見ると全層の厚み低下、内層GCC正常⇒外層の菲薄化(外層病変)⇒AZOOR
※読影のピットフォール:48歳男性: cpRNFL異常なし(segmentationエラー)と下方GCL⇒結果が乖離。検査結果だけじゃなく、生データを見ましょう・・
- 近視緑内障:長眼軸⇒拡大率補正必要。普通にcpRNFLを見ると、より大きな直径で測定することになる。黄斑もより広い範囲を検査することになるので、正常DBとの比較が、異なる場所の比較になる。24歳27.2mm、-7D:GCCリング状に赤く判定⇒補正で(-)。37歳男性 拡大率補正して、長眼軸DB使うと異常(-)に・・・ ※ 現時点では、長眼軸対応はニデックが一歩リード
- 乳頭縁: 主観的乳頭縁と解剖学的乳頭縁(エルシュニッヒ強膜輪)は異なる。
ReisAS Ophthalmology. 2012 Apr;119(4):738-47. Opticdisc margin anatomy in patients with glaucoma and normal controls with spectraldomain optical coherence tomography.
※乳頭縁:臨床とOCT⇒人の眼での判断では、①ブルフ膜 ②ブルフ膜とborder tissue ③border tissue・・・のどれ?臨床的乳頭縁ではダメ。BMOに統一すべき。OCTで検証したブルフ膜とエルシュニッヒ強膜境界組織との関係は様々なので・・。
- 経過解析:GCC progression analysis(ニデック)は優秀?Diffrence mapで、GCCで悪化した部分のみを表示する機能はわかりやすい。
- βゾーンとγゾーン:視神経乳頭周囲のPPAの中で、網膜色素上皮が欠損しているPPA(従来のβ)で、ブルフ膜を伴う部分(β-PPA:狭義)とブルフ膜が欠損している部分(γ-PPA)がある。この狭義のβ-PPAが緑内障に関連しているようで、スペクトラリスに解析ソフトがつくらしい・・