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第22回 大阪眼科手術シンポジウム その2 (976)

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信貴山から見える大阪市。さぞや夜景は素晴らしいだろうが、カップルだらけかなあ・・


特別講演

1,網膜手術に対する数理解析的アプローチ 坂本泰二 鹿児島

ちょっと聞いたことのない切り口からのアプローチ。計量眼科学?

EBMとは、科学的根拠に基づく医療。『できるだけ多くの臨床データに基づいて、統計学的に妥当性のある最新最良の医学知見を用いる医療』らしいが、別のみかたをすると、アメリカ中心に情報を独占するのが目的の半分?今後益々求められるEBM。エビデンスレベルの高いRCTが必要?ただ、RCTは大変な困難を伴う。例:トリアムシノロンを用いたビトと標準ビトとの比較試験(RCT)は、774眼に対して99項目にいて調べ、結局術中裂孔発生が少ない・・とわかっただけ。非効率かつ不経済で、人体実験的側面もある。それで今後は、ビッグデータの活用?RCTからReal World Dataへ。

米国眼科学会(AAO)は、IRISIntelligent Research in Sight)レジストリを開始。電子カルテ(EHR)の患者データを集積し、統計的解析を行う・・・らしい。20144月からで2200万件が登録されたと。これにより、全ての症例が登録され、薬効調査も格安で・・・? 日本でも網膜硝子体学会で全症例登録制度が始まったが・・・・今後政府が関与して、電子カルテからデータを吸い上げて、医師をコントロール下に置く?最終的には、吸い上げた臨床データを人工知能が解析して医者いらず?

 電子カルテが意味するものは、医師と医師を管理しようとする国とでは、大きく異なるようです。

 余談だが、大手企業の臨床研究の不正につけこまれ、『臨床研究法案』が通ったのだが、これは研究者にとって、大問題?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/1000research/201607/547656.html

黄斑円孔の新しい病因論

黄斑円孔はアーケードが広い?病因は、硝子体方向の牽引だけではない。paired eye studyを行ったら、動脈アーケードの血管の開きを調べると、黄斑円孔(+)の方が開いていた。黄斑円孔の大きさは、円孔の閉鎖時間に関連している。また動脈の開きが大きいと閉鎖時間が長い。例:175°もあれば中々閉じないが、122°ならすぐに閉じる?まだまだ不十分だが、『閉鎖時間=0.33MHsize + 0.11RA angle』 ※なお術中OCTMH閉鎖ならうつ伏せしていないと。

シリコンオイルの適応:PVR、高齢のMH、巨大裂孔RD、コロボーマの剥離・・・・

利点は、翌日からの視力がでる。体位制限が軽度。ただ、シリコンオイルの下方の眼球との間のスペースが問題。そこでheavy silicon oilDensiron68 の応用(水より重い・・)。

抜去について:抜去後すぐにエコーするとRayleigh散乱が見られる⇒これが残留シリコン。これを利用したスタデイで、結局関係していたのは、眼圧と眼軸だけだった。空気置換は関係ないというか、しない方がいいらしい。(経験じゃなく、EBMのあるスタデイが必要)


by takeuchi-ganka | 2016-10-31 12:52 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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