閉塞隅角緑内障についてーその2

レーザー虹彩切開術の適応について

①前房が浅い、隅角が狭い。 
⇒②瞳孔ブロックの発生(瞳孔縁と水晶体の間を房水が流れにくい状態)(=前房圧≦後房圧)
⇒③虹彩の前方への膨隆
⇒④隅角が更に狭くなる
⇒⑤隅角が閉じる
⇒⑥隅角が閉じる範囲が広がる
⇒⑦眼圧が上昇する
⇒⑧視神経が圧迫される(高眼圧によって機械的に圧迫されるが、非常に高い眼圧だと虚血になる)
⇒⑨視野が狭くなる
⇒⑩失明

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先ず、どの時点で、原発閉塞隅角緑内障と診断されるかが、実は、国際的に決まっていない?更には、施設・医師によって異なる?
最近は、原発閉塞隅角症(primary angle closure;PAC)なる考えが導入され、⑥隅角閉塞によって、⑦眼圧上昇があっても、視神経に異常が発見されるまでは、緑内障とは呼ばないらしいが、そんな事はどうでもよくて、要するに原発閉塞隅角緑内障は、①から⑩へと進んでいく訳で、必ず、⑦⑧へと進むと思われる眼をその前に原発閉塞隅角緑内障と診断して、治療し、⑨⑩へと進むのを阻止するべきなのです。
最も、参考になるのが、原発閉塞隅角緑内障の他眼。文句なく原発閉塞隅角緑内障と診断できる急性発作眼の他眼の眼を参考にする。この程度の浅前房・狭隅角が急性発作に至る目なのだと眼に焼き付けるのである。6月10日にアップした写真は、その急性発作の他眼です。ただ、問題なのは、同程度の浅前房・狭隅角眼と思える眼でも、同じ経過を辿るとは限らず、①②から、⑤⑥⑦へと進むには、プラスαの要因が絡んでいるのだと思います。このプラスαは謎です。チン小体の脆弱性、水晶体前面のR・・・
そこで、現時点でのレーザー虹彩切開術の適応は、
1)原発閉塞隅角緑内障の他眼(僚眼)
※(明らかに左右で前房深度の異なる場合はこの限りではない。)
2)浅前房・狭隅角 with隅角閉塞(テント状ではなく、台形又は広範囲のPAS)
この二つは文句ないでしょう。
3)浅前房・狭隅角 without 隅角閉塞
これが問題です。例えば、UBMで前房深度を測定し、瞳孔ブロックの程度を画像から判定すれば、少しは客観性があるでしょうが、これとて、明確な基準がある訳ではありません。また、UBMを持っている施設は限られています。私は、隅角鏡で判断することにしています。一度でわからなければ、繰り返し隅角鏡をあてて、判定します(前房深度特に、最周辺部の前房深度は変動しますから・・)。
その方法は、先ず、スリット光を幅広く照射し、隅角底を観察する。その後、少しづつスリット光の幅を狭くして、光量を減らします。スリット長も短くして、更に光量を減らします。暗室も十分暗くしておいて、暗室試験のように、瞳孔が散大し、瞳孔ブロックが強まり、虹彩が膨隆し、隅角が狭くなる様子を観察します。この時に、虹彩根部が線維柱帯に接するほど隅角が狭くなれば、隅角閉塞の可能性が大と考え、いくら暗くして待っても、まだまだ隅角が十分開いているなら、隅角閉塞の可能性は少ない・・・・と考えています。随分、自分本位の判断基準ですが。まあ、これ以外にも、他眼が失明しているとか、散瞳する必要性の有無や患者さんの通院環境など、適応のハードルを下げる要因は色々ありますが。
by takeuchi-ganka | 2006-06-12 15:22 | 緑内障 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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