第1回大阪眼科アカデミー その3(1003)

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山側は2分咲き?(月ヶ瀬梅林)

講演Ⅲ 緑内障管理:薬物と手術の私的比較論 山本哲也(岐阜大教授)

4月の日眼の特別講演を控えて、何だか集大成的発言が多い気がする。

http://convention.jtbcom.co.jp/121jos/program.html#p01

日々の診療で何を考えているか。数年先ではなく、1020年先の予後を考えながら、薬を選び、手術するかどうか悩む。一番新しい統計では、視覚障害の原因疾患としては、3位が網膜色素変性症(12.0)、2位が糖尿病網膜症(15.6)で、1位が緑内障(21.0%)。演者は、この割合を近い将来ぐっと下げる事が可能と考えていると。

 演者が緑内障治療を始めた当時、エピスタ、サンピロ、ダイアモックスしかなかった。1981年にチモが出て、2016年にミケルナが出るまで、9ジャンル10種類以上の点眼が使用可能。加えて配合剤の登場。気がつけば、多剤併用が増えている現実がある。

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(個人的にも、私が眼科医になった時は、エピスタ、サンピロ、ダイアモックスにチモが出たばかりの時代。その後、少しづつ点眼が増え続けたのだが、新しい点眼が出る度に、その点眼の特徴を自分なりに掴んで来たので、現在10種類以上の点眼があっても、既に好き嫌い(?)が出来上がっていて、それほど困らないのだが、若い眼科医は、いきなり数多くの緑内障点眼に出会ったら、困るのだろうなあ・・・)

最近話題のバルベルト。TVTスタデイによればレクトミーより成績がいい?ただ、術後平均眼圧が高いとか内皮障害の問題もあり、やはりレクトミーがお勧めだと。ABCスタデイでは、アーメドの方が眼圧も低めで、手術もやさしいし、管理も楽?Expressのポイントは刺す位置と方向。成績はレクトミーと同レベル。今後は、MIGSが増えてくる?iStentの位置づけとしては、白内障手術に追加して、白内障の単独手術よりは若干眼圧が下がることを期待して行う感じ?早期~中期緑内障が適応に。

最近前視野緑内障と呼ばれることになったPPG3年後13%が視野異常(+)に。演者の考え方は、この3年後視野異常が検出された13%は、もともとOCTで精査すれば緑内障性変化(+)だと。このようなケースは普通は治療する・・と。悪いところは進み方早いし、進行群の方が眼圧高い。もっと長期的な経過をみると、117眼を20年間みれば、58.5%に視野欠損(+)に。PPG4人中3人は20年後視野異常(+)に。UKGTSでは、2年間プラセボだと25%ぐらい視野異常(+)に、ラタノ入れると12%ぐらいに。1mmHg高いと23%緑内障になる確率上昇。結論としては、OCTで異常が検出されたら、将来のことを考慮すれば、最初からしっかり治療へ?また、NTGにしても、POAGにしても、薬物より手術介入の方がMDスロープの改善効果高い(だからどんどん手術しましょう・・とはならないが)。

緑内障治療というのは、非常に長期間にわたる。3年間ぐらいなら何とかなるが、1020年となると難しい。


by takeuchi-ganka | 2017-03-06 13:34 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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