2016年 04月 04日
第411回大阪眼科集談会 その2 (924)
6,未熟児網膜症に対する水晶体温存硝子体術後の水晶体透明性 立花都子 近大
ROP ステージ4へのLens-sparing vitrectomy(LSV)。できれば、水晶体を温存して、調節を失うことなく、緑内障発生リスクを減らしたい。ただ、手術は非常に難しいらしくて、どうしてもビト(増殖組織)が切除不十分になりやすい。結果、40眼に行って、8眼に白内障。おおよそ手術後5年はクリアな水晶体を保てる。※残存したビト(増殖組織)が原因で(?)、水晶体は周辺部から濁ってくる事が多い(池田先生)。
7,近視性脈絡膜新生血管に対するアフリベルセプト療法とラニビズマブ療法の効果 木村元貴 関西医大
どちらもほぼ同様に治療効果があるのだが、アフリベルセプトの方が、若干治療回数が少なく、有意な視力改善効果がある。ただ、中心窩下脈絡膜厚(CCT)減少効果が大きく、将来の網脈絡膜萎縮が危惧される。加齢黄斑変性と違って、CCT減少が戻らない。もともとCCTが薄ければIVR、効果が弱いならIVAか。
8,滲出型加齢黄斑変性僚眼の近赤外眼底自発蛍光のパターン分類 繁田龍二郎 堺市立総合医療センター
滲出型加齢黄斑変性(tAMD20/PCV17)の両眼の分析。Minimal (極僅かな低蛍光のみで過蛍光なし)/ Focal (1乳頭面積(DA)以下の低蛍光または過蛍光)/ Speckled(複数病変を含み、合計1 DA以上の低蛍光・過蛍光の混在)の内、Speckledは加齢黄斑変性が多い。軟性ドルーゼンはMinimalが多く、脱色素はFocal/Speckledが多い?網膜色素上皮の異常検出に優れているが、滲出型加齢黄斑変性のハイリスク眼の検出というよりは、更に軽度の前駆病変の検出?
9,Sleeve Cover法による前房安定性の改善 吉川大和 大阪医大
角膜内皮移植(DSAEK)にBusin Glideを使用する際の問題点を改善すべく、白内障手術用のシリコンスリーブの先端を切除したものをかぶせて行うと、前房安定性・グラフト展開ともに良好だったと。
10、小児軽度遠視の診断における調節検査の有用性について 中島伸子
http://www.nidek.co.jp/products/ophthalmology/exami_list/exami_measuringdevice/ark-1.html