2017年 01月 16日
平成28年度学術講演会『最近の硝子体手術』 その2(987)
2,裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術 東大阪医療センター 松村永和
100年以上前、両眼遮蔽、絶対安静から始まった網膜治療は、1920年にJ Goninの裂孔閉鎖、1971Machemerの硝子体手術(17G⇒1.42mm)を経て、現在のシステムに・・・
- (※1984年に入局した頃は、まだまだbuckling全盛時代でした。)
- (※17Gの硝子体器具の映像を出されていたが、眼に太い釘が刺さったような印象^^;)
- 最新のMIVSは、20G(0.9mm)⇒25G(0.5mm)を経て27G(0.4mm)システムに?
- カッターもバネ式(Max2500回転/分)から空気駆動(5000~7500回転/分)に。ここまで速くなると、網膜を吸い込まないので医原性裂孔もできにくい。10000回転/分のもののある?
- かつてプリズムをのせてくるくる回しながら、狭い視野で手術していたのだが、今では広角眼底観察システム:BIOM、RESIGHT・・・が標準。
- シャンデリア照明:25Gは20Gの40%の明るさしかないので、より明るい光源が必要。ハロゲンからキセノンそして水銀へ。
- Choromovitrectomy:手術視認性を良くするためにアジュバントと呼ばれる補助剤を用いて行う硝子体手術。トリアムシノロン⇒トリパンブルー⇒ブリリアントブルーへ。
- パーフルオロカーボン(PFCL):比重1.9と水より重いので、これにより網膜剥離を強制復位させ、剥離網膜をバタつかせる事なく硝子体切除可能に。光凝固も可能。
- タンポナーデ物質:ガスがいい。自然吸収されるし、SOより表面張力が大きく、タンポナーデ効果が大きい。SOは仕方なく使う場合だけ。理想的には数ヶ月後に抜去だが、無理なことも・・。PFCLによるタンポナーデは、うつ伏せ不要かもしれないが、抜去手術が必要になる。
- 体位:うつ伏せは必要だが、結構大変・・・・(実感)
- 復位した網膜は完全に元の位置ではない?