2018年 01月 15日
第29年度学術講演会(第8回)その2 (1027)
2,緑内障眼のOCT 野本裕貴(近大)
演者の専門は視野らしい・・・。でもOCTの話。OCTは02年にStratus OCT(タイムドメイン)、06年にフーリエドメインOCT登場。フーリエドメインOCTの中では、スペクトラルドメインOCTが先で、後により高速でより深部まで見えるSS-OCTが登場。これにより緑内障眼に生じている構造変化を定量的に評価して、経過観察を行う。観察対象は、視神経乳頭周囲の神経線維厚(cp-RNFL)とGCC(GCIPL)。緑内障の最初の変化は神経節細胞に生じるので、そこをターゲットにしているのであるが、網膜外層は変化しない?いや、10-2と相関するという話もあるらしい。これは、スペクトラリスOCTの話だが、『SD-OCT画像からより自動検出されたブルッフ膜開口端(Bruch’s Membrane Opening / BMO)』を求めて、BMO-MRW(BMOからの神経線維層の最小厚)を算出して、そこで神経線維厚を見ると、Global BMO-MRW や RNFLTの減少速度は、それぞれ-1.04μm/年、-0.12μm/年(Invest Ophthalmol Vis Sci. 2017 Aug 1;58(10):4106-4113. )。この速度は、今後基準となる?また、異常検出能力は、ストラタス・シラス・RTV・トプコン・・みな同レベルらしい。
症例1:58歳女性。左眼はMDが-8.61もある明瞭なNTGだが、右眼は-2.53dB。OCTもGCC解析で上方に僅かに弧状の低下部位があり、10-2では異常なし?経時的解析が必要になってくるが、長期にわたって同じ方法で測定できる視野と異なり、OCTは比較的短期間に機種がバージョンアップしたり、モデルチェンジするので、超慢性疾患の緑内障の経時的解析には不利かも。
※Trend-based Analysis of Ganglion Cell-Inner Plexiform LayerThickness Changes on Optical Coherence Tomography in Glaucoma Progression. Ophthalmology. 2017Sep;124(9):1383-1391.
cpRNFLとGCCは、緑内障検出能では同等。近視眼ではGCCが有利。PPGの視野変化を早期に検出する為に、30-2や24-2の10度以内に測定点を数個追加するプログラムあり(アイモ24Plus)。トプコンのOCTについたHoodreportも視野異常が出そうな場所を示して入れるので有用。
症例2:アイモ 24-2で異常ないが、アイモ24plusで異常検出。
症例3:レクトミーで術後乳頭血流増加をOCTangioで検出した症例。
症例4:ERMがありsegmentationがうまく行かなかった症例。
※OCTで篩状板の評価も可能。
3D evaluation of the laminacribrosa with swept-source optical coherence tomography in normal tensionglaucoma. PLoS One. 2015 Apr 15;10(4)
3,網膜のOCT 大中誠之(関西医大)
大中氏の講演も聴きたかったが、アイファガンの話も聴きたかったので退席・・^^;