2016年 07月 11日
第5回守口オフサルミックフォーラム その1 (956)
最初は、閑散とした中、尾辻くんの司会で、グダグダ・・な雰囲気で始まり・・・
一般演題
1,そっくり眼瞼腫瘍~外見にだまされるな!~ 境友起夫
症例1 23歳男性 左下眼瞼腫瘍 アポクリン汗孔腫(apocrine poroma)らしい。報告の殆どは、エックリン汗孔腫。汗腺導管部の細胞由来?これって、何にそっくりなのだろう?
症例2 61歳女性 下眼瞼結膜か眼瞼縁からの腫瘍。手術待ちの間に腫瘍増大し、出血も・・。摘出して病理組織の結果は、脂腺腺腫だった(雰囲気的には悪性なのだが・・・)。ただ切除後再増殖してきたので、根部までしっかり切除すると、脂腺癌の診断。その後形成外科と一緒に拡大手術(安全域5mm残して、眼瞼全層切除)。※かなり大きな腫瘍だったが、切除しても根本の一部にしか異型細胞がなかったので、最初の病理組織で悪性の診断がされなかった?この腫瘍の場合、こんな事は結構多いらしい。
2,黄斑円孔に対するInverted ILM Flap法の紹介 三輪加耶子
もう、かなり前から耳にしている手技ですが、説明は簡単だが、手技はそんなに簡単じゃない?黄斑円孔網膜剥離は特に難しいらしい。昔からそうなのだが、西村先生が、何気にやってるのを見ると、特別スーパーな手技に見えないところが恐ろしい。この手技は、もはや全例に行われているのかもしれないが、ILMを黄斑中心に外側から円孔方向に剥離していって、最後の円孔縁は残しておいて、トリミングし、裏返して円孔の中に入れる(蓋をする?)。ILMが剥離されることで、網膜が伸びやすくなり、円孔内に入ったILMがグリア細胞増殖の足場になり、円孔閉鎖率や術後視力も向上するのだと。大きな円孔・古い円孔・高度近視の円孔など今まで成績不良だったケースの成績向上。
※すでにILM剥離が行われている症例の場合は、別の場所からILMを剥離して持ってきて、円孔内に押し込む?ようだが、至難の業らしい・・。ひらひら漂ってしまうILMをキャッチしている映像があった・・・スーパーキャッチ?
3,pachychoroidについて~加齢黄斑変性における新しい脈絡膜OCT所見~ 三木克朗
http://journal.nichigan.or.jp/Disp?pdf=1200030163.pdf
4,角膜感染症~半殺しはやめましょうPart3~ 三間由美子
彼女も、もうすぐ開業なので、このシリーズも見納め?言葉は荒いが、中途半端な治療するぐらいなら・・・・という事なんでしょう。何が対象なのか不明確なまま、多剤を投入すれば、その後の治療に悪影響(培養できない、病状が修飾されている・・)。それなら、点眼は1剤だけ入れておく。その前に写真を撮って、塗抹・培養・感受性検査も。あるいは何もしないで送る。ただ、問題は重症度の見極めであって、最前線の診療所にやってくる軽症例の殆どは治るので、そこで篩にかけられた症例が病院に送られているという現実がある。開業して、17年以上経過してが、角膜感染症で、大学に送った症例は、全体の1割以下。全部送っていいのかな?
それぞれの特徴を把握した上で抗菌剤をチョイス。緑膿菌が想定される場合、第4世代キノロンは弱い。演者推奨は、1剤を頻回点眼・・。角膜感染を疑い、クラビットの頻回点眼を指示したとしたら、通常1日4回点眼の薬剤だとしても、眼表面の病巣において一定濃度以上で薬剤を作用させたいのだとしたら、流涙に負けないように、1時間毎や30毎の点眼の指示が必要。また、例えば、夜診(午後7時)に受診された患者さんに、頻回点眼を処方したとしても、8時から10時まで2時間の間に3-5回点眼して寝てしまったのでは、あまり意味が無いので、緊急性の高い場合は、朝まで寝ずに点眼し続けろ・・・と。
※症例:角膜浸潤があって、パタノールとオドメールが処方されてしまい、翌日眼痛が強くなり、上皮剥離のような所見があって、クラビット+ベストロンを処方されたが、早めに寝てしまったと・・。翌日には角膜潰瘍に・・・。最終的にCLケース培養してトブラシン点眼に変更して治癒。