第28回日本緑内障学会 その10 (1058)
2017年 11月 02日

その10
モーニングセミナー5
緑内障の進行評価と治療強化のタイミング
1,緑内障の進行評価 三木篤也(大阪大)
進行評価は難しい。視野の進行の評価は、トレンド解析が有用だが、意味のあるMDスロープを得るのには、結構時間がかかる。年2回の検査だと、4-5年かかる?2ヶ月に1回できれば、2年でわかるが現実的でない。(※私の意見だが、最初だけは検査回数多くして、その時点の進行速度を推測するしかないのかも。ただ、30-2も10-2も必要だとすると、治療開始当初の評価が定まるまでは、それなりに時間がかかる。OCTが登場し、もう少し早く進行速度を知ることが出来ると期待したのだが、現時点では、満足のいくトレンド解析ソフトはない?)
緑内障疑い患者で、視野欠損(+)となった眼のcpRNFL厚の減少速度は、-2.02μm/年で、視野欠損(-)の眼は、-0.92μm/年だった。1μm/年早くなると視野異常リスク2倍だと。OCTなら頻回にできるので、やはり、cpRNFL減少速度だとか、GCC減少速度を見るのがいいのかも。
2,緑内障治療:強化のタイミング 福地健郎(新潟大)
- QOLは、視野の悪い方の眼よりも良い方の眼に大きく影響される・・・・?
- 中心窩閾値と視力は強く相関するが、同じ1.0の視力でも感度が悪いギリギリの1.0と余裕の1.0がある・・
- 30-2でも10-2でも、視力と強い相関のある測定点がある
- 特に気になる場所をカスタムでトレンド解析・・
- 視力が悪い時は、①角膜上皮障害は?②黄斑疾患は?(OCT macula)③緑内障(中心窩・10-2)④白内障
- 目標眼圧:リスクの評価(眼圧・変動・DH・CDR・PPA・・・・)
- 高い眼圧の緑内障は、MDスロープと眼圧はと弱い相関あるが、低い眼圧の緑内障はそれがない。ただ変動が大きいと悪化速い。で、POAGは10-12以下が目標。NTGは一応8-10が目標?
- 眼底所見:DHが進行の印(Kim HS,Ishida,北澤・・・)
- Comparison of myopic andnonmyopic disc hemorrhage in primary open-angle glaucoma. Kim HS Jpn JOphthalmol. 2013 Mar;57(2):166-71.
- GEタイプは、進行速い。
- Progression of visual fielddefects in eyes with different optic disc appearances in patients with normaltension glaucoma. Nakazawa T J Glaucoma. 2012 Aug;21(6):426-30.
- OCT:CDR大・リム狭い・・進行リスクファクター

