第13回 眼科治療を語る会 その2(1073)

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ステロイドによる眼圧上昇 三木弘彦

先日、同門会でお見かけしなかったので、少し心配してましたが、三木先生は、私の心配など杞憂とばかりにアクセル全快で、一気に三木ワールドへ・・・心配して損したなあ・・・(^^)

今回の三木先生のお話は、ステロイドによる眼圧上昇について。ステロイド緑内障と言わないところがミソ?我々は、ステロイド点眼による眼圧上昇に気をつける必要がある。それはときに訴訟に発展することも。眼科医の多くが経験していることだけど、内科・小児科・耳鼻科・・などで長期にわたって処方されたステロイド点眼で眼圧上昇し、中には重大な視野欠損をきたすケースも少なくない。他科の先生ご注意を・・

ステロイド点眼による眼圧上昇タイプは、low responder / intermediateresponder / high responderと分けられる。Beckerの基準は20以下/2030/31mmHg以上、Armallyの基準は、⊿IOP 6以下/6-15/16以上。健常者においては、Beckerの基準の3タイプの比率は58/36/6%、Armally基準では66/29/5%、ところがPOAGなら0/8/926/48/46high responder比率が格段に高くなる。現在の考え方ではnon responderというのはなく、すべての症例で、レスポンス(+)。 4-6週継続すれば眼圧上昇する。特にPOAGでは、highresponderの比率が非常に高い。non responderと思われても、長期点眼継続で眼圧上昇(+)

※古い論文では、線維柱帯による細胞外マトリックスの異常蓄積?どんなステロイドでも徐々に蓄積するので、nonresponderはない?これにグラナテック有効?この点眼は、『主経路の房水流出抵抗の主座は、シュレム管内皮細胞と傍シュレム管結合組織(JCT)と言われている。ここの流出抵抗が高まっている疾患に対して、ROCK阻害は細胞骨格に働き、流出抵抗を下げて、眼圧を下げると期待されている。』薬なので、有効かも・・・(初期なら?)

 ぶどう膜炎に対してステロイド点眼で他眼の眼圧が上がることも。フルメトロンでも安心できない。リンデロンの1/8だが・・。全身投与でも、眼圧上昇(+)。小児の場合は注意(特に6歳以下)。高齢者のhighresponder は要注意。双子の調査でも同じ反応示さなかった?遺伝子とresponder関係ない?

一般的な治療:①ステロイド中止 ②緑内障点眼 ③LTP ④手術(流出路手術)

※(http://www.ozurdex.com/ )この硝子体内に入れるステロイドの徐放剤は、60%で眼圧上昇、25mmHg以上が12%

l 症例145歳女性の上強膜炎 with RA。リンデロン点で眼圧45NPT(ノンペネ)+リンデロン点+デカドロン注(21年前の症例)(眼内操作がないのがミソ?)⇒良好な経過。PSSにも沢山やった。

l 症例249歳男性。原田病で、ステロイド内服・点眼で、両眼眼圧4060mmHg。どうする?⇒緑内障手術(流出路系)・・・(当時の三木先生ならロレクトミー?)

l 症例3:内科で間質性肺炎にステロイド内服。眼圧フルメディケーションでも2030mmHg.高度近視もあったので⇒EX-Press

※最近こそ、免疫抑制剤や生物学的製剤の登場で、ステロイドの比率が下がってきているだろうが、それでも眼科以外でステロイドの内服が投与されるケースは膨大な数になると思うのだが、一体その中のどれくらいの割合で眼圧上昇が発生していて、知らぬ間にPOAGのようなGONが発生しているのだろうか?我々はPOAGNTGを含む)を見たとき、過去のステロイド内服歴もしっかりとチェックが必要かも・・・。

最後の提示症例:PACGでレーザー虹彩切開術されていて、その後PEA+IOL+ロトミー受けたが眼圧上昇。症例は、全周PASがあるような慢性PACG。本来は、広範囲に(できれば全周)GSL必要なケース。レクトミーは悪性緑内障の危険性(+)PEA+IOLGSLしても、悪性緑内障の危険性があり、場合によっては、前部硝子体切除併用も必要なケース。その昔、三木先生はPEA+IOLして、外からロトミーしながら癒着も外して、withMMCレクトミー?


by takeuchi-ganka | 2018-06-17 14:44 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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