第3回KCS その1 (1005)
2017年 03月 08日

第3回KCS(Kansai Medical University Cornea Seminar)
2017/03/04@ホテル京阪 京橋 7階『かがやきの間』
角膜の専門家ではないので、若干場違いだったかもしれないのだが、この日京橋で大切なミーティングがあるので、ついでと言っては失礼だが、KCSという角膜を専門にしている医師達のセミナーに出かけてきました。案の定難しくて消化不良に・・
一般講演
1) 「Moraxella nonliquefaciensによる角膜潰瘍の1例」 関西医大病院 石本敦子
角膜専門家の間の共通認識が基本にあって、始めて問題意識が生まれる訳で、そうでない人間にとっては、何故それが問題なのか理解できなかったりすると苦しい・・
モラクセラ属の中でも、マイナーなMoraxella nonliquefaciensの感染。2015年の日本臨床微生物学会雑誌の報告の中にこの細菌による角膜潰瘍の報告があって、世界初・・と書いてあるので、非常に珍しい報告なのだと思われる。一般的に(と言ってもよく知らないのだが、教科書的には、モラクセラの角膜病変の特徴は、①緑膿菌感染のような輪状膿瘍 with 前房蓄膿 ②辺縁不整の面状細胞浸潤 ③小さい円形細胞浸潤らしい。症例は、91歳女性で、当初潰瘍があって浸潤がなく、プラークが見られた(そこが問題?)。その後前房蓄膿(+)となり、クラビット・ベストロンの毎時点眼で順調に改善・・・・。上皮修復には時間がかかるらしい(20日以上)。
2) 「マイボーム腺炎角膜上皮症の1例」 関西医大香里病院 河合まり子
※細菌増殖によると思われるマイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害をマイボーム腺炎角膜上皮症と呼び、①角膜の結節性細胞浸潤+血管侵入⇒フリクテン型、②SPK主体の非フリクテン型。
症例1:17歳女性。フリクテン型のマイボーム腺炎角膜上皮症。ベガモックス×6とフルメトロン×4で治療して、一端良くなったが、その後3年間で両眼で12回再燃。その後また受診されて、クラビット×4、フルメトロン×3にクラリス内服で改善。
※問題は、マイボーム腺炎なので、マイボーム腺内の細菌増殖が問題で、除菌をしっかりすることが基本。マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)の少量長期投与(1-3ヶ月)。保険請求上の工夫が必要かも・・。
10年以上前に経験した典型例(①のフリクテン型)

