2016年 10月 05日
第27回 日本緑内障学会 その11 (972)
聴くつもりはなかったのですが、年寄りの常。早起きしてしまい、気がつけば間に合う時間に学会場に到着していたので、のぞいてみました。
モーニングセミナー5
新しい眼圧測定の幕開け
新発想の眼圧測定値 IOPccの可能性~角膜可塑性:Corneal hysteresis(CH値)の全容解明~
http://takeganka.exblog.jp/3544921/
この概念を取り入れた眼圧計の話は、もう10年以上前から学会でも話題になっていて、今更なんで・・・と思ったら、今年国内に代理店が出来てやっと正式発売のようです。今更幕開けと言われても・・
1,緑内障とCornealHysteresis(CH値)との関係 朝岡亮(東大)
角膜に空気があたると、角膜がまず平坦化する。ほぼ完全に平坦化した段階で、角膜からの反射シグナルがピークになり、その後角膜へ凹んで、その後戻ってきて再度平坦化した後、もとの形態に戻るのだが、この二度目の平坦化でも反射シグナルがピークを迎える。最初のピーク時の圧と二度目のピーク時の圧差がCH?角膜の可塑性を表すらしい。『固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質』?これで補正すると真の眼圧に近づくというのは、なんとも理解の及ばない部分だが、そうなのらしい。このCHと視野進行の関係:MDスロープをCHで説明可能。視野の重症度もCHと関連あり。CHが大きい(テンピュールのような感じ?)と進行遅いが、小さいと速い。
2,角膜厚とCornealHysteresis(CH値)との関係 新田耕治(福井済生会)
角膜厚で眼圧補正することがよくあるが、厚みより可塑性が問題。CHは9.6~12ぐらいで、福井済生会の緑内障患者のCHは8.98。つまり眼圧は過小評価されていると。十分に眼圧が低い筈なのに、進行するNTGの中に、実は高いケースが隠れているかも・・。
3,眼圧補正値(IOPcc)の今後の可能性 藤澤公彦(JCHO九州)
レーシック前後で眼圧不変。
PG剤点眼による眼圧下降を過大評価している可能性(CH高い)
40歳以上で眼圧1mmHg以上低くでる。PG剤点眼で更に低くでる可能性あり。