2017年 07月 16日
緑内障 Hood レポート(トプコンOCT)(1031)

緑内障Hoodレポート
トプコンのOCTに新しい解析ツールが追加されました。元々優秀な器械なのだから、ソフトを充実させれば、更に有用になることは間違いないのだが、なかなかそうならない事の方が問題だったのかも。もっともっと頑張ってほしいな・・・トプコンさん。
で、新しいツールというのは、Hood先生が提唱・監修したとされる緑内障Hoodレポートです。このトプコンのOCT Tritonで緑内障性障害をスクリーニングしたい時に最もよく使う撮影モードは『3Dワイド』です。現実的には、このモードは経過観察に使えないので、緑内障確率が高い場合は、最初から3D黄斑や3D乳頭を使うことが多いのですが・・。でも、この3Dワイドは結構優れもので、このモードで一枚とるだけで、視神経乳頭周囲の神経線維層厚と、黄斑部網膜のGCC+やGCC++の解析が同時に行えます。緑内障性視神経障害のスクリーニングに関しては、ほぼ万全で、黄斑部の神経節細胞のダメージは、GCC解析で早期から検出可能だし、比較的黄斑の外側に初期変化があって、GCC解析エリアから外れていても、cpRNFLの解析で検出可能です。この解析結果に少し手を加えたのが、新しい緑内障Hoodレポートです。
これは、特別なものではなく、視神経乳頭周囲における神経線維層の厚みを表示する一般的な表示方法で、厚みに問題がなければ緑の範囲内に収まり、薄くなって黄色の範囲に入れば5%、赤い範囲に入れば1%の危険率で有意な異常値と判断する。また、視野中心から+8°まではピンク、-8°までは青色で表示され、その他は黒表示。

②視野計の検査点と神経線維厚の相関

③神経線維層のEnFace画像(52μmの位置)
恐らくだが、網膜内境界膜レベルでフラットニングした、表層から52μmレベルのEnFace画像。ここが最もRNFL欠損が見やすいのだろうが、自動的にこの作業をしてくれるのは有り難い。下方に幅広のNFLDが明瞭。
④12×9mmの範囲の神経線維層厚マップ

⑥GCL+厚マップ(神経節細胞層・内網状層の厚みマップ)
中心窩から10°の範囲でのGCL+の厚みマップ。ほぼ下半分のGCL+が、かなり菲薄化していることがわかる。
⑦ 視野計の検査点(24-4:大と10-2:小)とGCL+厚の相関
