第416回大阪眼科集談会 その3 (996)

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最近ここの景色にはまってます^^;


特別講演

原発開放隅角緑内障の長期経過と長期予後 福地健郎 新潟大

福地先生は、岩田先生がおられた時代からの、生え抜きの緑内障専門家。貫禄あるけど、ちょっと年下か・・・^^; 最近は意外と雪が積もらない新潟市からいらっしゃいました。集談会後の講演にしては、テーマが壮大で、ついていけるか心配しつつ・・・

1)視野

今回のテーマは視野。我々は緑内障患者さんの視機能を守るのが目的なのだが、評価の基準となるのが視野。イベント解析で、進行の有無を判断し、トレンド解析で進行速度を推定する。治療によって、進行速度を緩やかにして、命ある限り、有用な視野を維持できるように治療するのが目的。ただ、どのステージで、どの視野検査を行うのが、最も有用(適切)なのかが問題になる。ゴールドマン(GP)、30210-2を使い分けるのだが、進行して、ハンフリーで真っ黒になってても、GPなら情報得られる事が多いし、302で異常がなくても、10-2では立派な暗点が見つかることもある。上手く使い分けが重要。

※まず正確に検査ができているかどうかも。特にハンフリーは、信頼性の指標をチェックすべき。学習効果にも注意が必要で、最初の12回は、成績向上するので、MDスロープ計算の場合除外が必要。OCTGCC異常が検出されたら、対応する視野異常検出は10-2がベター。

※個人的には、実は悩みは大きい。基本は30-2をしてMDスロープを求めたいのだが、視機能の細かな評価となれば、10-2のダメージがどの程度なのか知りたいし、10-2の経時的変化も重要になってくる。たまにはゴールドマンもして、全体の評価もしたいし・・・すると、視野検査漬けになってしまう。この配分をどうするか・・・実は悩みは大きい。

2)QOLについて

QOLでは、特に読書が問題なくできるかどうかが重要。疫学調査では、NTGが圧倒的に多いのだが、ロービジョン外来にはPOAGが最も多い。つまりPOAGHTG)は重症化しやすいということ。QOLを評価する方法として、①質問票(スコア化) ②機能検査(ドライビングシミュレーターなど)があり、視野検査結果を使ってQOLを推定するなら、①Better eye MD ②重ね合わせ視野(IVF※)が有用。

 Integrated visual fields: a new approach to measuring thebinocular field of view and visual disability. Crabb DP, Viswanathan AC. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2005 Mar;243(3):210-6.

VFQ-25ラッシュスコアによる緑内障患者のQOLと視野指標との関係(末武亜紀2016日眼)

VFQ-25スコアとの相関係数は better MD 0.56worse MD 0.53better VFI 0.59worse VFI 0.56であった。better eyeに、より高い相関があり、中心に重要性をおいたVFI MD値より相関係数が大きい。

※さらにIVFの中心部分に10-2を組み込んだ高精細重ね合わせ視野は、よりQOLを反映。

※下半視野は上半視野の2倍、10度以内は10度以外の4倍重要。

3)進行速度

POAGNTGより進行早い。MDスロープが-1.0dB/Y以上なのはPOAG13.6%NTG7.3%だったと。平均MDスロープも悪いし、下半分のTD変化も悪い。長期的には中心視野も障害されやすい。POAGNTGは、異なる対応が迫られる。POAGHTG)は眼圧が高いとMDスロープ悪いが、NTGではあまり関係ない?(岐阜大のデータは関係ありだが・・・)。

Progression rate of total,and upper and lower visual field defects in open-angle glaucoma patients.

Fukuchi T Clin Ophthalmol. 2010 Nov 18;4:1315-23

4)前視野緑内障(PPG

視野異常(+)とは、30-224-2Anderson-Patellaの基準で異常(+)と定義。一応この定義で異常(-)で、眼底に緑内障性変化が明らかな緑内障がPPG。より鋭敏な視野計として、FDT、オクトパス、SWAP・・などがあるが。SWAPSAPより5年ほど先行するものの再現性悪いし、悪化判定も難しい。特殊視野検査よりも、OCTに任せた方が楽・・

 PPGの中には、POAGHTG)とNTGの両方が含まれているが、HTGは進行速度早いので、要注意。特に若いひとは・・。


Commented by まる at 2017-03-04 15:48 x
竹内先生こんにちは。
かなり以前から、ブログを拝見していました。
いつも、勉強をさせて頂いています。
緑内障歴12年目の59歳女性です。

長いこと、初期の状態で維持をしてきましたが、
2年ほど前から進行が始まりました。

竹内先生のブログの中に、MD値1.0/年の進行で
手術を考えると言う掲載が以前ありましたが、
私の場合、昨年の8月に検査を受けたとき、
MD値-2.54⇒半年後-4.25と、-2.0近い進行
PSD値も6.65⇒7.06
そしてGHTが92%から87%と大幅に悪くなりました。
視野検査の、固視不良はありません。
点眼薬も、ルミガン・アゾルガで、16と17までしか
下がらなかったので、先月末からグラナテック追加です。
強度近視なのでOCTは既に真っ赤で、視神経は元々薄いので
年を重ねるといつか、進行期が来る事は覚悟はしていたのですが、
その進行があまりにも早いようで、今は怖くてなりません。

主治医は、視野検査は100%では無いので、
次の視野検査まで保留しましょう、良い結果が出る場合もありますと仰っていました。
同時期に進行していた、右目は、今回は進行していないと言う結果で、片目だけです。

半年でここまで、視野狭窄が進行する原因は
何かお解りになりますか?
また、私のような例もあるのでしょうか?
誤差が大きい場合、視野検査に不備があった場合もあると
言って下さった方も居たのですが、今は、急激な進行に
意味が解らず、不安でなりません。



Commented by takeuchi-ganka at 2017-03-09 17:21
MDスロープは、数年の間に信頼できる検査結果がいくつもあって初めて意味のあるデータとなります。-2.54が、半年後に-4.25になったのを悪化と言っていいかどうかは、それだけでは判断しかねます。
by takeuchi-ganka | 2017-02-09 17:31 | Comments(2)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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