なにわ眼科勉強会? その2(921)
2016年 03月 15日
※この日(平成28年3月10日)は、世界緑内障週間で、通天閣が緑にライトアップしていたらしい。
OCTの活用だが、黄斑疾患は断層像で判断することが多いが、緑内障はマップで判断することが多い。視神経乳頭周囲の神経線維厚・黄斑部のGCCの厚みなど。今回のテーマは、緑内障とその類似病変の鑑別。近視・大乳頭・小乳頭・傾斜乳頭・低形成・・・・・など
①13歳男性。大きな乳頭に大きな陥凹があり、視野正常だが、実は治療されていた? 大きな陥凹だが、リムは全周均一。例えば通常の大きさの視神経乳頭でCD比0.4なら、乳頭の大きさが1.5倍になるとCD比0.8ぐらいになるので、大きな乳頭は注意が必要。直径1.9mm以上、面積2.89mm2 以上が巨大乳頭の基準だが、判定しにくいので、簡便な判別法⇒乳頭と中心窩の間に乳頭が2つ並ばなかったら大きくて、3つ以上並べば小さいと判定。この症例のDM/DD 2.0⇒大きい。また他眼には視野欠損あって、GPで一番外のイソプターから急激に狭くなるくさび型欠損。このパターンは緑内障じゃなくて、低形成パターン。
②57歳女性。鼻側のNFL薄い。GPで耳側に上下2つのくさび形欠損(⇒低形成)。低形成は鼻側がメイン。ただ、アーケード内まで薄くなっている場合は、緑内障との鑑別に注意が必要。
③57歳女性 近視でNFLの厚みのピークが耳側にシフトしているケースで、OCT所見が異常と出ることあり。加えて軽度の低形成・・
④29歳女性 -7.75D。NFLの厚みのピークが耳側へシフト+大きな乳頭で大きな陥凹
⑤51歳男性 -6.00D。黄斑部の下半分に後部ぶどう腫⇒屈折暗点(GP)。
⑥48歳女性 黄斑内下方にNFLD(+)だが、OCTで視神経乳頭ピットとコーヌスピットがあり、それがNFLDの原因なら近視性視神経症。
⑦59歳男性 鼻下側の感度低下?視神経乳頭耳上部分のNFL菲薄化⇒PPG?
⑧40歳女性 -9.0D。黄斑内下方のNFLD。ハンフリー正常。ただOCT所見徐々に悪化⇒緑内障の神経節細胞減少ステージだと思うのだが、治療するというコンセンサスはまだないらしい・・・?
※検査は、神経節細胞が減少するどのあたりを捉えているのか・・・・?視野検査は80万から10万まで。OCTは140万から40万まで・・。我々は、GlauomaContinuumのどの当たりで検出可能なのか・・・。OCT検出前が、pre-PPGで、OCTで検出できて視野正常なのがPPG。ただ、RGCも40万以下になると、OCTの有用性は低下し、視野検査の方が有用。
