2018年 03月 19日
ホットアイマスク (1042)
http://www.kao.co.jp/megrhythm/eye/
http://www.kiribai.co.jp/products/category/detail.html?pr=8
少し前になるが、フォーサムで聞いたドライアイ治療の中の、油層からのアプローチという話を復習してみる。昨年、非常に超立派になった湖崎眼科を見学した時、同院のM先生が、しばしば使うので、某メーカーのホットアイマスクが在庫してあった。もうかなり前から、気にはしていたのだが、積極的には対応してこなかった分野のひとつだ。ドライアイの原因のひとつにMGD(マイボーム腺機能不全)がある。ただ、自分の感性に問題があるのかもしれないが、臨床実感としては希薄で、積極治療の必要性を感じなかったのだが、ちょっとスタンスを変えてみようかな・・
分泌減少型MGD:ワーキンググループが作成した診断基準(2010)
1,自覚症状:眼不快感・異物感・乾燥感・圧迫感などの自覚症状がある。
2,マイボーム腺開口部周囲異常所見
- 血管拡張
- 粘膜皮膚移行部の前方又は後方移動
- 眼瞼縁不整
①~③の内1つ以上を陽性
3,マイボーム腺開口部閉塞所見
- マイボーム腺開口部閉塞所見:plugging, pouting, ridgeなど
- 拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺からの油脂の圧出が低下している。
①②両方満たすものを陽性
http://www.tearfilm.org/mgdreportjapanese/mgdjapanese_2.htm
※繰り返しになるが、上記のマイボーム腺機能不全所見を複数見られる高齢者が、何も訴えない事が多くて、なかなか積極治療のモチベーションが上がらないのだが、もう少し若い人をターゲットに見直してみようかな。
改善の為に・・
1,温罨法、ホットアイマスク
2,Lidhygine:綿棒で風呂あがりに毎日洗浄。(OcuSOFTがお勧め?)
http://www.eye-care-select.com/products/detail.php?product_id=3
※ちょっと痛いけど、マイボーム腺圧迫鑷子(吉富・有田)
※LipiFlow(1回すれば1年有効?)⇒施設によって値段異なると思いますが、片眼6万ぐらいのようです。どれくらい有効なのは知りませんが・・・要するに、上下の眼瞼を外と内側からサンドイッチして、内側から温めて、外側からマッサージするシステムのようです。ホットアイマスクで温めて、マッサージするのと、どれくらい違うのでしょう・・・?ちょっと気になります。
http://www.tearscience.com/physician/in-officeprocedure/treatment/
http://eyetube.net/video/lipiflow-thermal-pulsation-system--tiwaf/
3,テトラサイクリン内服:マイボーム腺内の細菌に対して?リパーゼ作用を抑えるから?
※アジスロマイシン(AzaSite) 何年かしたら千寿から出るかも・・まで出てない・・
4,ジクアス:P2Y2レセプターはマイボーム腺にもあり、脂質分泌促す可能性あり・・
5,ω3脂肪酸内服(亜麻仁油)
6,サイクロスポリン点眼:2ヶ月ぐらいやれば効果出る・・と。
7,タリビッド眼軟膏少量(ゴマ粒大)塗布3回/日:眼瞼縁に薄く塗る・・
この中で、手軽にできて効果的なのは、温罨法。これについても、お風呂で温めたら・・・と超消極的指導しかしてなかったが、これに花王㈱の『めぐりズム』を加える事に。香りのない製品から、ラベンダーやカモミールなどの香りのある製品もあります。昨日、ちょっと使ってみた。少し暖かくなったアイマスクをしてみる。じんわり温かくて、素敵な香りにつつまれる。音楽でも聴きながら、リラックスタイムを味わいつつマイボーム腺の脂を溶かすことができるのなら、『ありかな・・』と思いました。また桐灰からも『あずきのチカラ』という同じような商品が出ていて、こちらは使い捨てじゃなくて、250回も繰り返し使えて経済的だとか・・。