第424回大阪眼科集談会 その3(1069)

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特別講演

硝子体手術のあたらしいトピック 門之園一明 横浜市大

本物の特別講演。

本論に入る前に、世界初の硝子体手術(open sky vitrectomy)が第2代広島大教授の百々次夫先生に行われたこと、世界初のclosed vitrectomyも日本の大阪で?ちょっとびっくり。その後硝子体手術は、器械・器具の進化に伴って驚異的な発展を遂げています。世界的には、硝子体手術は1970Machemer R(マイアミ大)が始めたとされていて、実は悲惨な成績?1989年のKelly NE, Wendel RTMHの手術は成功率70%

ERM

 分離後部硝子体膜ができると、これを足場として、ERMの発達。ゆっくり発達した軽度のものをcellophane maculopathy、急激に進行したものがMacula packer。症状は、変視症・不等像視・視力障害だが、変視症が一番問題。なぜ変視が起こるのか?表層でなくて、網膜内層の変化。INLが問題。ここの歪みが問題だと。ここの厚みをOCTで測定すると、ここが厚いとMチャートも悪い。手術がうまく言って、患者さんの訴えが改善するとINLの厚みが減少している。

 ERMの頻度。かつてと違い、今はOCTで見ているから、非常に多くなってる筈。日眼会誌。加齢とともに増加し、80歳代になれば30%も。視力分布は、視力がいい人に多い。視力がいいと歪みもわかる?だとすると、優良視力のERMの手術がターゲットに。視力1.0の白内障をするかどうかと同じような判断が迫られる。

光干渉断層計による黄斑上膜の有病率の検討 野田 佳宏 日眼会誌. 119 (7): 445-450, 2015

 ERMの術後の評価を視力とMP3で。手術方法は、ERMの剥離の仕方が問題で、水平にめくる。垂直方向に引っ張るとダメージを残してしまい、これが術後視力に大きな影響を。円周方向にCCCのように丁寧に接線方向にそっとピールしていく。すると術後の視力もいいし、MP3で見た網膜感度も改善しているのだと・・。術後困るのは、CMEだと。10%ぐらいで・・。ステロイド投与がいいのだが、長い針で黄斑直下まで入れてステロイド投与している。

※視力が1.0ERMに手出しするかどうか。術後視力が下がるのは、サージカルダメージ。最初のイニシャルフラップと最後の中心窩へのトラクション?最初はラッフェから?どこからやっても一緒?ダメージの少ない場所からすべき?それと光毒性。

網膜移植

 大きな慢性経過したMH1000μm以上、1年以上。網膜色素上皮・視細胞ダメージ(+)。これらの治療は可能?方法としては、内境界膜剥離と移植、移植にはinvertedして入れるか、フリーにして入れる。有茎の状態で移植すると閉じるが視力でない。今、新しい方法として、感覚網膜そのものを移植していると。近く(?)で網膜を採取して、MHの孔に移植する(パーフルオロカーボンリキッド下で伸ばした状態で)。 当然拒絶反応はないし、生着がいい。時間の経過とともに徐々に浮腫も引いて、中心窩っぽい形に。EZも?将来、難治MHの治療に網膜移植が増えてくるかも。(内境界膜剥がして裏返して孔に詰め込むのにも驚いたが、今回は、近所で切除した網膜を埋め込むのだと・・・)

※アマクリン細胞が活躍?

ヘッドアップサージャリー、デジタルマイクロスコープ、3D眼鏡

大きなモニター画面を見ながら手術する。手術に参加するヒト全員がモニター画面を見ているので、一体感あり。このモニター画面に映し出される映像は、徐々に解像力の高いものになってきている。ハイビジョン画像も、2K4K・・と進化していく。これを3D眼鏡を使って立体的に。また明るいところと暗いところの両方が見れるようにHDR(ハイダイナミックレンジ)技術を用いている。

http://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/hdr/index.html

 ※暗い光でも手術できる。網膜色素変性症の患者さんの手術の場合、通常なら見えないぐらいの明るさでも、デジタルアシストで手術可能となり、光障害を抑えつつ手術が可能。

立体感(奥行き感)について。遠近法・光と影・拡大率・調節力・・が関与。リサイトで、手前が大きく、奥が小さく見えることで、シャンデリアで影が出ることで、より立体的に。この3Dシステムの場合、コンタクトレンズを使ったり、老眼で調節力がなくなってくると、より立体感が出るらしい。少なくとも術者は恩恵に浴しているらしい。

デジタルアシストが有効なケース

  • 症例:巨大なMHinverted flap
  • 症例:バックルを縫着するための、強膜トンネル作成
  • 斜視や緑内障も・・

血管内治療

CRAO症例。cherry red spot.FAで造影されない。OCTAでも間引きされたような毛細血管ネットワーク。血管内治療に力を入れている。医師会と共同でCRAO症例を集めていると。急性期に血栓を溶解できないか。OCTで血栓を確認して、動脈に直接注入。確認できない場合はやらない。ロボットアームを使って、手ブレをなくしつつ、50μニードルで動脈に刺入して、tPA噴出。12分やって抜去。液空気置換して再出血予防。うまく行けば、血流が戻り、視力・視野改善していると。LSFGでも改善効果は明らか。

72時間以内を適応にしている。CRAOは、すぐに完全閉塞している訳じゃないので。

http://shirokitakoen.blogspot.jp/


by takeuchi-ganka | 2018-06-09 14:21 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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