第4回若葉の会 その1(949)
2016年 06月 14日

第4回若葉の会 @日航ホテル大阪
一番興味があったのは、神経眼科領域の第一人者の講演。なかなか理解困難な病態が多くて、あまり興味を抱くことなく、眼科医として何十年も歩んできたのですが、ここに来て、小さなマイブームが起きてます。特に今回は、OCTという切り口なので、ずっと親しみやすい話の筈・・・・と思って、あまり近寄りたくない心斎橋エリアまで出かけて行きました。
一般講演Ⅰ
1,難治性角膜疾患の実際 井上智之
1年間で101眼の角膜移植。全層移植と内皮移植がメインで、ついで表層・深層・輪部移植。
※内皮移植は、水疱性角膜症の初期が良い適応。
2,レバミピド点眼による涙道閉塞について 大江雅子
ムコスタの話の前に、TS-1の話。胃がんのファーストチョイス抗癌剤。涙液中の5FU濃度が高くなるので、それによる角膜上皮障害と涙道閉塞が生じる。角膜上皮障害に対しては点眼治療は無効で、ヒアルロン酸点眼は逆効果。ソフトサンティアで希釈するぐらいしかない。涙道閉塞は、角膜上皮障害と違って不可逆的。4週ぐらい経過すると発生し、基本的に両眼性。16%と高頻度。涙道閉塞と言っても、涙点から涙小管レベルの閉塞がメインで、治療成績も不良。侵襲の大きい結膜涙嚢鼻腔吻合術しかない。対応としては、涙液△に注意を払い、高くなってきたらすぐ紹介すべきだと。涙点拡張やブジーは×。涙管通水検査さえしなくていい?涙管上皮がダメージを受けているから?すぐにチューブを入れる。時に予防的に入れる。タイミングが遅れると予後不良。
ムコスタ結石の話。ホウ酸と反応してゲル化(と推定)。時に点眼開始1-2年で急性涙嚢炎が生じることも(抗生剤無効)。ムコスタは点眼回数を守り、涙液△に注意を払い、高くなってきたらムコスタ中止。
3,涙小管閉塞の治療成績(新しい涙小管切断法による再建) 真野福太郎
様々なタイプの涙小管閉塞があり、タイプによって治療法・予後が異なる。涙小管の閉塞は、鼻涙管と異なる、プロービングが困難なことが多い。今回の発表のトピック(?)は、涙点から涙小管の途中までの閉塞の場合に、涙小管の閉塞部位と総涙小管の間に切開を加えて、そこからチューブを入れて、鼻涙管まで入れて、涙小管から涙点までの閉塞は、切開部位から逆行性に閉塞部位を穿破して、チューブを通して、涙小管切開部位を縫合して終了。7/8の成功率。TS-1による涙道閉塞に有用らしい・・。
一般講演Ⅱ
4,新しく導入した多焦点眼内レンズ 福岡佐知子
- 回析型(2焦点):テクニスマルチフォーカル(+4.0,+3.25,+2.75D)コントラスト感度低下少ない(35万)
- 屈折型(2焦点):レンティス(フルオーダー)Mplus Xにより近方視力改善(35万)
- 回析型(3焦点):ファイビジョン(35万)
- Add-On:通常のIOLが入ってる眼に、多焦点眼内レンズを入れる場合(30万)
※②と③はフェムトセカンドレーザーを使うとプラス10万円。
5,フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術(FLACS)のアドバンテージ 繪野亜矢子
器械は、AMO社のカタリスレーザーシステム。角膜切開、CCC、核分割の3ステップをフェムトセカンドレーザーで行う手術。これにより、超音波の使用量や炎症を抑え、内皮減少も減らせる。通常の手術でもメリットはあるのだが、難症例でも有効。
- 成熟白内障で膨化していて、CCC時に一気に亀裂が後ろに回ってしまう危険(アルゼンチン国旗現象)があるが、FLACSなら完璧なCCCが簡単に・・・
- NS4-5の硬い核でも、FLACSでNS3程度の感覚で手術可能
- 水晶体亜脱臼・チン小帯脆弱例でも、困難なCCCが簡単で、核処理も容易。
6,Wide viewing systemの活用 川村肇
これにシャンデリア照明を併用したシステムは、現在では標準(常識)のようだが、ちょっと気になったのは、子供のバックリング手術にもこのシステムを応用して、ビトしなくても、容易に網膜全体を観察しながら、クライオ+バックリングが可能(記録も残せる)。

