第23回大阪緑内障研究会 その1 (1030)

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23回大阪緑内障研究会

(在阪5大学緑内障研究会)

ホテルグランビア大阪

学術講演 レスキュラの話題

自社の創業者に敬語を使うのに違和感を感じつつ・・・拝聴。この薬、いつの間にか、スキャンポファーマという聞いたことのない会社から売られているレスキュラ。眼圧下降作用は弱いのに、何故か気になる薬。最近では、プロスタグランジン製剤とは一線を画しして、イオンチャンネル開口薬とうたっている。眼圧を下げないけど、視野は守るという話(神経保護作用)が、いつくかの講演で耳に届き、気がつけばそれなりに処方している。

https://www.dovepress.com/intraocular-pressure-and-visual-field-changes-in-normal-tension-glauco-peer-reviewed-fulltext-article-OPTH 

Intraocular pressure and visual field changes innormal-tension glaucoma patients treated using either unoprostone orlatanoprost: a prospective comparative study

この論文も、レスキュラはラタノより眼圧下降効果弱いが、視野維持効果同等かより優れていることを示しているらしい。ラタノの眼圧下降効果に勝る神経保護効果があるのだろうか・・。

※結構古い薬で、手元の資料では、平成3年の日本緑内障学会研修会で、新家先生が、UF-021点眼について話されている。副経路に作用して、0.5%チモロールと同等の効果があると。


症例報告 当院でのCACGの治療方針  大阪医大

講演を聴きながら、かってな妄想をしていた。演者には申し訳ないが、以下講演内容と関係なし・・・

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瞳孔ブロック強く隅角スリット状~見かけ上閉塞
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瞳孔ブロック中等度だが隅角見かけ上閉塞
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瞳孔ブロックほとんどないが隅角見かけ上閉塞
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極端に前房浅く隅角閉塞

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プラトー虹彩形状

いつもの事だが、閉塞隅角緑内障の話を聞きがなら妄想が始まる。この手の報告で、一番気になるのは、本当に診断レベルは共通で、同じ土俵で戦っているのだろうか・・・という疑問。PACSPAC。隅角鏡を入れて、全周グリグリと調べて、ちょっとでもPASがあればPACで、無ければPACSPACの定義を見ると、【隅角閉塞によって眼圧上昇を来しているか、もしくはPASを生じているが、GONがない状態】。眼圧が上昇している時に、それが隅角閉塞が原因かどうか、PASがない場合に判断は簡単ではない気がする。UBMや前眼部OCTでどうみても、接着していると思われる隅角でも、眼圧が正常なことはいくらでもあるし、非常に狭いものの微かに開いていているけれど、眼圧上昇していることもある。判断は難しい筈だ。また、PACSって、一体前房深度がどれくらいで、隅角角度がどれくらいから、そう呼んでいるのだろう。機能的隅角閉塞は、隅角鏡で証明するのは、非常に難しく、前眼部OCTUBMで隙間なく接着しているように見える時だけに使っていいと思うのだが、果たしてそのようなケースのみが報告されているのだろうか。そんな結構曖昧な雰囲気が漂う中で(?)、何年でPACSPACになったと言われても。多いとも少ないとも感じにくい。それに、前房深度が浅いほど瞳孔ブロックが強くなり隅角は狭くなっていく・・・という関係は、プラトー虹彩要因・水晶体要因がゼロに近ければ成り立つだろうが、Primaryと言いながら、プラトー虹彩要因がかなり強いこともあれば、チン小帯が緩くて水晶体が前方移動してたりしていることもあるだろうし、様々な要因があり、だからこそ、一筋縄ではいかないこともあるのだと思う。

何故か日本でのみ問題視されるレーザー虹彩切開術後の水疱性角膜症問題を少し除外しておくと、PACS/PAC/PACGに、レーザー虹彩切開術するかどうか、それが有効かどうかという問題。この手技は、単純に瞳孔ブロックを解除しているだけなので、それを解除した後も眼圧が下がらないとか、その後も隅角閉塞が進行するとか・・というのは、その隅角閉塞に伴う眼圧上昇の原因が、瞳孔ブロックだけではなかったということの証明に過ぎないのでは。だから、適応を選んで瞳孔ブロックが主たる原因であれば、レーザー虹彩切開術で十分だろうが、チン小帯が緩いとかプラトー虹彩形状が強ければ、水晶体摘出したほうがいいに決まっている。PACGにレーザー虹彩切開術かPIPEA+IOLなのか・・・なんて比較はあまり意味がなくて、その眼圧上昇の原因が、瞳孔ブロックにあるのか、その他の要因はどの程度関与しているのか。或いは隅角閉塞、しかも線維柱帯のpigmentbandをおおうような閉塞が全周の何%ぐらいになっているのか。或いはもし主経路の房水の流れが鼻側で多いなら、閉塞がどの範囲なのか・・・なんてことも総合して、この眼は、瞳孔ブロック解除だけでいいのか、PEA+IOLGSLを併用するのか判断するし、もし病歴が長くて、隅角閉塞期間が長いと思われる場合は、LOTを併用するだろう。

 今の白内障手術の水準であれば、PEA+IOLして、隅角を広げると同時に、レンズを透明にして、屈折矯正も適正にすれば、レーザー虹彩切開術と較べて、様々な意味で良好な成績になると思う。ただ、日本中のすべてのPACS/PAC/PACG眼に、この治療方針を当てはめることができるだろうか。皆手術に同意するだろうか。手術に踏み切れぬまま、レーザー虹彩切開術されないまま、隅角閉塞が増加していく症例が増えなければいいのだが・・・。また、レーザー虹彩切開術後の水疱性角膜症は、ヤグをメインに使ってするようになった現在でも、世界中で日本でのみそんなに多いのだろうか。ただ、

Effectiveness of early lens extraction for the treatment ofprimary angle-closure glaucoma (EAGLE): a randomised controlled trial

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)30956-4/fulltext 

こんな論文出てきたし、もう負け犬の遠吠えかな・・・


by takeuchi-ganka | 2018-01-28 11:23 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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