第7回守口オフサルミックフォーラム その3 (1086)

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朝からサウナのような熱気。早く秋が来て欲しい・・


特別講演

ぶどう膜炎診療のキモ~ぶどう膜炎非専門医からよくきかれること~ 臼井嘉彦

2001年東京医大卒

最近色々物議を醸している大学だが、当然そんな事には触れないまま・・・。少しぐらいいじってあげたほうが大阪らしい歓待なのに・・・^^; 

ただ、開業医を20年もしていると、この手の話は身にしみる・・。若干アホにもわかるように話していただき嬉しい。

ぶどう膜炎と言っても、ありふれたものから稀なものまで、ざっと35種類以上もある。非感染性感染性があり、後者を見逃さないことが重要。講演は若い医師との対話形式で。

東京医大はぶどう膜炎外来担当医師が14人も・・(凄い人数・・)。そんな外来での会話の中から・・?

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11歳ぶどう膜炎、リンデロン点眼、なかなかcellが消えない。いつまで継続する・・?⇒特に子供においては、cell+1程度なら点眼を中止していい。続発緑内障・併発白内障の方がずっと怖い。フルメトロンはあまり意味ないというか、その程度でいいのなら、しなくても大丈夫だと。

11歳女性iridcylitis in young girlcell+1、中間部ぶどう膜炎。ステロイド、レミケードで当然良くなるのだが、副作用の方が怖いので、治療せずに経過を見ることも多い。

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硝子体術者から紹介。高齢のぶどう膜炎でERM(+)。手術したい・・・⇒やってもいいけど、ERMと硝子体を病理組織に出して、サルコイドーシスかどうかを診断確定する事が重要。そして難病申請することが重要。

(※このあたりの話が、ぶどう膜炎の専門家らしい。『難病医療費助成制度』という制度があり、高額な医療の継続が必要な場合、助成をうけることができます。したがって、その可能性のある場合は、最初に申請しておくことが重要となります。http://budoumakuen.com/treatment/subsidy2.html )

63歳女性。ブサッカ結節、ERM(+)ACE29.7あるが、BHL(-)で、右脚ブロックのみ。このままだとサルコイドーシスと診断できず、原因不明のぶどう膜炎になる。手術してERM・硝子体(スノーボールや希釈液を集める)から壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明されて、サルコイドーシスの診断が確定すると、難病申請も通る。現実は一旦良くなっても、再燃して、ステロイドを長期投与することになることも多いが。

https://www.jssog.com/www/top/shindan/shindan2-1new.html 

※アクネ菌の関与も言われていて、エリスロマイシン長期投与していることもある。女性に多い(90%)
http://www.tmd.ac.jp/press-archive/20120521/index.html 

ERMをつくるぶどう膜炎は?サルコイドーシス・眼トキソプラズマ・原因不明肉芽腫性ぶどう膜炎など、サルコイドーシスに近いものは、ERM多い。逆にERMがあれば、こういった疾患を想定すべき。

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56歳女性の緑内障急性発作眼。白内障手術する予定だが、眼底見えないけどいいの?⇒実は原田病でSRD(+)。ちゃんと眼底見ないと・・。緑内障発作の原因は毛様体脈絡剥離。

34歳女性。視力低下・充血・前房細胞(+)両眼の視神経乳頭発赤・・原田病疑い⇒ベーチェットだった。サルコイドーシス・梅毒も考慮。ステロイドしていたら大変。

49歳女性。左眼にのみSRD(+)。ただ脈絡膜肥厚(-)。原田病で紹介。⇒高血圧網膜症だった・・。

※原田病の症状の特徴:櫛を通した時の違和感。

ぶどう膜炎ステロイド内服で改善するが、20mgぐらいまで減量すると再燃。どうしましょう?⇒ベーチェットの可能性は?

63歳男性ステロイドパルス2クール。20mgまで減量したが再発。すでに満月様顔貌。すでに視力は手動弁。白内障・硝子体混濁(+) ⇒ 多分ベーチェット。硝子体手術して、眼底をしっかりみて、FAもしてベーチェットと確定し、その後難病申請も通り、レミケードで沈静化。よく効く!※眼底だけ見てもわかりにくいこともあるが、FAするとよく分かる。そのためにも、手術が必要。

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25歳男性、ベーチェット。主訴:なんか見にくい。痩せ型・ヘビースモーカー。

20歳女性、梅毒。主訴:なんか見にくい。皮膚にバラ疹。ともに、眼底一見正常だが、FAするとベーチェット・梅毒ともによく分かる。

23歳男性、前房に細胞(+)。眼底異常(-)?でも手動弁しかない。FAすると明らか。動脈静脈にも炎症。バラ疹(+)。⇒梅毒の眼底所見は、一見そんなに悪くない感じだが、FAだと強い変化。動脈にも炎症がくるのは、他にはあまりない(ARNぐらい・・)。黄斑部に円板状病巣も(その昔、Tヤンが報告してたなあ・・)。
急性梅毒性後部円板状網脈絡膜炎の2症例(会議録/症例報告) 谷口典子(関西医大), 眼科臨床医報 (0386-9601)9011 Page1494-1495(1996.11)

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KP(+)、眼圧上昇していたが、散瞳しなかった⇒××。隅角して散瞳は必須。この患者は、ARNだった。最初、周辺部に滲出性変化が出るので散瞳は必須。ARNは予後不良と言われているが、1週間以内にACV・ステロイド開始したら、意外と予後いい。初発症状は、充血。この段階で、散瞳すれば早期診断可能だが・・・。(だだ、開業して20年も経過するが、ARNに遭遇したのは2例のみ。この間、どれほどの主訴充血患者を見たことだろうか。全員散瞳すべき?恩師は眼圧上昇に注意と言っていたような・)

 1週以内に(ウイルス量が多くない時期に)治療開始できれば、意外と予後いいのだが、そうでないケースの方がずっと多い(70%ほど)。進行例のビト。PEA+IOL+エンサークリング・SO。硝子体皮質のきっちり取る事が非常に重要。術後増殖性変化は、長期に続くので、エンサークリング必要。

ぶどう膜炎の白内障手術

  1. 診断確定後に手術しましょう。⇒べーチェット:ステロイド緑内障があるので結膜温存、原田病:羞明強いので着色IOLCMV:内皮少ないので注意。サルコイドーシス・ARN:瞳孔管理が重要。癒着したら絶対外れない。
  2. 炎症の程度によっては手術中止の可能性に言及
  3. ステロイドしっかり入れて、十分消炎した後手術へ。※レミケードは効果でるのに1ヶ月だが、早くしたいならステロイド。 22男性。MH+ぶどう膜炎。まずレミケード入れて、これだけでかなり視力改善。1年ぐらいしてから手術。
  4. 術野確保。様々な瞳孔後癒着。縮瞳したほぼ全周癒着の瞳孔をみたらほぼ遷延型原田病かサルコイドーシス。単純な虹彩後癒着なら鈍針で簡単に外せる・・・。その後ブリリアントGで染めてCCC(セッシで)。大きいCCCを。術後収縮するので・・。結膜温存したいので角膜切開。術後はステロイド(マキュエイド硝子体注・リンデロン結膜下)。

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69歳男性 KP(+)と網膜壊死?と診断して入院。ステロイド40mgで良くなるが、減量すると改善。ステロイドに反応して、少し改善するので診断が遅れたが、トキソプラズマ。※患者はヤギの生肉をよく食べる沖縄の人。

※先天性瘢痕病巣の横に再発新鮮病巣。白色病変、FAで黒く抜ける。

治療は、アセチルスピラマイシン(あまり効かない)、クリンダマイシン(ダラシン)・ST合剤(バクタ)+ステロイド

白色病変のDD:トキソプラズマ・眼内リンパ腫・MPPECMV網膜炎(with 出血)

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ツ反強陽性、クオンティフェロン陽性のぶどう膜炎。結核らしい。何故か眼内液採取していて、何もでない・・・⇒結核・梅毒・トキソカラは出ない。結核はツ反、クオンティフェロンで、梅毒はTPLA。トキソカラは、トキソカラチェック、眼内液からの好酸球で診断。結核菌は眼内にいないが、全身にはいるので抗結核薬(EB抜いて)投与。眼トキソカラも、排泄物抗原に対するアレルギー反応で、眼内にはトキソカラいない。眼はステロイドで、全身のどこかにいるトキソカラにスパトニン。

これらの疾患は、眼内で起こっているのは、アレルギー反応であって、病原体そのものは眼内にいない。

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研修医がAAUを診た?フィブリン・前房蓄膿の患者さんを点眼出して、予約したと・・・。76歳女性?実は内因性眼内炎。この疾患のAAUやベーチェットとの誤診率は高い。AAUと眼内炎は年齢が異なるAAUは若い。76歳は考えにくい。内因性眼内炎:CRP・赤沈高い。AAU迷ったら、開業医なら毎日でも1日2回でも診て判断すべき。

更に、ほぼ失明確実なのに、何故手術するのか。意味があるのか?⇒手術すれば、細菌も残渣もなくなり、光覚(-)のままだが、痛みもなく、眼球は温存できる。手術しなければ、死んだ細胞に対する炎症継続して、眼痛も続き、最終的に眼球摘出に。つまり、失明確実でも手術適応あり。 

※眼内炎?高齢・片眼・充血強い。白内障術後眼内炎?現実は、水晶体過敏性眼内炎。認知症で白内障手術していない。角膜が非常にキレイなのがポイント。

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ぶどう膜炎の黄斑浮腫治療は?

  1. ステロイド・NSAID点眼 
  2. テノン嚢下注(マキュエイド) 
  3. ステロイド内服 
  4. ビト 
  5. CAI・マキュエイド硝注・抗体VEGF(保険適応外) 
  6. TNFα 

※一応この順番で行っているが、高齢者なら、③飛ばして④もあり)

72歳男性。原因不明ぶどう膜炎の黄斑浮腫。一応まず点眼、マキュエイドSTTA、ステロイド内服、硝子体手術しても治らないので、紹介。マキュエイド硝注有効だが、数ヶ月で再発する。アダリムマブ入れると徐々に改善。

黄斑浮腫が多いのは、ベーチェット15%、糖尿病虹彩炎15%、結核10.7%、肉芽腫性ぶどう膜炎・・・。最も多いベーチェットにレミケードは60%有効。特に早期だとよく効く。

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専門病院へ送るべきぶどう膜炎は⇒眼底に異常がある。再発する。合併症がある。そして高齢者・・

緊急性の高いぶどう膜炎は⇒細菌性眼内炎・ARN・真菌性眼内炎・トキソプラズマ・トキソカラ・・・・


by takeuchi-ganka | 2018-08-07 18:32 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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