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第37回大阪眼科セミナー その1 (910)

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『思いのまま』も開花

大塚製薬共催なので、まずは森下先生からムコスタで問題になっている涙道閉塞についてコメントが・・。

そんなに多くない?推定0.02%?それほど恐れるほどの事はない気もします。

特別講演Ⅰ 実践角膜診療 クリニックで出来る治療・専門施設で出来る治療 

多根記念眼科 診療部長 井上智之

クリニックでできる治療

  1. 物理的な障害:擦った・紙で・結膜異物(重瞼の糸)・春季カタル(シールド潰瘍)
  2. 再発性角膜びらん:糖尿病の接着障害・格子状ジストロフィー
  3. 遷延性角膜上皮欠損(三叉神経・毒性・感染後):兎眼・薬物毒性(緑内障点眼+NSAID)・眼類天疱瘡(角膜輪部疲弊症)
  4. 免疫:モーレン角膜潰瘍・RAの周辺部潰瘍
  5. 感染:肺炎球菌・カンジダ(BKPKP後)・ヘルペス(地図状)・上皮型(線状・面状)・アカントアメーバ(偽樹枝状・不整形潰瘍・円板状、痛い・・)
  6. 上皮病変+感染:OCPPKP後に繰り返す感染、ムコスタで上皮を改善させて感染リスク下げる(上皮microvilliを改善させると黄色ブ菌増殖抑制すると・・)

※ムコスタの効用:filament(+)SPK、線状クラック、面状病変、接着不良の改善、バリア機能の改善・・・

専門施設で出来る治療

PCRを使った網羅的検索、リアルタイムPCRDNA定量可能。対象は、8タイプのヘルペスとアカント・MRSA。次にブロードバンドPCR:細菌共通の遺伝子(細菌と真菌)

  1. いかにも緑膿菌によると思われる大型の膿瘍。真っ白。16srDNAが検出⇒細菌。キノロン+AG頻回点眼で劇的に改善。
  2. 円錐角膜にPKP後に膿瘍が・・・⇒MecA遺伝子⇒MRSA⇒アルベカシン
  3. 3週間も前に枝が当たって、白色病変⇒18srDNA⇒真菌
  4. 2週交換SCL使用の角膜病変で、PCRでアカント検出
  5. PKP後角膜内皮炎を繰り返すが、ACV治療に抵抗。前房水からCMV106コピー⇒GCV点眼・点滴で改善

HSVの治療

PCRでモニタリング。106コピーで治療開始して、検出限界以下になればOK

37歳男性。地図状病変で10コピー。ACV軟膏・内服が無効、再検査しても108コピー。ACV耐性HCVと考えて、TFTGCVでもいいかも)で改善へ。

※病巣⇒検鏡・分離培養・PCR⇒診断治療へ

角膜移植

  1. PKP:穿孔した潰瘍や進行した水庖性角膜症など
  2. 眼表面再建:GVHDで慢性炎症が続いている上皮障害に、羊膜移植・表層切除・輪部移植など・・
  3. DLKP:内皮だけ残して移植
  4. 内皮移植:水庖性角膜症の初期が良い適応。
  5. フェムトセカンドレーザー:自由な形の切開創がピッタリと合うように作れるて、糸の数もステロイドも少なくて、しかも丈夫な創に・・


by takeuchi-ganka | 2016-02-13 14:12 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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