第29回日本緑内障学会 その1 (1090)

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ついに29回目となった緑内障学会。新潟は緑内障の本場なので、もう3回目。ただ、前回は2004年だったので、14年も経った事になる。個人的には、雪明なんとかという緑内障勉強会を含めると、4回目の新潟。いつも観光することなく、学会場と居酒屋とホテルの3点移動のみ。今回もそうなりそうだなあ・・・。

今回は、先乗りしているK先生とまず晩ごはん食べて、情報収集。私が予約したのは、予想通りレベルの高い鮨屋さんだった。酒の肴も鮨も樹分満足いくものだったが、それだけに、酒のラインナップが残念・・。

ということで、深酒しなかったので、土曜日はモーニングセミナーから出席。

モーニングセミナー2 

エレックスSLTセミナーVol.6  Primary SLTの考察

[演者] 溝上志朗(愛媛大)

このSLTは、かつて行われたアルゴンレーザートラベクロプラスティー(ALT/LTP)と同じようなものと考えていましたが、そうでもないのかなあ・・。原理は、色素を含んだ細胞にレーザーで短時間に加熱して、光加熱分解により破壊するが、周囲には拡散しない短時間照射なので、周囲組織は温存できるらしい。なぜ眼圧が下がるのか、明らかでないが、線維柱帯細胞や貪食細胞が活性化して、線維柱帯機能が再構築?ALTでは、線維柱帯に瘢痕ができて、層構造が破壊されるが、SLTは瘢痕もなく、層構造が保たれる。眼圧下降効果は、ALTと同レベル。長期になると少し劣る。半周か全周か。360°やればラタノプロストと同程度だが、90180°では劣る。やはり360°すべき?120shots160shotsか?これも160shotsがいい。組織破壊(-)が売りなのに、ガッツリ照射すべき?

[演者] 内藤知子(岡山大)

眼瞼の重症点眼アレルギーの写真はツカミ。今更だが、目薬を正しく点眼することは難しい。意外とちゃんとさせなくて、高齢者ほど上手くさせない。それに忘れる。すると眼圧が上がり、視野が狭くなると、更に点眼しにくい・・・・という悪循環に。また、副作用の問題も。ベータ遮断剤による呼吸不全。眼科医も、気管支喘息は注意しているが、COPDは見落としがち。COPDは、40歳以上の8.6%70歳以上の17.4%と言われていて、NTGと同じように未診断のCOPGはその何倍も?高齢者の緑内障にベータ遮断剤を投与する時には要注意。

また、高齢者でも意外と(?)、DUESを気にしている?プロスタグランジン点眼を長期に渡って使っている眼科医は全員悩んでいるでしょうが、この副作用は、deepening of upper eyelid sulcus(上眼瞼溝深化:DUESだけでなく、eyelid ptosis(眼瞼下垂)、involution ofdermatochalasis(皮膚弛緩の巻き込み)、orbital fat atrophy(眼窩脂肪の萎縮)、flattening of lower eyelid bags(下眼瞼の平坦化)、inferiorscleral show(下方強膜の可視)、tight orbit(狭い眼窩)が報告されていて、Prostaglandin associated periorbitopathyPAP)と言われている。ここで、tight orbit syndromeという言葉が出てきたが、眼圧が高い(3050mmHg、真の眼圧上昇? GATiCare)、眼圧測定困難、レクトミーやアーメドが成功しない。

 ・・・・つまり、こんな問題の多い緑内障点眼を開始する前に(途中で)、SLTを行うのはどうか?SLTはトラバタンズ点眼と同様の眼圧下降効果があり、アドヒアランス低下するとSLTが優位。初診の緑内障患者さんに点眼開始する前にSLTを試みる。3人に1人は無効であることを告げてから

※隅角の線維柱帯への色素沈着が少ない方がいい?元々のターゲットは色素細胞だったのに、現実の成績としては、色素は少ない方がいい?少しバブルが出る程度の強さで打つのだが、色素が多いと照射エネルギーが少なくなるから?何だか原理と矛盾するようだが・・。意味があるのかどうか(有意差なし)、術後ステロイドやNSAIDは使っていない(演者)。

[演者] 新田耕治(福井済生会)

治療の第一選択としてSLTを行うprimary SLTと、点眼を12つ入れた後にSLTを行うのかで、その効果が異なるのかどうか?(そういえば、昔、primary レクトミーって話があったなあ・・) 124174194回の成績は、病型別には、POAGじゃなくて(生存率1.9年:outflow pressure20%以上)、NTGが最も有効で(生存率3.9年)、PEが最低(0.8年)。

※ΔOPは上強膜静脈圧を10 mmHgとし,ΔOP=SLT前眼圧-SLT後眼圧)/SLT前眼圧-10)×100

 stライン VS 2nd ライン以降は、生存率3.9 vs 2.0年と大きな差があると。1年で86.1 v s53.55年で44.4 vs 17.8%。(元々ALTの効果に懐疑的で、SLTには更に懐疑的で、しっかり焼けばいいのに弱かったり、360°やればいいのに、90だったり、160発近くうてばいいのに、100以下だったり、色素が多い症例に弱いパワーだったり・・・・それは効かない筈?)。どうせやるなら、1stラインでがっつり?

 元々、組織破壊しないので、再照射でも再々照射(2nd)でも有効だと聞いていたのだが?確かにそれなりに有効で、特に初回照射が有効な場合は、再照射(2nd)も有効。初回より少し効果は劣るが。再々照射(3rd)は再照射より、再再々照射(4th)は再々照射(3rd)より劣るので、2回が限界? (生存率:初回照射3.0年、再照射2.3年)

NTG12mmHg下降でも⊿OP20%になるので、統計解析は難しい・・。⊿IOPなら15%程度?

質疑:

  • 色素が多いから効く・・・・って事はない。むしろ逆。(溝上・新田)。照射エネルギーをバブルを目安にすると、色素が多いとエネルギー少ない。これは影響?
  • 1st lineが一番いい。2nd以降でも、結構効いてる印象(内藤)。
  • 副作用殆ど無い・・。
  • 術後点眼(ステロイド・NSAID)なし



by takeuchi-ganka | 2018-09-17 09:33 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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