第47回関西医大眼科同窓会の春の勉強会 その2 (1064)

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ちょっと気になった小さな花


脈絡膜新生血管の生体イメージングと病理相関

髙橋 寛二(関西医大附属病院・眼科)

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高橋先生の研究理念だそうです。『病変の病理を理解すると診断と治療がより的確に行われ、日々の診療が一層充実して楽しくなる』という宇山昌延の言葉を高いレベルで体感しているのだと思います。比較したら怒られますが、その昔、少し研究生活していた時、病理組織標本を作成して、光顕・電顕写真をとっていましたが、その時、微かですが、そんな気持ちがしたことがあります。高橋先生の場合、眼底所見をみると、その病理組織像が見えるのでしょうし、病理組織標本を見ていても、眼底所見が見えるのだと思います。そんな彼の為に作られたような演題が、この『脈絡膜新生血管の生体イメージングと病理相関』。

1,実験的脈絡膜新生血管におけるOCTA-病理相関

en face OCTA画像と脈絡膜flatmount組織標本の免疫組織染色画像(CD31⇒血管内皮、PDGFRβ⇒周皮細胞様足場・・・・)の比較検討すると、pericyte-like scaffoldが大きい(OCTAではCNVを過小評価している可能性)。ダークハローは線維化組織・・このようなデータが背景にOCTAを読影が洗練されていくのだろう。

2,PCVOCTA-病理相関

PCVは、網膜色素上皮下の異常血管網(branched choroidalvascular network (BVN)ポリープ様病巣。このポリープの血管構造を解析すると、毛細血管型(39.8%)とループ型(60.2%に。この2群で、抗VEGFによる治療効果に明らかな差は確認されなかったが、OCTAで退縮傾向が認められて、血管構造は大きく変化した?また、HighFlow病巣(94.3%)とLowFlow病巣(5.7%がある。OCTAでの検出率が83%にとどまったのは、vascular poor病巣が捉えにくかったから?

BVN:のタイプ分類?medusa型が最も多い・・・・。BVN80%は退縮へ。20%が不変・拡大。

3,滲出型加齢黄斑変性の2CNVOCTA-病理相関

滲出型加齢黄斑変性の2CNVには2つの形態:①未熟な周皮細部・炎症細胞が伴うもの。管腔を形成していない。⇒毛細血管型 ②管腔が広い成熟血管。チューブ様成熟血管形成⇒ループ型 前者は欧米に見られるタイプで、完全退縮しにくい。後者はPCVに似ていて(PCVが起源?6/9PCV併発)、CNV面積大きく、SHRMを伴い、視力改善が得られやすい。問題になる線維化は、毛細血管型に多い。

4,Pachychoroidspectrum 疾患群における脈絡膜構造とその発症機序の解明

  1. Pachychoroid pigment epitheliopathy
  2. Pachychoroid neovasculopahthy
  3. CSC
  4. PCV

  • PCVの摘出標本⇒脈絡膜の血管拡張、Hallerの血管拡張が脈絡膜肥厚の原因。CD34で血管内皮を染めると、黄斑部のHaller層の拡張血管で増加、CCで減少(脱落)(Focal dropout/diffuse dropout)。 pachyvesselCC閉塞⇒脱落・・。
  • VEGFを染めると、脈絡膜間質に増加。melanocyte?マクロファージ?lymphocyte?・・
  • 脈絡膜血管拡張⇒CC閉塞⇒網膜色素上皮虚血⇒VEGF upregulation・・・・⇒Type1 CNV・・・(仮説)。

※最初の脈絡膜血管拡張はなぜ?下記の様々な要因が複雑に絡み合っている?

  1. 血流動態因子(静脈のうっ滞)
  2. 局所性虚血(CC drop out
  3. 慢性炎症
  4. 細胞外マトリックス変化
  5. 遺伝的素因
  6. 環境・個人的因子(喫煙・高血圧)

なかなか最初の脈絡膜血管拡張の原因推定は難しそうだ。Choroid VEGF heat box 仮説を提唱。何故heat boxができるのか謎だが、これにより脈絡膜内に新生血管やPCVが発生?


by takeuchi-ganka | 2018-05-29 18:25 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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