第13回 眼科治療を語る会 その3(1074)

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ネジリバナ 今年も健在


1. MIGS成績と術後眼圧上昇 山岸和矢

最小の侵襲で眼圧を安全に下げる手術へ・・・。本当にできるのだろうか。安全な手術だと眼圧下降幅は限定的だし、眼圧を大幅に下げようとすれば、失うものも大きい危険な手術になりかねない。ただ、きれいなblebができて、何年も経過している眼をみると、やはり濾過手術でないと視機能を守ることはできない気もするが、そこまで辿り着けなかった数多くの症例のことを忘れてはいけない。時代はMIGS?。最小の侵襲で安全に眼圧下降が達成できる術式は存在するのだろうか。

まずはトラべクトーム。これは、線維柱帯を電気で蒸散させる。カフークは切除、谷戸式は切開、それ以外に、iStent,iStent inject, Hydrus, Cypass, iStent supra, 次はInnFocusMicroshuntXen Gel shunt

 トラベクトームの成績は、基本ロトミーと同じ。適応に間違いなければ、ロトミーと同程度には有効だと。適応というのは、要するに線維柱帯に流出抵抗があるもの。ロトミーより前房出血は、少ない・・。ロトミー同様、長期的にみれば、徐々に眼圧は上昇する。ロトミー同様、線維柱帯は再生すると考えられるが、切開よりも蒸散なので、再生は遅い(眼圧再上昇は遅い)と推定される。ロトミーと異なって、乱視コントロール可能、超高齢者でも可能(低侵襲だから)。所要時間は短い、安静も短い・・・

iStent:初期の緑内障、眼圧15以上で、白内障がある時の同時手術だけ。鼻下側の集合管の多い場所がベター。ときに出血も・・。眼圧下降1.3mmHgとは微妙・・。

※最後に提示された症例は、トラベクトーム術後前房出血・眼圧上昇に難儀したケース。穿刺・洗浄を繰り返すもなかなか改善しないで、最後にsteroid結注によって眼圧下降したと。今まで、1000以上ロトミー系手術してきて、初めてのケースだと・・。逆に言えば、非常に難儀する確率は0.1%

2. 中心暗点様の視野欠損を認めたICC症例 南野桂三

緑内障なのか、高度近視に見られるICCIntrachoroidalCavitation)が原因で神経線維が障害されて視野欠損が生じたのか・・・、なかなか判断が難しいですが。南野くんがしっかり勉強して、詳細にOCTも検討してICCによる視野障害がある症例を提示してくれました。一枚のOCTの断面でNFLの断裂を断定できるのだろうか・・・という疑問は残るけど。


3. カフークデュアルブレード関連症例 松岡雅人(関西医大総合医療センター)

これも、トラベクトームと同じようにロトミーinterno20GVランスの切開創から可能。トラベクトームが線維柱帯を焼き切る感じなのに比べて、カフークは、線維柱帯をカンナで削る感じ。いずれにしても特別な手技ではなく、少し広範囲に線維柱帯切開が小さな侵襲で行える。出血するがそれほど多くない。惹起乱視が少なくて、彼は古典的(?)ロトミーはほぼやらなくなったと。短期(3ヶ月)の成績は、ロトミー同様。眼圧下降2割ほど。


by takeuchi-ganka | 2018-06-19 17:21 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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