2017年 02月 06日
第416回大阪眼科集談会 その1 (994)
第416回 大阪眼科集談会
1,近畿大学奈良病院におけるIFIS発症率について 萱澤朋康(近大)
以前にも聞いた話だが、IFISそんな多いかなあ・・。α1Aブロッカーの内服率は、白内障手術患者の9.7%で、男性に限ると20.2%。内服患者の40%以上がIFIS発症だと。ユリーフ:α1A遮断薬、ハルナール:α1AD遮断薬、フリバス:α1D遮断薬。内服患者のIFIS発症率は、ユリーフ42.7、ハルナール33.9、フリバスはゼロ。
※多いのか少ないのか頻度不明になってきたが、かつて恐ろしいと感じたIFISも、フェニレフリンミニムスさえあれば安心?
2,硝子体手術により改善した多焦点眼内レンズ移植後のwavy vision 吉村彩野(多根記念眼科)
waxy visonってなんだろう。ワックスを塗ったスッキリしない見え方の事。それも多焦点IOLを入れた場合だけ?何となく定義が曖昧な気がするが・・・。両眼に回析型多焦点IOLを入れて、左眼がすぐにwaxy vision(+)。単焦点IOLに入れ替えたのだが、愁訴不変。1年以上して、今度は右眼にwaxy vison。でも右眼はPVD発症して軽度硝子体混濁もあり、ビトしたら愁訴(-)に。その後左眼もビトして、愁訴(-)に。これって、硝子体手術で愁訴が消えるのは、waxy visionではなく、単に硝子体混濁による症状じゃないの?結果コントラスト感度アップ。
※多焦点眼内レンズは、何となくぼやけて見える人が多いので、そんな見え方に新たな名前を与えたのだろうか?従って、原因不明なので、定義もない?
3,局所治療無効で全身治療が著効した上皮型角膜ヘルペスの1例 山田章悟(関西医大総合医療センター)
少しわかりにくかったが、マイボーム腺炎角膜上皮症を伴う上皮型角膜ヘルペス。ヘルペスは、ごく普通のヘルペスなのだが、何故かアシクロビル軟膏が効かない。効かない場合は、まず患者さんが疑われる。軟膏をちゃんと入れてないのでは・・・と。軟膏の入れ方を指導して、それでもダメなので入院して看護管理にしたのだが、それでも無効。この場合、耐性株が疑われるのだが、バラシクロビルの内服が奏効したと。バラシクロビルを内服すると、アシクロビルのプロドラックだから、最終的には、涙液中のアシクロビルによって治ると理解していたのだが・・・不思議だ。最初に処方された、フルメトロンの影響?
4,DSAEK術後の表在性角膜真菌症の2症例 奥村竣大(大阪医大)
DSAEK術後、角膜浮腫や混濁が続いてやがてそこにびらんが・・・。カンジダ検出。60症例中、4例に真菌。ちょっと多い?
5,6歳以下の小児おける調節麻痺前後の屈折度の差-Spot vision screenerと自動屈折検査器の比較 横山連(総合医療センター)
http://welchallyn.jp/visionscreener/
通常のレフより、検査もやりやすそうで、結果調節も入りにくくて、調節麻痺後のレフ値に近い値が得られるので、非常に有用だと・・・。なだめすかして、押さえつけてレフする必要もなさそうだし、サイプレしなくても、ほぼ真の屈折値が得られるのなら、子供の診療には、非常に有用だ。欲しい!