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第417回大阪眼科集談会 その2 (1008)

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4,ぶどう膜炎による網膜剥離を疑われ、硝子体手術により復位した1例 南高正 JCHO大阪

実は眼内鉄片異物であったというオチがつく発表。56歳の大工さんで、数年前、小さな細い釘状のものを扱っていて、それが眼に飛び込んだ(?)過去があるのだが、その時は、何か眼に当たったけど大丈夫・・・ということで、すまされたらしい(ありがちなケース)。その後少し時間が経過して、ぶどう膜炎・網膜剥離がありPEA+IOL+ビトを受けたのだが、再剥離したので、SOを入れたが、SO下でも剥離(+)に。その後KP、角膜実質の赤褐色混濁所見、網膜血管炎(白鞘化)があり、再度Encircling併用ビト。すると、8×1mmの鉄片が出てきた。つまり鉄錆症。

※細い釘状の異物が、輪部あたりから(?)毛様体扁平部に入り込んで、とどまると発見が難しい(池田教授)。ちょっと論文検索すると、同じように、何年もけいかしてから異物が発見されることはあるようです。

※眼内鉄片異物といえば、昔、硝子体手術が普及する前に、コンベルグを装着して、X線写真で異物の部位を特定して、巨大マグネットで取りにいった記憶があります。最終的に、異物は取れても、鉄錆症による続発緑内障で失明されましたが。


5,当院におけるトラベクトームの短期術後成績 藤井誠士郎 多根記念眼科

何故かトラベクロトミーという手術は、ab interno(内側から)とかexterno(外側から)なんて言い方をします。トラベクトームというのは、トラベクロトミー ab interno、つまり前房側から線維柱帯を切開する手技です。Goniotomyとどう違うのだろう?このab internoには、KAHOOKという8万程度の使い捨てツールもありますが、この発表はライセンスが必要なTrabectome®(これもハンドピースは使い捨てで8万ぐらい?)。4548眼、平均60歳の症例に行われ、術前25.1から術後1M16.312M15.4mmHgに。19以上2回で死亡とすると、12Mで生存率68%。


6,プロスタグランジン(PG)点眼による類嚢胞黄斑浮腫(CME)を来した2症例 藤原亮 関西医大

症例1は、62歳女性。以前剥離がありPEA+IOL+ビトしてあり、その後緑内障にビマト入れるとCMEに。症例2は、80歳男性で、以前PEA+IOLされていてヤグも。その後タプロスが入って両眼CMESTTAして治癒。

第417回大阪眼科集談会 その2 (1008)_f0088231_18300070.jpg※この集談会のはがきが届いた頃、全く同じような症例に遭遇。1年ほど前にERMに対してPEA+IOL+ビト。術後CMEがあったのでNSAID点眼で治癒。経過観察中に、初期のNTG所見が見られたので、ラタノ入れると、数ヶ月して、明瞭なCMEが・・。再びNSAID点眼で改善しつつあります。バリアが破綻している眼にPG点眼を入れると、漏出が促進されCMEが形成されやすい・・・とうことなのでしょう。ただ、治療にSTTAなんかいるのかなあ。


7,成熟白内障に対するフェムトセカンドレーザー白内障手術の有効性 清水一弘 高槻病院

フェムトセカンドレーザーによる白内障手術(FLACS:femtosecond Laser assistedcataract surgery)。 どこまでこの超高価な器械にメリットがあるのかわかりませんが、特殊症例には明らかにメリット(+)。今回も脳性麻痺や精神科通院中の成熟白内障症例。

1,サクションリングで眼球を固定   2,3D-OCTで眼球の構造を読み取り   3,フェムトセカンドレーザーで、切開創、CCC、核の細分化、乱視矯正角膜切開。   4,その後は、普通の白内障手術と同じ。


8,多焦点眼内レンズにおける術後視力に影響する因子ならびに満足度調査の検討 大島祐介

多焦点眼内レンズ(と言っても、2焦点か3焦点ですが):先進医療適応のReSTORE(アルコン アポタイズ回析型) ②TECNIS MULTIAMO 回析型) 、先進医療適応外で片眼50万以上もする ③LentisOculentis社 遠近が上下に分かれている) ④FINE VISIONPhysIOL社 3焦点) ③④は、特に満足度高い?


by takeuchi-ganka | 2017-04-03 19:12 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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