2017年 06月 09日
第418回 大阪眼科集談会 その1(1025)
1,日常生活における視野異常の自覚の有無別における両眼視野セルフチェックシート(Check Chart Driving Edition)の有用性について 山下眞里佳 近大
両眼視野の評価は、左右の30-2の結果を重ね合わせる方法(IVF)やエスターマンのプログラムがあるが、Check Chart Driving Editionは、これらの結果とよく対応して、患者さんに視野欠損を自覚してもらうことが可能。視野欠損の自覚のない場合も有用。
2,治療経過の評価に前眼部光干渉断層計を併用したMALTリンパ腫の2例 河本晋平 阪大
結膜にできたサーモンピンクの腫瘍。切除後のフォローを前眼部OCT(CASIA)で行った。正常な高輝度層の内部に後方輝度減弱を伴う低輝度領域。徐々に縮小していることが確認できたと。※様々な場所にできるので、輪部に近い部分だといいが、円蓋部付近は評価しにくい?
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4498969/
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4498969/figure/F5/
3,白子眼底を呈し遺伝子検査によりAngelman症候群と診断された1例 柊山友里恵 大阪医大
視神経蒼白、白子様眼底が診断のきっかけ。
4,鼻根へのヒアルロン酸注射直後に、眼動脈閉塞症及び眼球運動障害を来した1例 西村英里 関西医大
美容整形で、鼻根部へヒアルロン酸注入。直後から眼虚血が発生したようで、上眼瞼切開して、ヒアルロニダーゼ注入されたが改善しないので、紹介受診。視力は0.2まで低下し、後極部網膜は白濁、その後角膜も一時混濁していたが、これは透明に。ヒアルロン酸分子は400μmほどあり、眼動脈径は2000、網膜中心動脈は160ほど。眼動脈経由で網膜中心動脈、前毛様動脈、後毛様動脈が閉塞したらしい。ヒアルロニダーゼは、虚血を改善しないで、外眼筋炎症を惹起しただけ?(一時内転障害)。
※眼科ではなく、美容整形外科側の論文を検索すると、いくつかヒットしました。どうも、直接眼動脈に入ったというより、眼球周囲の血管から逆行性に眼動脈方向へ流れたのが原因・・と推測されています。