2017年 11月 11日
第10回 Osaka Ophthalmology Forum その2(1062)
特別講演
症例で学ぶ網膜循環障害の病態と治療戦略 京都大学 眼科教授 辻川明孝
眼科の話になり少しほっとする。症例を提示しながら、BRVO、網膜細動脈瘤、そしてCRVOの話を。
症例1,BRVO
症例2,網膜細動脈瘤
FAでは写らないことも。IA可能ならこの方が良く写る。OCTは有用。血液疾患でも見られるが、内境界膜下出血は、この疾患に特徴的な所見。また中心窩に網膜下出血があると要注意。遷延すれば視力低下する。従って、網膜下出血の量はOCTでブロックされる程度で判断して、急ぐ場合は、網膜下へtPA入れて、ガス注入が必要。(※なお内境界膜下出血が多い部位では、テンションが高くなるので、網膜下出血ないことが多い)
※網膜下出血が多い時の鑑別診断は、PEDがあれば、加齢黄斑変性、内境界膜下出血があれば動脈瘤。他眼にドルーゼンがあれば加齢黄斑変性の可能性高い。よく見えていて急性発症なら動脈瘤。変視症からの発症なら加齢黄斑変性・・・
※滲出が多いタイプの動脈瘤もある。外網状層(ヘンレ)は緩いのでそこを伝って浮腫が広がる。アーケード外BRVOでも同じように中心窩に浮腫が及ぶことも。その場合は光凝固が必要。
症例3 70歳asteroid hyalosisで眼底見えない。PCTでPED(+)、中心窩はきれい。加齢黄斑変性という判断で、抗VEGF投与。
症例4 48歳男性 視力0.07。虚血性変化の強いCRVO。抗VEGFを何度か行って最終投与の3ヶ月後にNVG発症。PRPのタイミングは遅い。CRVOは必ずFAを行い虚血性変化の程度をチェック。虚血性変化が強ければNVGに備えないといけない。抗VEGFしていても、安心できない。ただ、NVG発症時期を遅らせているだけ。忘れない内にPRPしておくべき。演者は最初にすると。