第27回 日本緑内障学会 その12 (973)

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ゴルフもなかなか大変^^; 手術のようにはいきませんね。


須田記念講演 緑内障から学ぶ 山本哲也 岐阜大

座長は師匠にあたる白土先生

  1. 視神経・網膜・隅角の所見をとって視野を読む
  2. 眼圧下降の重要性
  3. 良い指導医のもとで研修
  4. 薬物に対する理解
  5. 手術の修行
  6. 患者さんと長く付き合う
  7. 緑内障の理解

1)視神経から

SSOH

 Fine combed hair thining (FCH), Rough combed hair thining (RCH)

この言葉は、明瞭に覚えている。1987年岩田先生が日眼に書かれた論文。視神経でなくて、網膜に注目している。「その昔、緑内障外来に入った時、これこそ、早期緑内障の所見だと思い、眼底をみては、この所見がないか必ずチェックしていた記憶がある。はるか昔だが・・・」

 SSOHとの出会い。19913月臨眼に8歳のNTG(?)を報告。これがSSOH?実は、緑内障患者の中に結構含まれている。「そう言えば、昔緑内障外来に入ってしばらくして、GP行うと、一番外側のイソプターからマ盲点に向かって、楔状に視野欠損していて、全く悪化しない症例が結構あることに気がついたが、先天異常なのだろう・・と思っていたが、その一部がSSOH?」

  • Superior segmental optichypoplasia. A sign of maternal diabetes. 
  • Kim RY, Hoyt WF, Lessell S, Narahara MH. 
  • ArchOphthalmol. 1989 Sep;107(9):1312-5.

これは、日本人のSSOHとは少し異なる?多治見スタデイの中で、15千人の眼底写真を6週間で見るという荒業を行い、3754眼見つけた(0.3%の有病率)。若くて、両眼性で、上鼻側に多い。

⇒高眼圧PPGの初期の成績

3.5年経過をみて、55眼中40眼は視野異常なく、視神経に異常のある15眼中11眼が視野欠損(+)に。要するに、最初の段階で視神経に異常のあるものだけが進行して視野欠損に至る・・・・と。だから最初にしっかり見ましょう・・・?

2)隅角から

⇒レーザー虹彩切開術とALTについて。圧迫隅角鏡によるPASの観察(TypeS/TypeB

一時期、東大眼科のレーザー担当(レーザー虹彩切開術とLTP)となり非常に多数例の隅角を見たことが非常に役立ったと。その後UBMが導入されて、隅角閉塞にタイプB(隅角底から始まる)とTypeS(シュワルベ線付近から始まる)があると。ただ、TypeSPASになりにくい。PASになるのはTypeBだと。暗室試験などを通じて、機能的隅角閉塞が非常に多い事も分かった。

3)眼圧から

⇒変動する眼圧の中に秘密が・・・

私なんかは、その昔、教授回診でカルテに「日内変動」なんて書かれて(多分手術適応そのものを疑っておおられたからだと思うのだが)、仕方なしに入院患者さんの眼圧日内変動を何度かしたことがある・・・って程度なのだが、岐阜では長年に渡り、信じられない数の日内変動を行っておられて、そこから得られる眼圧についての知見は非常に有用。夜間眼圧の上昇。ただ、夜間は通常寝ているので、眼圧も寝ている状態で測定。するとNTG569例中、305.3%がPOAGと診断。夜間眼圧といっても、座位なら高くなく、仰臥位だと高い(3.8up! なおレクトミー後だと寝ても1.0しかupしない)。

4)カルテから

⇒『カルテめくり』の効用について

  • 毛様体冷凍術の術後成績 生命表法による解析 
  • 眼科臨床医報(0386-9601)784Page490-494(1984.04)

この発表をした時に、すべてのカルテをチェックした。このカルテチェックが、11例の経過を知ることになり、非常に勉強になったと。術後眼圧が高いと、殆ど眼圧コントロール不能に・・。また、電卓で生命表分析をしなければならず、理解が深まったと。「関西医大でも、数年に一度、年末にカルテの表書きの仕事がノイヘレンに与えられた。夜遅くまで、カルテをめくり、経過のサマリーを作って、翌年度からのカルテに書いておくのだが、経過に変動があると、ついつい引き込まれてしまい、サマリーに時間がかかった記憶があるが、カルテを見ること確かに勉強になるのだ。」

5)時の経過

20年観察してわかった事は?正常眼圧PPGの視野異常出現率、正常眼圧緑内障の予後・失明率など

19210例のハンフリー視野の結果解析から。20年間以上診た正常眼圧PPG117例。6.8年で58.1%に視野欠損。視野異常の出現は、5年で23.910年で44.115年で61.520年で73.8%だと。片眼の失明率は20年で10%と結構高いが、両眼失明は1.5%ほど。

一流眼科医へのタイムスケジュール?

  1. 20代:所見をとる勉強
  2. 30代:所見をとる勉強、手術入門
  3. 40代:手術手技の完成    
  4. 5060代:緑内障経過観察経験

突然のことで少し驚いたが、最後の方で、感極まって、落涙された。須田記念講演は緑内障専門家にとって、それほど価値がある賞なんだなあ・・と再認識。2017年の日眼特別講演もチョット心配^^;

最後に、残念ながら、緑内障の経過は、医師の寿命より長い・・・

※個人的には、しっかりとしたカルテを残しておいて、自分の医師の寿命が尽きそうになった時、サマライズしたものを患者さんに渡せるように心がけないと・・・と、思っています。

疲労困憊・・・・ここで帰宅


by takeuchi-ganka | 2016-10-06 10:05 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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